29歳で亡くなった監督ジャン・ヴィゴの傑作『アタラント号』が4K版として復活。さらに、彼の名を冠した新人監督賞「ジャン・ヴィゴ賞」で注目を浴びたノエミ・ルヴォウスキーの最新作が相次いで公開される

BY REIKO KUBO

 そして新春には、1999年に『人生は怖くない』でジャン・ヴィゴ賞を獲得した、ノエミ・ルヴォウスキーの最新作『マチルド、翼を広げ』が公開される。

 主人公は、パリのアパルトマンで母と2人暮らしの9歳のマチルド。突然姿を消したり、情緒不安定になったりの母に振り回され、友達もいない。大好きなママと引き離されてしまうのではという不安を抱えながら、必死で今の生活をつなぎ止めようと奮闘している。そんな2人をそっと見守る父親役は、『バルバラ セーヌの黒いバラ』の監督としても注目のマチュー・アマルリック。

画像: マチルドは、ノスタルジックなインテリアに囲まれたパリのアパルトマンでママと2人暮らし

マチルドは、ノスタルジックなインテリアに囲まれたパリのアパルトマンでママと2人暮らし

 ある日ママが、茶色い小さなフクロウをマチルドにプレゼントする。このフクロウ、マチルドだけに聴こえる声でささやきかけてくるのだ。孤独だったマチルドは彼とともに、理科室の骸骨を森に埋葬するなど、さまざまな冒険を重ねる。そしてママと2人のクリスマスを盛り上げるため、ディナーやプレゼントの準備にいそしむが……。

画像: ママからもらった大きな包みのプレゼントの中には、小さなフクロウが。ある夜、フクロウが「マチルド!」とささやきかけて…… © 2017 F COMME FILM/GAUMONT/FRANCE 2 CINÉMA

ママからもらった大きな包みのプレゼントの中には、小さなフクロウが。ある夜、フクロウが「マチルド!」とささやきかけて……
© 2017 F COMME FILM/GAUMONT/FRANCE 2 CINÉMA

 映画初出演でマチルドに扮したリュス・ロドリゲスがけなげで愛らしく、母親役で女優も兼ねる監督ルヴォウスキーのナイーヴな微笑みに惹きつけられる。少女とおしゃべりフクロウが綴るファンタスティックなママへのラブレターは、冬の寒さにかじかむ心をほっこりと温めてくれる。

『マチルド、翼を広げ』

2019年1月12日(土)より、新宿 シネマカリテにて公開
公式サイト
 

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