TEXT&PHOTOGRAPHS BY JUNKO AMANO
100年続く老舗店も多いが、新しい店も次々オープンする京都。今月はオープン間もないのに早くも話題の新店を紹介。第2弾は完全予約制のパフェ専門店「シェリー メゾン ド パフェ」をご案内します。
烏丸丸太町「シェリー メゾン ド パフェ」
予約が取れない割烹やレストランはよくあるが、今回紹介するのは、予約が取れないデセールパフェ専門店「CHÉRIE MAISON DU PARFAIT(シェリー メゾン ド パフェ)」。オーナー・小林かなえさんは、23歳で渡仏し、パリの料理製菓学校「エコール・リッツ・エスコフィエ」卒業後、パリの星付きレストランやホテルで修業。帰国後は地元・京都で菓子教室を開き、現在は、NHK「きょうの料理」の出演をはじめ、TVや雑誌、書籍などでも活躍している菓子研究家だ。
メニューはパフェをメインにしたコースのみで、一斉スタートという今どきの割烹のようなスタイルも珍しい。カウンターに座ると、目の前のキッチンでパフェのパーツを組み立て、できあがるまでの工程を楽しむことができる。さらに、できあがったパフェがズラリと並ぶ光景を見ることができるのも、一斉スタートならではの醍醐味だ。
例えば、10月に出されていたシャインマスカットのパフェは、フレッシュなシャインマスカットのほか、エルダーフラワーのジュレやシャインマスカットのシャンティ、ジャスミンティのプリン、ビスキュイナチュールなど、10種類以上のパーツを組み合わせて。パーツ一つひとつにしっかり手をかけられていて、それぞれで食べてもおいしく、さらにスプーンですくうごとに組み合わせの妙を楽しめる。
通常、パフェを食べていても「なんかわからないけどおいしい」となりがちだが、「今、ジャスミンティのプリンとシャインマスカットのシャンティが合わさった!」と、工程を見ているからこそ、構成をより理解でき、おいしさも倍増。
小林さんは、菓子教室を20年以上主宰しているだけあり、「巨峰と赤ワインを煮て、ラベンダーの花を漬け込みソースにしました」と、工程の説明も菓子教室のデモンストレーションのようにていねいで、さながらクッキングショーのよう。
“できたて”にこだわり、パフェの後には焼きたてのマドレーヌが登場。「長年、お菓子教室をしていて、マドレーヌを作ると毎回、生徒さんたちが焼きたてのふわふわ感に感動されるので、絶対出したかったんです」。縁が特にカリカリで、食べるとふんわり、お馴染みのマドレーヌとはひと味違ったおいしさに出会える。
実はパフェをメインにしたコースは、2019年にオープンした「CHÉRIE MAISON DU BISCUIT(シェリー メゾン ド ビスキュイ)」で供していたが、コロナ禍もあり、イートインはお休みに。テイクアウトアウトのビスキュイサンドの人気が高く、「シェリー メゾン ド ビスキュイ」はビスキュイサンドの製造・販売に専念し、今年9月、パフェ専門店をオープンすることとなった。以前は7席のみだったが、現在はテーブル席も含め、全24席と、席数も3倍以上に。とは言え、現在もかなりのプラチナシート。
月に1度、予約開始日を設け、翌月の予約をとるシステムだが、予約はすぐに埋まってしまうという。「キャンセルもあるので、こまめにチェックしてみてください」と、小林さん。
パフェは1ヶ月ごとに内容がかわり、11月は栗、12月はクリスマスのパフェの予定。
狭き門ではありますが、ライブ感満載のパフェコースを五感をフルに使って楽しんでみてください。
CHÉRIE MAISON DU PARFAIT(シェリー メゾン ド パフェ)
住所:京都市中京区竹屋町通室町西入ル相生町281
営業時間:木・金・土10:00~、13:00~の一斉スタート(土・祝日のみ15:00~もあり)
定休日:日曜~水曜
TEL.なし
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