“ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブラン”を代表する白ワインが「クラウディー ベイ ソーヴィニヨン ブラン」だ。この11月にテクニカルディレクターが来日、新ヴィンテージの魅力について語ってくれた

BY KIMIKO ANZAI

画像: クラウディー ベイ ソーヴィニヨン ブラン 2023 ニュージーランド・マールボロ地区。ソーヴィニヨン・ブラン100%。熟したメロンやパッションフルーツの香りとイキイキとした酸味。凝縮した果実味としなやかなミネラルが印象的。バルサミコ酢をかけた生牡蠣やエビなどシーフードとの相性抜群。軽やかに楽しむならアペリティフに生ハムやチーズと。750ml ¥4,730

クラウディー ベイ ソーヴィニヨン ブラン 2023

ニュージーランド・マールボロ地区。ソーヴィニヨン・ブラン100%。熟したメロンやパッションフルーツの香りとイキイキとした酸味。凝縮した果実味としなやかなミネラルが印象的。バルサミコ酢をかけた生牡蠣やエビなどシーフードとの相性抜群。軽やかに楽しむならアペリティフに生ハムやチーズと。750ml ¥4,730

 レモンやマンゴー、パッションフルーツなどの香りが、グラスの中から次々と顔を出す。フレッシュな酸味と優しいミネラル感。「クラウディー ベイ ソーヴィニヨン ブラン 2023」をひと口飲んで感じるのは、体にすっと馴染むような清涼感だ。次第に肩の力が抜け、ホッとするような安心感に包まれる。
「クラウディー ベイ」は1985年にニュージーランド・マールボロ地区(南島)に設立されたワイナリーで、高品質で洗練された味わいから世界的評価が高い。特に同社のソ―ヴィニヨン・ブランは、1991年に権威あるワイン専門誌『ワインスペクテイター』の”世界のワイン100”においてトップ10入りを果たしたことでワイナリーの名を世界中に知らしめ、以来、ニュージーランドワインを牽引してきた。

画像: テクニカルディレクター ジム・ホワイト氏 オーストラリア・メルボルン出身。メルボルン大学で醸造とブドウ栽培学を学ぶ。子どもの頃、いつも家の冷蔵庫には母のお気に入りの「クラウディー ベイ」が入っていたという。「大学の授業でブラインドテイスティングをした時、一番美味しいと思ったのが『クラウディー ベイ』でした。母の味覚はすごいと感動しました(笑)」。2011年にニュージーランドに渡り、「クラウディー ベイ」の栽培責任者として参画。2018年より現職

テクニカルディレクター ジム・ホワイト氏
オーストラリア・メルボルン出身。メルボルン大学で醸造とブドウ栽培学を学ぶ。子どもの頃、いつも家の冷蔵庫には母のお気に入りの「クラウディー ベイ」が入っていたという。「大学の授業でブラインドテイスティングをした時、一番美味しいと思ったのが『クラウディー ベイ』でした。母の味覚はすごいと感動しました(笑)」。2011年にニュージーランドに渡り、「クラウディー ベイ」の栽培責任者として参画。2018年より現職

 今回リリースされた「クラウディー ベイ ソーヴィニヨン ブラン 2023」について、テクニカルディレクターのジム・ホワイト氏は語る。
「2023年は、"イージーでリラックスした年"でした。一年を通じて天候に恵まれ、凝縮感のあるブドウが収穫できました。飲んでみると、まろやかでどこか明るいフレーバーを感じませんか? 私たちは、ボトルの中にソーヴィニヨン・ブランの風味をそのまま詰めることができたと満足しています」。だが、これもホワイト氏をはじめとするワイナリースタッフの日々の努力があってのもの。ホワイト氏は「畑での作業が何より大事」と、自身も畑で作業をすることが多いという。ブドウの成長を注意深く見守りながら栽培を行っているのだ。
「ワインは、素直にテロワールを語ります。自分がどんな土地で育ったのか、どう大切にされてきたかが如実に味に出る。だから、私たちは決して妥協してはいけないのです。今、私たちがうれしく思うのは、世界のワインのひとつとして"マールボロのソーヴィニヨン・ブラン"というカテゴリーができたこと。『クラウディー ベイ』の誇りでもあります」とホワイト氏は笑顔を見せた。

画像: 「クラウディー ベイ」はこの地の古参ワイナリーのひとつ。起伏に富んだ丘陵地帯の麓にブドウ畑が広がる。畑では生物多様性を重視し、サステナブル栽培を実施。ワイナリーはビジットも可 PHOTOGRAPHS: COURTESY OF CLOUDY BAY

「クラウディー ベイ」はこの地の古参ワイナリーのひとつ。起伏に富んだ丘陵地帯の麓にブドウ畑が広がる。畑では生物多様性を重視し、サステナブル栽培を実施。ワイナリーはビジットも可

PHOTOGRAPHS: COURTESY OF CLOUDY BAY

 また、テロワールについて、こんな話もしてくれた。"ニューワールド"であるニュージーランドは、周知の通り先住民族のマオリと入植者の子孫たちが共存する国で、マオリ文化が大切に守られていることでも知られる。「クラウディー ベイ」でもマオリのスタッフは多く、「テ・ココ」(マオリ語で「クラウディー ベイ」の意)という名のワインもあるなど、マオリの文化を尊重している。自らもマオリの言葉を日々の中で学んでいるというホワイト氏は、こんな言葉を教えてくれた。
「マオリには"トゥランギワイワイ"という言葉があるのですが、これは"あなたのいる場所"という意味だそうです。マオリの人々には水や海、森などの自然をリスペクトし、生きているものとして捉えるという概念があります。"あなたのいる場所"という言葉は、テロワールの概念と共通するのではないかと感じ、私はこの言葉に深く共鳴しました。美しいワインは自然の中から生まれます。私たち人間は、なにより自然と共存しなくてはと、強く思うのです」。

「クラウディー ベイ ソーヴィニヨン ブラン 2023」から感じられるのは、自然の中からそのまま生まれてきたような透明感とのびやかさ。マールボロのテロワールをそのまま映し、この地のワインであることを物語る。そのピュアな味わいは、週末、親しい人々とともに過ごす時間を、より豊かなものにしてくれるに違いない。

問い合わせ
MHD モエ ヘネシー ディアジオ
TEL:03-5217-9731
公式サイトはこちら

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