プライベートな時間がまだ文字どおりプライベートで、スナップ写真が真の親密さを意味していた、あの頃。メアリー・ラッセルはヨーロッパ上流階級の人々と パーティに興じ、彼らの姿をカメラに収めていた

BY MARIAN MCEVOY, PHOTOGRAPHS BY MARY RUSSEL, TRANSLATED BY ASAHI INTERACTIVE INC.

画像5: 60~70年代に活躍した
写真家メアリー・ラッセルが
撮影した蒼々たる有名人たちとは

シャーロット・ランプリングを撮るヘルムート・ニュートン、カンヌ、1976年

「『ヴォーグ』の仕事でカンヌを見下ろす丘の上の邸宅へ行き、女優のシャーロット・ランプリングを撮影したときの写真。シャーロットは当時、男性ふたりとの三角関係でスキャンダルの渦中にいた。ヘルムートは彼女の上品で控えめな物腰にいたく感心すると同時に、豊かな官能のとりこになってしまった。まるで幼い少年みたいに、彼女の言いなりになっていたわ。不慣れで従順なモデルに指図するという状況に慣れていた彼にとって、シャーロットは新鮮な被写体だったの」

画像6: 60~70年代に活躍した
写真家メアリー・ラッセルが
撮影した蒼々たる有名人たちとは

イーゴン・フォン・ファステンバーグ公爵、ダイアン夫人、息子のアレクサンドル、娘タティアナベネチア・リド島、1970年代初め

「70年代の初め、イーゴンとダイアンがニューヨークへ移ったときに、私がイーゴンのアパートを借りたの。イーゴンは大当たりの男だった。ハンサムでお金持ち、フィアットのアニェッリ家とも親類で、このうえなく愉快な男。ダイアンは強い意志で彼をがっちりとつかまえていて、彼女のカリスマ性とまばゆいエネルギーがふたりを照らしていた。彼らはこの頃深く愛し合っていたし、離婚後もお互いを敬愛しつづけた。当時のヨーロッパでも最高に大胆で前衛的なカップルだったわね」

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