2020年に向け大きく変貌を遂げようとする日本。ひとつのエポックメイキングとなるこの近い未来に向かって、クリエイターたちは何を目指すのか? 革新的な試みに挑む男たちが描く、新しいビジョン

BY JUN ISHIDA, PHOTOGRAPHS BY YASUTOMO EBISU, STYLED BY TAICHI SUMURA

画像: コート ¥1,150,000、スウェット¥91,000 エルメスジャポン(エルメス) TEL. 03(3569)3300

コート ¥1,150,000、スウェット¥91,000
エルメスジャポン(エルメス)
TEL. 03(3569)3300

川添善行 /YOSHIYUKI KAWAZOE
建築家

 日本の「知」の顔である東京大学。その総合図書館の改修および別館建設のプロジェクトをリードするのが38歳の建築家、川添善行だ。「東京大学総合図書館別館計画:アカデミック・コモンズ」は、1928年竣工の本郷キャンパス総合図書館を改修し、図書館前にある噴水広場の地下に約300万冊を収蔵できる自動化書庫と学生たちの学習・議論の場となる「ライブラリープラザ」をつくるプロジェクト。「ライブラリープラザ」は、知の海外流出が問題視されるなか、現在の大学に足りないものを考え計画された。

「これからは答えのないものを自分たちで探し、問いを立てる時代。しかしそのための空間が大学にはない。階段教室は、知識を持つものが持たざるものに伝達するのに適した空間ですが、今の時代には合わない。学生たちが自由に議論できる場が必要です」と川添は言う。
 目指す建築はユニバーサリティとローカリティを兼ね備えた空間だ。

「建築は基本的には現地の人が設計するのがふさわしい。われわれが必要とされるのは、そこで日本的な空間のセンスが役に立つとき。日本独自の空間文化を持つことがインターナショナルへと通じます。そしてそのローカルな空間文化が時代や言語を超えて感動を与えられるとき、ユニバーサリティを獲得するのです」

川添善行
1979年生まれ。東京大学建築学科、オランダのデルフト工科大学を経て、東京大学大学院工学系研究科博士課程単位取得退学。2014年東京大学生産技術研究所准教授に就任。株式会社空間構想アドバイザー。

HAIR BY JUN GOTO(OTA OFFICE)

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