RECEPI BY TOMOKO NAGAO, PHOTOGRAPHS BY TAKAKO HIROSE, TEXT BY MIKA KITAMURA

夏に合う味わいだが、あくまで滋味深く優しいスープ。器に盛る際は、具材を盛ってから香菜を散らし、スープを注ぐとよい
「ナムプラーとココナッツミルクでアジア風の味わい」
これからの季節に食べたい、アジアンテイストな魚介のスープをご紹介。「ナムプラーをひと振りするだけ、さらにココナッツミルクを加えれば、アジアの雰囲気が漂い、夏らしい味になります。魚介のかわりに鶏や豚肉でも」と長尾さん。ココナッツミルクは疲労回復に、赤唐辛子は食欲増進効果も。「いつもの料理の目先が変わるので。夏の食材として魅力的です。ココナッツミルクをスープに加えたら、分離しないよう、煮立たせずに弱めの火加減で温めてくださいね」
ふだんは捨ててしまう玉ねぎの皮と香菜の根元の部分も、だしとして活用する。あさりとえび、ナムプラーの旨みも加わり、自然な味わいに。「赤唐辛子は丸ごと、玉ねぎの皮や香菜の根元と一緒に煮込んで辛味をスープに移し、引き上げてしまってもいいでしょう。今回はもう少し辛みが欲しかったので、刻んで鍋に戻しました。赤唐辛子の辛みは、ココナッツミルクの甘みと相性がいいんです」
優しいスープの味は、エスニックテイストに抵抗がある方にも食べやすい。スープ作りと同時進行で炊いたおこわをむすんで添えれば、夏を乗り切るパワースープになるはずだ。
<材料4人分>
えび 12尾/殻をむき、背に沿って浅く切り込みを入れて背わたを除き、ボウルに入れて塩をもみ込んでから水洗いしてぬめりを取る
あさり 約300g/塩水に浸けて砂抜きする
もやし 1袋/ひげ根を取る
玉ねぎ 1個/皮をむき、薄切りに。皮は洗ってとっておく
筍の水煮 小1本/縦半分に切り、5〜6mm幅に切る
香菜 2〜3株/根元を切り、2cm長さに切る。根元は太い部分は縦半分に切り、適当な長さに切る
赤唐辛子(生または乾燥) 1本/ヘタを切り、種を出す
ココナッツミルク 200ml
ナムプラー 約大さじ2
塩 ひとつまみ

鍋に1.5ℓほどの水を入れ、火にかける。煮立ったら、玉ねぎの皮と香菜の根元、赤唐辛子、塩を入れて、軽く煮立つくらいの火加減で15分ほど煮込む。

ボウルの上にざるを置き、玉ねぎの皮などを濾し、赤唐辛子を取り出して小口切りにし、スープとともに鍋に戻す。

筍と玉ねぎを加え、ナムプラーの半量を加える。静かに10分ほど煮る。

あさりを加え、火を少し強める。あさりの口が開いたら、えびを加え、もやしをのせる。

ココナッツミルクを加えて、具材が浸かるくらいに水(材料外)も加える。味を見て、残りのナムプラーを少しずつ加え(塩味が足りていれば全部使わなくてもいい)、煮立てないように軽く煮る。
「もち米、うるち米半々のおこわでおむすびを」
スープを作り始める前にお米を炊く準備を。もち米は1時間ほど水に浸けるとよい。炊いている間にスープを作れば、作り立て、むすび立てを楽しめる。
もち米とうるち米半々のおこわは、シンプルで重すぎず、ココナッツスープとバランスがいい。味のアクセントに、炒りごまをたっぷりつけてどうぞ
<材料4人分>
うるち米 1カップ
もち米 1カップ
炒り白ごま 約大さじ2
塩 少々

米2種類は合わせて研ぎ、同分量の水を加えて1時間くらいおく。炊飯器かまたは鍋で炊いておく(鍋の場合は沸騰したら弱火で15分ほど炊いて蒸らす)。ご飯が炊けたら、手に塩をつけ、丸くむすび、炒りごまをつけて盛り合わせる。

お昼ごはんにぴったりなエスニック味のスープとおむすび。夜ならこれに1品添えるので充分。

長尾智子
フードコーディネーター。書籍や雑誌の執筆、食品や器の企画やディレクションほか、食にまつわる提案を手がける。『料理の時間』(朝日新聞出版)、『ティーとアペロ お茶の時間とお酒の時間 140のレシピ』(柴田書店)ほか、著書多数。自らの目で選ぶオンラインストアSOUP(https://soup-s.shop/)も好評。
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