日本では知るひとぞ知る風景画の第一人者、吉田博の木版画を一堂に集めた展覧会から、北大路魯山人の器と素朴派の企画展、また注目の新人画家、シュ・ニン(許寧)の初個展まで。開催中の3つのアート展の見どころを紹介する

BY MASANOBU MATSUMOTO

シュ・ニン(許寧)展『Season – Letter』|小山登美夫ギャラリー

 アートギャラリーは、新しい才能を発見できる場所でもある。六本木の小山登美夫ギャラリーでは、まさに今注目を集めている新人作家、シュ・ニン(許寧)の初個展が開催中だ。

 シュは1979年、中国北京生まれ。2006年に日本に移住し、20年に多摩美術大学大学院を修了した。その修了制作展、また同年に許がグランプリを受賞した若手作家の登竜門「アートアワードトーキョー丸の内2020」での作品が、ギャラリーのオーナーである小山の目に留まったのだという。

画像: 許寧《Season - Letter》 2019年 oil on canvas 260.0 x 388.5 cm PHOTOGRAPH: COURTESY OF ARTIST, © XU NING, COURTESY OF TOMIO KOYAMA GALLERY

許寧《Season - Letter》 2019年 oil on canvas 260.0 x 388.5 cm
PHOTOGRAPH: COURTESY OF ARTIST, © XU NING, COURTESY OF TOMIO KOYAMA GALLERY

 母国中国の古代思想や、西洋絵画の中心地のひとつネーデルランドの宗教絵画、またファッションブランド、ドルチェ&ガッバーナの装飾性に影響を受けながら絵画と向き合ってきたシュ。とりわけ絵画研究に裏打ちされた、描画技法のリミックス感もシュの作品の大きな魅力だ。

 線画や点描、ドリッピング(絵の具を直接キャンバスに垂らす技法)、また油絵の具の厚盛りを発展させ、キャンバスの上に彫刻のような立体物を造形したり、さまざまな技法による描写をパッチワークのように組み合わせ、シュはひとつの絵画を作り上げる。こうしたディテールに誘われて、鑑賞者は、巨大なキャンバスのいたるところに視線を巡らせながら、その作品世界にどっぷりと浸かってしまうわけだ。

画像: 許寧《Yesterday, Tomorrow》 2020年 oil on canvas 22.5 x 33.8 cm PHOTOGRAPH BY KENJI TAKAHASHI, © XU NING, COURTESY OF TOMIO KOYAMA GALLERY

許寧《Yesterday, Tomorrow》 2020年 oil on canvas 22.5 x 33.8 cm
PHOTOGRAPH BY KENJI TAKAHASHI, © XU NING, COURTESY OF TOMIO KOYAMA GALLERY

 またこうしたダイナミックで濃淡のある絵画は、ある種、シュの自然観を想像させる。展覧会のタイトルにもなっている《Season - Letter》は、自然の雄大さ、季節の移ろいにインスピレーションを受けて創作されたもの。その素晴らしさ、美しさを手紙のように鑑賞者に届けたいという思いが込められているという。

シュ・ニン(許寧)展『Season – Letter』
会期:~ 2月20日(土)
会場:小山登美夫ギャラリー
住所:東京都港区六本木6-5-24 complex665ビル2F
開廊時間:11:00~19:00
休廊日:日・月曜、祝日
電話:03-6434-7225
公式サイト

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