片山がこれまで“買い集めたモノ”を披露する展覧会『片山正通的百科全書』

BY KURUMI FUKUTSU

画像: ART DIRECTION BY NAOMI HIRABAYASHI, PHOTOGRAPH BY MITSUO OKAMOTO

ART DIRECTION BY NAOMI HIRABAYASHI, PHOTOGRAPH BY MITSUO OKAMOTO
 

 ワンダーウォールを率いるインテリアデザイナー、片山正通がこれまで“買い集めたモノ”500点以上を披露する展覧会『片山正通的百科全書 Life is hard... Let's go shopping.』が2017年6月25日(日)まで、東京オペラシティ アートギャラリーにて開催されている。

画像: 五木田智央《雑多な情動》 2008年 ©TOMOO GOKITA

五木田智央《雑多な情動》 2008年
©TOMOO GOKITA
 

 いま、世界で最も注目を集めるインテリアデザイナーの一人でもある片山はコレクターとしても知られるが、本展は、彼が自身のコレクションを美術館という場にいかにディスプレイするかを通して、その関心の所在やクリエイションの本質を探ろうとするもの。「カテゴリーについての意味なんて知ったこっちゃない」と展覧会に寄せたステートメントで発言している片山だが、現代アートを中心に、骨董、家具、剥製、多肉植物、書籍、CDまで、膨大な数の展示からは「既成概念に蹴りを入れる物が好き」というパンク精神に満ちたたったひとつの価値基準がひしひしと伝わってくる。

画像: エイドリアン・ゲーニー《THE COLLECTOR 4》2009年 © ADRIAN GHENIE, COURTESY OF GALERIA PLAN B, PHOTOGRAPH BY THE ARTIST

エイドリアン・ゲーニー《THE COLLECTOR 4》2009年
© ADRIAN GHENIE, COURTESY OF GALERIA PLAN B, PHOTOGRAPH BY THE ARTIST
 

なかでもコンセプチュアルアートの代名詞ともいえる河原温の「日付絵画」を筆頭に、ライアン・ガンダー、サイモン・フジワラなどの21世紀を代表する作家をはじめ、コンセプチュアルアートの流れを汲む作品などバリエーションが豊富だ。そこには片山が手がけてきた幅広いインテリアデザインの仕事、例えばピエール・エルメ・パリ 青山、INTERSECT BY LEXUSといったプロジェクトを実現するための、自由で大胆なアイデアと明確なコンセプトの構築という共通項があるのだろう。本展は片山がアートをはじめ多くのモノから刺激を受け、その創造性を広げてきたことを実感できる貴重な機会でもある。

画像: KAWS《UNTITLED (MBFB7)》2014年 ©KAWS, PHOTOGRAPH BY FARZAD OWANG

KAWS《UNTITLED (MBFB7)》2014年
©KAWS, PHOTOGRAPH BY FARZAD OWANG
 

 クライアントからの矛盾した要素を含む要求を、高次元で形として実現させることのできる稀有な存在と評される片山のしごと。そのクリエイションを生み出す片山の「思考の迷宮」に迷い込んでみては?

 

『片山正通的百科全書 Life is hard...Let's go shopping.』
期間:〜2017年6月25日(日)
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
開館時間:11:00〜19:00
( 金・土は20:00まで/最終入場は閉館の30分前まで)
入館料:一般 1,200円(1,000円)、大学・高校生 800円(600円)、中学生以下無料
公式サイト

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