東京にある五木田のアトリエの作業用デスクは資料や道具であふれている。 PHOTOGRAPH BY YASUYUKI TAKAGI

 草間彌生や村上隆、奈良美智らが高く評価されたことで、日本人アーティストたちが海外の現代アートの世界で知られるようになったものの、彼らに続く存在となるとあまり思い浮かばないというのが現状ではないだろうか。加えて、アニメを取り入れたような「ジャパニーズ・ポップ」も、以前に比べて新鮮さが感じられなくなり、そういった趣向の作品が話題になることも少なくなっている。

「インスピレーションソースは音楽」 という五木田が収集するLPレコード。戦いの場であり創作の拠点であるアトリエにはモダンジャズが流れる。 PHOTOGRAPH BY YASUYUKI TAKAGI

 そんな状況の中、ひとりの日本人画家が今ニューヨ ークで注目を集めている。彼は人物を描くことにこだ わりつつも、日本発の「かわいい」や「オタク文化」を取り入れているわけでもなく、白黒の独創的な絵によって、米国のアーティストや批評家からも高い評価を得ている。五木田智央。現在、47歳になる東京在住のアーティストがその人物だ。