香取慎吾が手がける「ヤンチェ_オンテンバール」と「アナ スイ」が初めてのコラボレーション。ファッションの未来を明るく照らす、幸せな出会いの秘密に迫る。記事のいちばん最後にあるインタビュー動画も必見!

BY MICHINO OGURA, PHOTOGRAPHS BY SASU TEI(W), STYLED BY TOMOKI SUKEZANE, HAIR BY HIRO TSUKUI(PERLE), MAKEUP BY YOSUKE NAKAJIMA(PERLE)

 パンデミックのさなか、これまでクレイジーなスケジュールに身を置いていたデザイナーたちは、今を好機と捉えて、新たなクリエイティビティの火を灯しているようにも感じる。ワクチンの普及とともに、少しずつ、これまでの日常生活が戻ってくるならば、ファッションにはどんな未来が待っているのだろう? 

 そんな折、ポップスター香取慎吾とスタイリスト祐真朋樹がディレクションを手がけるブランド「ヤンチェ_オンテンバール」と「アナ スイ」がコラボレーションするというニュースが飛び込んできた。香取慎吾は2014年に上梓した自著『服バカ至福本』(集英社)からもわかるように、ファッションをこよなく愛する人。そしてニューヨークのファッションシーンを支えるアナ・スイはモード史に精通し、自他ともに認めるヴィンテージマニア。そんな東西の“服バカ”がタッグを組んだ服が面白くないわけがない。

画像: アナ スイとのコラボレーション商品は、この夏発売予定。アート性の高いアロハシャツやTシャツは、ユニセックスなサイズ展開の予定 アロハシャツ¥30,800、中に着たTシャツ¥13,200/ヤンチェ_オンテンバール×アナ スイ ヤンチェ_オンテンバール TEL.0570(022)771 サングラス¥44,000、サングラスチェーン¥22,000/アナ スイ アナ スイ ジャパン TEL.03(6635)6470 パンツ¥13,500/COS 銀座店 COS 銀座店 TEL.03(3538)3360

アナ スイとのコラボレーション商品は、この夏発売予定。アート性の高いアロハシャツやTシャツは、ユニセックスなサイズ展開の予定
アロハシャツ¥30,800、中に着たTシャツ¥13,200/ヤンチェ_オンテンバール×アナ スイ
ヤンチェ_オンテンバール
TEL.0570(022)771

サングラス¥44,000、サングラスチェーン¥22,000/アナ スイ
アナ スイ ジャパン
TEL.03(6635)6470

パンツ¥13,500/COS 銀座店
COS 銀座店
TEL.03(3538)3360

「ヤンチェ_オンテンバールは毎シーズン、僕の描いた絵をもとにいろいろなブランドとコラボレーションしてきたのですが、アナさんのアートワークが重なることで、こんなに良い音が鳴るなんて! ハッピーでアートフルなファッションでしょう?」。取材当日、何度も修正をかけたサンプル服を前にして、興奮ぎみに香取はこう答えた。後日アナ・スイからもこんな返答が届いた。「私も興奮しています! コラボレーションで素晴らしいのは、二つの異なるブランドのDNAが出会い、予想外の新しいものが生まれるところ。慎吾さんと私はこの世界的なパンデミックのあとに出現する新しい世界に期待しています」。とにかくアナとのやりとりはスピーディだったと香取が言うように、東京とNY間の距離や時差をものともせず、洋服が大好きなふたりはファッションの力を信じて、まだ先行きは不透明だけれど前に進もうとしている。

画像: 「ヤンチェ_オンテンバール」は香取慎吾とスタイリスト祐真朋樹がディレクションするファッションブランド。この日はふたりで撮影の合間にアナ スイとのコラボレーションのサンプルをチェック。ファッション好きたちの鋭い目が印象的

「ヤンチェ_オンテンバール」は香取慎吾とスタイリスト祐真朋樹がディレクションするファッションブランド。この日はふたりで撮影の合間にアナ スイとのコラボレーションのサンプルをチェック。ファッション好きたちの鋭い目が印象的

 香取が2021年前半、ヤンチェ_オンテンバールのクリエーションに関わるアート作品として構想したのは《Sakura》と《New World》の二つ。香取はこう説明する。「《Sakura》は、この服がショップに並ぶ頃にはその季節は終わっているけれど、それは関係ないんです。ステイホーム期間中に前向きに明るく、未来を見たいと思い始めたときに描いたものだから。僕は洋服って、着るだけで気分を変えてくれるものだと信じていて、外に行けなくてもいつでもお花見ができるようにと描きました。《New World》は2020年の暮れぐらいの作品。これまで海外に目を向けて、たくさんのことを吸収してきましたが、改めて日本を見つめてみたいと思って。《Sakura》と併せて、ここから始まるという所信表明ですね」。桜というと、可憐で儚げな印象をもつが、香取の描く桜はどこか生命力に満ちあふれているよう。「アクリル絵の具で描いていますが、きれいすぎる気がして、最後にプチプチの緩衝材を乾ききっていない絵の上に押しつけて、そっとはがして仕上げました。僕は絵を壊していきたいんです」

画像: 香取が制作した《Sakura》の原画。桜の木を下から眺めていて、空が見えないぐらいの圧倒される様子を捉えた。昨年、東京五輪の開催延期が発表され、先の見えない不安と、未来を見たいという強い思いに突き動かされた作品と香取は語る © SHINGO KATORI

香取が制作した《Sakura》の原画。桜の木を下から眺めていて、空が見えないぐらいの圧倒される様子を捉えた。昨年、東京五輪の開催延期が発表され、先の見えない不安と、未来を見たいという強い思いに突き動かされた作品と香取は語る
© SHINGO KATORI

画像: 《New World》の原画。自粛期間が長引き、生活のペースを掴みにくくなる日々の中で描いた。日本の国旗から着想を得た。原画の題名やブランド名の欧文とともに「新世界」の漢字も組み込まれている © SHINGO KATORI

《New World》の原画。自粛期間が長引き、生活のペースを掴みにくくなる日々の中で描いた。日本の国旗から着想を得た。原画の題名やブランド名の欧文とともに「新世界」の漢字も組み込まれている
© SHINGO KATORI

 でき上がったかと思われる作品を壊していくことをいとわず、より良いものに近づけていく。アーティストとしての香取の姿勢はアナとも相性がよかった。それを裏づけるのが、香取が身につけたアロハシャツと、ドーリーヘッドのロゴTシャツ。香取が今回のサンプルを初めて目にしたとき、プリントやロゴを大胆にミックスし、新たなアートが生まれていたことに驚いたという。「アナさんと僕は、実際に会って作業したわけではないのに、まるで一緒に絵を描いたんじゃないかという感覚になりました。

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