BY MIYUKI NAGATA, PHOTOGRAPHS BY SHINSUKE SATO
たとえば太陽の光を浴びると分泌される「セロトニン」や、上質な睡眠に導く「メラトニン」、気持ちを落ち着かせ幸福感をもたらす「オキシトシン」など、体内ホルモンに働きかける精油をブレンドし、人のサーカディアンリズム(体内時計)を整えるオイルやボディウォッシュができないだろうか。香りも単一ではなく、気持ちと体のコンディションに合わせ、また好みによって選べるように何種類か作りたい。シナラオイルをベースにした“心身を健やかにサポートするボディケア”のコンセプトが固まっていった。
しかし、その道のりは決してスムースではなかった。「まず考えたのは“いい香りよりも効く香り”。でも最初のサンプルを嗅いだらくさくて(笑)。そこから少しずつ調整していったのですが、一度はいい香りと思っても、次の日にはいいと感じられなかったり……。自分がその香りを“好き”で、“効いた”と納得できたのは、開発を始めて3年目に入った頃でした」
そして完成したのがハグとバランス、ドリームの3つの香り。中でも発表会で多くのエディターやジャーナリストから、注目を集めたのがHugだ。「私自身もそうですが、自分がつらいと人に優しくできないときってありますよね。それに気がついて、さらに落ち込んだり。だから愛する人や、ペットを抱きしめたときのような安らいだ気持ちになりたいときの香りとして、Hugをつくりました。
今までネイリストとしてお客さまと接してきて“幸せな気持ちは顔に出る”のをずっと見てきましたし、そういう表情こそが美しいと思っています。だから技術やデザイン、ホスピタリティはもちろん、プロダクトでもお客さまを幸せな気持ちにしたいと思うんです」
ukaのホームページやリリースには「忙しくてめんどくさがりでよくばりな女性たちへ」というフレーズが登場する。まさにその通り、私たちはきれいになりたいし、毎日心地よく過ごしたい。でもいつだって時間はないし、めんどうなことは仕事や家事だけでじゅうぶんだ。それを知っているからこそ、渡邉さんは自分が納得するまで決して妥協せず、女性たちのための製品づくりを続けるのだろう。
毎日がんばって、もしかしたらちょっと怖い顔になっているかもしれない自分を、思わずほほ笑ませてくれるようなコスメ。ukaのプロダクトには、いつもそんな温かな魅力があふれている。
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