京都生まれの京都育ちの食いしん坊、京都でおいしいものに出合いたければ、この人に聞けばハズレなし!と、長きにわたり業界の人々が厚い信頼を寄せる、アマジュンこと天野準子さん。今昔とりまぜ、京都ならではの絶品満腹口福アドレスを教えてもらいます。第7回は、「酒菓喫茶 かしはて」の朝のコースをご紹介

TEXT&PHOTOGRAPHS BY JUNKO AMANO

 京都では旅行者が多いこともあり、以前から朝食を提供する店は多くありましたが、ここ最近、ジャンルもさまざまにモーニングの選択肢がさらに増加中。今回は、朝にぴったりなフルーツが主役の軽やかなお菓子のコースを紹介します。

銀閣寺「酒菓喫茶 かしはて」の朝菓子の会

画像: 「朝菓子の会」一品目は「国産オレンジのサラダ仕立て」。オレンジとカマンベールチーズは熟成バルサミコとオリーブオイルで味付け、柑橘と相性のいいカカオニブとココアをトッピング

「朝菓子の会」一品目は「国産オレンジのサラダ仕立て」。オレンジとカマンベールチーズは熟成バルサミコとオリーブオイルで味付け、柑橘と相性のいいカカオニブとココアをトッピング

 2022年9月にオープンした「酒菓喫茶 かしはて」は店名の通り、菓子やお茶、お酒を提供する喫茶店だ。店主・得能めぐみさんは、京都の人気カフェ出身で、チャイニーズ・ガストロノミーでも腕を磨き、季節のフルーツを使ったケーキやパフェを得意としている。

画像: 二品目は金柑の甘露煮を忍ばせた「ゴールドキウィとヨーグルトクリーム」。軽やかなヨーグルトクリームの上にはレモンカートをドット柄にあしらい、ディルをトッピングし、ミモザをイメージ

二品目は金柑の甘露煮を忍ばせた「ゴールドキウィとヨーグルトクリーム」。軽やかなヨーグルトクリームの上にはレモンカートをドット柄にあしらい、ディルをトッピングし、ミモザをイメージ

 店の周辺には銀閣寺や法然院など、観光名所が点在し、「朝のスタートを切るにはぴったりなロケーションでしょ」と、通常営業の前に、菓子4品をコースで楽しめる「朝菓子の会」も開催されている(3営業日前までの要予約)。
 得能さん自身が「しっかり甘い菓子が苦手」ということで、甘ったるさは一切なし。朝をイメージし、巷のアフタヌーンティーやデセールコースよりも軽やかな構成で、4品食べても食べ疲れせず、心とおなかがスーッと満たされていくようだ。

画像: この日のグランデセールは「イチゴとカスタードのパイ」。極薄のパイがエアリーなミルフィーユに、ピスタチオとカルダモンバニラのアイスクリームを添えて。3月は通常営業時間中にも単品で注文することもできる。¥1,450

この日のグランデセールは「イチゴとカスタードのパイ」。極薄のパイがエアリーなミルフィーユに、ピスタチオとカルダモンバニラのアイスクリームを添えて。3月は通常営業時間中にも単品で注文することもできる。¥1,450

 内容は旬のフルーツの移り変わりと共にどんどん変わっていくが、通常はフルーツサラダからスタートし、軽めのデセール、そしてグランデセールに続く。
 コースの最後は、通年を通して白松の木箱が登場。蓋を開けると枯山水の庭が現れ、目を楽しませてくれる。

画像: コースの最後に登場する「食べられる枯山水」。朝菓子の会は¥3,800。3営業日前までの要予約

コースの最後に登場する「食べられる枯山水」。朝菓子の会は¥3,800。3営業日前までの要予約

 銀閣寺にある砂盛り、向月台に見立てたフィナンシェや抹茶パウダーで苔を模したチョコレートケーキ、白砂をイメージした砂糖にはミニサイズのレーキで砂紋まで描かれていて、遊び心たっぷり。
 桜の名所として名高い哲学の道にもほど近く、まだ人も少ない早朝、南禅寺から哲学の道を散歩してから訪れるのもおすすめだ。

画像: アンティークの家具が配された店内には、中国・ミャオ族の民族衣装や韓国のポジャギ、和花が飾れていたり、ミックス感が素敵

アンティークの家具が配された店内には、中国・ミャオ族の民族衣装や韓国のポジャギ、和花が飾れていたり、ミックス感が素敵

画像: 「ひとりでやって切り盛りするため、お待ちいただく時間も眺めて楽しんでいただけるように」と、テーブルには洋書のビジュアルブックが置かれ、メニュー表はその中にそっと忍ばせてある

「ひとりでやって切り盛りするため、お待ちいただく時間も眺めて楽しんでいただけるように」と、テーブルには洋書のビジュアルブックが置かれ、メニュー表はその中にそっと忍ばせてある

酒菓喫茶 かしはて
住所:京都市左京区浄土寺上南田町37-1
営業時間:12:00~17:00(LO16:30)、朝菓子の会は10:00スタート
定休日:水曜、他不定休あり
TEL. なし
朝菓子の会は3営業日前までの要予約
※桜の季節の繁忙期は、通常営業時も前日までインスタグラムのDMから予約が可能
予約はインスタのDMより
公式インスタグラムはこちら

画像: 天野準子 生まれてこの方、碁盤の目と呼ばれる京都の街中暮らし。雑誌やWEBで京都にまつわるライティングやコーディネートを行っている。プライベートでは、強靱な胃袋を武器に日々、おいしいものをハント

天野準子
生まれてこの方、碁盤の目と呼ばれる京都の街中暮らし。雑誌やWEBで京都にまつわるライティングやコーディネートを行っている。プライベートでは、強靱な胃袋を武器に日々、おいしいものをハント

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