BY YUKIKO HIRANO

うどにロゼワインを合わせて、食卓に春の香りを
しゃくっとした食感と爽やかな味わいが魅力のうど。江戸時代から栽培され、酢味噌和えや天ぷらなどの料理で古くから日本の食卓で愛されている山菜だ。「山うど」と「軟化うど」に分けられ、山うどは本来は野生のものだが、ハウス栽培をメインとし、野生味が特徴だ。軟化うどは地下で栽培するなどして日光に当てずに育てられ、その茎は真っ直ぐで白く美しい。「水々しくてほろ苦い風味と爽やかな甘さのあるうどには、ロゼワインを合わせてみましょうか。いちごとブルーチーズを組み合わせたり、さっと煮たしぐれ煮で、春らしいうどの料理を楽しんでみてください」(平野さん)
レシピ1:うどと牛肉のしぐれ煮
うどの風味を引き立てるために控えめの甘さで、生姜と実山椒でキリッと。ワインもごはんも進む一品。

大きめの乱切りにすることで、うどの食感と香りを生かす
<材料2人分>
うど150g、牛肉の切り落とし150g、生姜1かけ(15g)、あれば実山椒(冷凍または佃煮)大さじ1、サラダ油(米油など)大さじ1、酒、醤油、みりん各大さじ2
<作り方>
1 うどは皮をむき、乱切りにする。あく抜きは酢水にさらさずに、ざるに入れて水洗いをするだけでいい。生姜は千切りにする。
2 鍋にサラダ油を熱し、牛肉を入れて炒める。色が変わったら、生姜、うどを加えて炒め合わせる。
3 しんなりとしたら、酒、醤油、みりんを加えて炒め合わせ、水大さじ2を加える。あれば実山椒を加えてふたをして10分、ほぼ水分がなくなるくらいまで煮る。
うど&いちごのブルーチーズグラタン
皮付きのまま切って、チーズといちごを乗せて焼くだけ。ロゼワインを飲むためのグラタンレシピ。

甘さ、酸っぱさ、ほろ苦さ、しょっぱさが口の中で溶け合う組み合わせ
<材料 2~3人分>
うど1本、いちご5〜6粒(小粒なもの)、ブルーチーズ30g、ナチュラルチーズ60g、オリーブオイル適量
<作り方>
1 うどはたわしで産毛をこそげるようにして洗う。皮付きのまま、乱切りにする。いちごは半分に切る。
2 耐熱皿に1を並べ、オリーブオイルを回しかけ、ほぐしたブルーチーズ、ナチュラルチーズをのせる。
3 予熱した200度のオーブンで15分、またはオーブントースターでこんがりとした焼き色が付くまで焼く。
【今月のお酒セレクト:アレクサンドル・オット キュヴェAH 2022】

PHOTOGRAPHS: COURTESY OF YUKIKO HIRANO
ローヌのロゼ。ナチュールの世界ではタヴェルといえばラングロールだが、その妙技を受け継いだワインの世界観で注目が集まっているつくり手だ。「ロゼは色々なスタイルがありますが、このワインは果実の濃密度はあるけれど、フレッシュで、伸びやか。エレガントな味わいがぐっときます。春の食卓に華を添えてくれるワインです」(平野さん)
平野由希子さんがナチュラルワインの定期便を開始!

平野由希子さんが主宰する料理教室cusine et vin が、ナチュラルワインの定期便コースを開始。隔月にワイン5~6 本、もしくは3本のスパークリングワインが届くメンバーシップコースで構成。お届けするワインにはどんな料理が合うか、などの情報も一緒に送ってくれる。
「空前のナチュラルワインブームですが、自分で選べないという方も多くいます。不安定な部分もあるナチュラルワインはワインの状態、ボトルを空けるタイミングもとても大切です。私とスタッフが試飲をして心からおいしいと思ったワインだけをセレクトしてお届けします」と平野さん。
「週末ごはん会に合うワインを選んでほしい」「ナチュラルな野菜料理に合うワインが飲みたい」などのリクエストにもお応えできるオーダーメード感覚のコースを目指しているのだそう。
猫と旅した南仏での3週間を詰め込んだ、平野さんの新著が発売中
「カブルスピーヌ村は、南仏にある人口100人ほどの小さな村。カフェもなければスーパーもパン屋もない。何にもないけど、雄大な自然とたくさんの猫に出会える美しいところ。そんな村を愛猫クミンとともに訪問してみた」ーー
平野由希子さんが、愛猫のクミン君とともに訪れた南フランスでの3週間。築1000年の石造り古民家に滞在しながら、羊肉料理やカスレ、朝どれのさやいんげんサラダなど、新鮮な素材を使った絶品料理に舌鼓を打ち、地元の人々や近所の猫と触れ合い、自然豊かな田舎を満喫する、まるで夢のような時間を詰め込んだ一冊。ペットとともに飛行機旅をするための役に立つ情報も満載!

『南フランス 猫と旅する美しい村<私のとっておき>シリーズ50』
著者:平野 由希子
¥2,090
産業編集センター刊
平野由希子
素材を生かしたシンプルでおいしい料理に定評のある料理家。書籍や雑誌、広告で活躍するかたわら飲食店のプロデュースや商品開発も手がける。日本ソムリエ協会認定ソムリエで、ワインと料理のペアリングが楽しめる料理教室も主宰。
公式サイトはこちら
関連記事