PHOTOGRAPHS BY SHINGO WAKAGI, STYLED BY MAKI OGURA, EDITED BY KYOKO HIRAKU
原賀真紀子(ジャーナリスト)
本誌の翻訳や執筆で活躍中の原賀さん。『AERA』『週刊朝日』などでも、海外ニュースや著名人のインタビュー記事を多く手がけてきた。取材対象はハリウッドスター、音楽家、ノーベル賞受賞者、投資家まで多岐にわたる。仕事の軸である英語力を培ったのが非営利の国際教育交流団体AFSを通じての留学体験。「交換留学生として16歳のときにニュージーランドへ行きました。AFSは職員以外、全員ボランティア。ホストファミリーもそうです。私は恩返しのつもりで19歳のときからボランティアを続けていて、現在は理事を務めています」。大学卒業後は銀行で広告企画を担当。女性の採用が少なかった時代、道を切り拓く感があったが、やっと仕事に慣れた頃に父親を亡くす。不況のなか、継いだ家業のハンカチ製造業をきれいに整理すべく奮闘。その後「人生をやり直そう、これからはずっとやりたかったことをやろうと思って」アメリカの大学院でジャーナリズムを学んだ。20代から30代の激動の日々、原賀さんのクロゼットはほぼエンポリオアルマーニだったそう。「かつてアルマーニは医学生だったと聞き、人間の身体がきれいに見える服を作れるのは、そういう背景があったのだと妙に納得しました」
袖口のデザインにひと目惚れ。「アルマーニの、ちょっと考えつかないような遊び心がさりげなくあるところに惹かれます。見た目以上に軽く、着心地も快適」。素材はシルク混紡。上品な光沢感があり、高級感が漂う。
ニットシャツ¥300,000、スカート¥98,000
ジョルジオ アルマーニ ジャパン
(ジョルジオ アルマーニ)
TEL. 03(6274)7070
リング、ピアスは本人私物
HAIR BY TETSU AT SEKIKAWA OFFICE, MAKEUP BY COCO AT SEKIKAWA OFFICE
小野絢子(バレリーナ)
新国立劇場バレエ団のプリンシパルを務める小野さん。子どもの頃から競争心をあおられるのが常の世界にあって、彼女は異色の存在だ。「バレエの道に進もうと思ったのは高校2年生、将来何をするか真剣に考えなければいけないときに決めました。子どもの頃はぽっちゃりして、バレエのお教室でも特別上手なほうではなかった」。今や名実ともにトップの彼女だが、おっとりとそう語る。「日本舞踊も習っていたのですが、音楽と一緒に踊る、何かの役になるというのが、私はとても楽しかったんです」。彼女の踊りからは歓喜、はじらい、哀しみなど多彩な感情が鮮やかに放たれる。優美で可憐なたたずまいからは同時に包み込むような温かさが伝わってくる。先日、「白鳥の湖」を見た小さな女の子から“小野さんの踊りが大好きです。気持ちがすごく伝わってくるから”と書かれた手紙をもらったそう。「うれしくって、よーし、もっと頑張ろう!と思いました」。稽古着で過ごす時間の長い彼女だが、パーティなどでは場にふさわしい装いを心がける。「シンプルな服が好きなのでラインや着心地は大切。このワンピースはスニーカーを合わせて普段も着られますし、舞台を観に行くなどお出かけのときにも」
「ふだんはパンツが多い」という小野さん。シンプルなニットドレスにいつものスニーカーを合わせ彼女らしいスタイルで。ウエストをやや絞ったシルエットと、五分丈の袖とレングスのバランスも絶妙なドレスは、幅広いTPOに対応する一着。
ドレス¥188,000
ジョルジオ アルマーニ ジャパン
(ジョルジオ アルマーニ)
ピアス、靴、ソックスは本人私物
HAIR BY TETSU AT SEKIKAWA OFFICE, MAKEUP BY COCO AT SEKIKAWA OFFICE