TEXT & PHOTOGRAPHS BY JUNKO AMANO
二条城前「コロラド コーヒー マスサン」

タマゴトーストとコーヒーのセット¥1,400
二条城前に店を構えて52年、1972年創業の喫茶店「コロラド コーヒー マスサン」。
「コロラド コーヒー」は、京都・北白川に本店を構えるコーヒー豆の焙煎・卸し会社「ワールドコーヒー」が展開するコーヒーチェーン店ながら、こちらは個人経営の特別枠。
「うちのおばあちゃんがワールドコーヒーの社長さんと知り合いで、コロラドコーヒーをチェーン展開するから一号店をやらないかって言われて、店を始めたようです」と、三代目・熊谷建太朗さん。そのため、店名には、創業者・熊谷増子さんが親戚内で呼ばれていた愛称“マスサン”がつけられている。

60席も有する広々とした店内。壁には、創業者・増子さんが手がけたレリーフが飾られている
コーヒーも、通常の「コロラドコーヒー」ではコロラドブレンドを使用しているが、こちらでは、マスサンオリジナルブレンドを提供。コロンビアやブラジルなど7種類の豆をブレンドし、京都の老舗喫茶店に多いコクの際立つ深煎りで、創業時はミルクと砂糖を入れて飲むのがデフォルトだったそう。

アイスコーヒーも以前はミルクとシロップ入りで提供していたそう。¥500

1972年の創業時、人気を博していたサイフォン式コーヒー。2代目が今もサイフォンで淹れてくれる
店は、増子さんから息子さん夫婦に受け継がれ、孫の建太朗さんが家業に入ってからは、「店で出すサンドイッチを自家製パンで作りたい」と、店奥に本格的なパン工房も誕生した。

2003年に作られたガラス張りのパン工房。午前中に訪れると、3代目・建太朗さんがパンを作る様子を見ることも
「店で出すために作っているので、そんなにいろいろなパンはないですよ」と、建太朗さんは控えめに言うが、店の入り口にはベーカリーコーナーが設けられ、昔懐かしい菓子パンや惣菜パンが並んでいる。
店で出すサンドイッチには、角食パンとトースト用のふんわり山型に焼き上げたイギリスパンの2種類を使用。イギリスパンはトーストすることで、より香ばしく、こんがり色づいた山型部分や耳までおいしい。一番人気のたまごトーストは、卵にはまったく味をつけず、マーガリンで焼き上げるのみ。お好みで卓上の塩を振って食べるのだが、卵の味とパンの味がダイレクトに感じられる。

卵を3つ使い、4枚切りのイギリスパンを2枚使ってサンド。ボリューム満点のタマゴトースト¥1,000
焼かずに使う角食パンは、キメが細かく、しっとり。サンドイッチにした際に具材の食感や味わいをひきたて、口溶けも抜群だ。

キメが細かく色白のべっぴんさん。ハムサンド¥900

焼き上がったばかりのパニーニ用の通称“白パン“
イートイン用には、イギリスパンや角食パンのほか、カスクート用のバゲットやパニーニ用の通称白パン、ランチのパスタに添えるパンも焼かれている。
パンまでおいしいサンドイッチと深煎りコーヒーは朝の目覚めのベストコンビ。朝7時から営業していてるので、京都旅のスタートにもおすすめです。

二条城に近く、外国人ツーリストで半分以上を占めることも多いそう
「コロラド コーヒー マスサン」
住所:京都市中京区東堀川通御池上ル押堀町40
営業時間:7:00〜18:00(17:30LO)
定休日:木曜
TEL. 075-231-2992
公式サイトはこちら

天野準子
生まれてこの方、碁盤の目と呼ばれる京都の街中暮らし。雑誌やWEBで京都にまつわるライティングやコーディネートを行っている。プライベートでは、強靱な胃袋を武器に日々、おいしいものをハント
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