白黒の独創的な絵によって、米国のアーティストや批評家からも高い評価を得ているアーティスト五木田智央

BY TAKA KAWACHI, PHOTOGRAPHS BY YASUYUKI TAKAGI, EDITED BY JUN ISHIDA

画像: ニューヨークに個展用の作品を送りだしたあとのアトリエ

ニューヨークに個展用の作品を送りだしたあとのアトリエ

 まさに飛ぶ鳥を落とす勢いである五木田だが、「これまで自ら作品を売り込んだことも、アメリカで成功したいと思ったことも一度もなかった」と、現在の自分の状況に少し戸惑っているかのように語る。「観客ではなく、自分が驚くような絵を常に目指しているんです」。ニューヨークに行ってもレコード店は散策するが美術館やギャラリーに足を運ぶことはない。アート界の動向にもほとんど無頓着だ。巨大ビジネス化し、売り込み戦略が重要視される現代のアート界ではかなり稀有な存在だが、「絵の中に必ず美しい部分やユーモアがあるということが重要なんです」と語る、この魅力あふれるアーティストが今後どのような道を歩んでいくのか、目が離せない。

画像: 絵の具が塗りつけられたノートブックは、五木田が「パレット」と呼ぶ作品。アトリエには五木田のインスピレーションのもとになるものがあちらこちらに置かれている

絵の具が塗りつけられたノートブックは、五木田が「パレット」と呼ぶ作品。アトリエには五木田のインスピレーションのもとになるものがあちらこちらに置かれている

五木田 智央(ごきた ともお)
1969年東京都生まれ。2000年に作品集『ランジェリ ー・レスリング』出版。五木田の初期作品は、おもに紙に描かれたドローイングであり、イラストレーションとして雑誌媒体を中心に数多く発表されていた。10年ほど前からカンバスにグワッシュを用いたモノクロの絵を描き始め、その作品が海外で注目を集める。2014年にDIC川村記念美術館で初個展を開催

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