BY JUN ISHIDA
―― グッチのショーにもよく出席されていますが、アレッサンドロ・ミケーレのクリエイションの魅力とは?
アレッサンドロはファッションショーの限界に挑み、そこからファッションという言葉を取り払って、さらにそれ以上のことを想像しようとしている。それは、ほとんどの人があえて試みないことです。私は勇敢な人々のファンです。誰もが目が覚めたその瞬間から、思い切って何かをやろうとすべきだと思いますから。
―― 現代のファッションもまた、あらゆる過去のイメージやアイデアの引用で作られているといえます。あなたはファッションのどのような部分に興味をおぼえますか?
私に似合うものだけです!
―― 現代社会においてコピーとオリジナルの境界線はますますぼやけていっています。その状況についてどのように思われますか?また、今後の世界はどのようになると予想しますか?
私は未来というものは存在しないと思います。私たちがいま、未来と考えるものは未来ではない。人々は常に未来を恐れていますが、現在が災難だらけなように、未来というものはつねに大惨事でした。未来についてのレトリックにはもううんざりです、いま私たちはほぼすべてのことを未来のためにやっていると思っている。でも未来はいま、ここにあるんです。ルネサンスを見てください。ルネサンス時代に、多くのアーティストが新しい社会や世界の新しいビジョン、そしてとりわけ新しい種類の生き方を想像していたというのは、偶然ではなかったのです。彼らは未来に気づいていなかったし、気にもしていなかったはずです。私たちもいま、同じようにとらえることで、未来が確実になると思います。
―― 1日1つのポストが上っては消えるというあなたのインスタグラムも話題になっていますが、インスタグラムというメディアについてどう思われますか?
永久であるものはなにもなく、すべてが忘れられるものだと考えるのが、私には唯一合っているやり方だと考えました。毎朝、鏡に自分の顔が映るのを一生見なくてはいけなくて、すでに困っているんです。あなたがうらやましい、私を見なくて済むこともできるんですよ。私は自分から離れることができないんです。
The Artist is Present
会期:〜2018年12月16日(日)
会場:Yuz Museum(余德耀美術館)
問い合わせ先
グッチ ジャパン カスタマーサービス
フリーダイヤル: 0120-88-1921
公式サイト