PHOTOGRAPH BY HIDEMI UCHIDA


 『荒木経惟 写狂老人A』が、7月8日より西新宿の東京オペラシティ アートギャラリーで始まった。

前日の内覧会時には、特別に荒木本人による作品解説ツアーが行われた。


  Tシャツにタキシード風のニットジャケット、いつものアラーキースタイルだ。作家本人による作品のみどころ解説、のはずだったのだが

いつしか荒木の「写真論」を聞く至福の時間となった。


 写真の回廊を踊るように足早に歩く荒木の後を、記者たちは「彼にしか紡げない言葉」を聞き漏らすまいと小走りについてゆく。




©NOBUYOSHI-ARAKI



 第一の部屋「大光画」。両側の壁面には50点の人妻たちの写真。
「自分が思う写真というのはまさにこれなんだ。」荒木は言う。

 いまや、どの雑誌を見てもきれいな女の人がきれいに映っている(ちょっと耳が痛かった)。でもこの「人妻エロス」には、ありのままの物語がある。


 たとえば、人妻たちが裸でカメラの前に立ちながら、ちらっと頭をかすめたであろう「家族にばれたらなんて言い訳しよう」といったつぶやきまでもが生き生きと、そしてひめやかに写し出されているのだ。