季節にふさわしいもの、ときめくものをさりげなく――。ギフトコンシェルジュの真野知子さんが、真摯にものづくりに打ち込む作り手たちによる素敵な贈りものを紹介する連載第19回

BY TOMOKO MANO, PHOTOGRAPHS BY SHINSUKE SATO

ココ・ファーム・ワイナリーの「月を待つ」

画像: (左から) 「2017 月を待つ」「2018 月を待つ」<各300ml>¥3,000 ※「2018 月を待つ」は9月発売予定

(左から)
「2017 月を待つ」「2018 月を待つ」<各300ml>¥3,000
※「2018 月を待つ」は9月発売予定

 栃木県足利市にある、ココ・ファーム・ワイナリー。知的障がいをもつ人たちの自立を支えるためにつくられた「こころみ学園」を母体とする醸造所です。園の生徒が自家畑でぶどうを栽培し、ワインづくりにも携わるーー社会的意義も併せ持つワイナリーですが、その味わいも格別。2000年の九州沖縄サミットの晩餐会や2008年の北海道洞爺湖サミットの夕食会などでも提供され、世界のVIPたちもその美味に酔いしれたほど。

「月を待つ」は、ココ・ファーム・ワイナリーが、毎年この季節にリリースするビンテージワイン。名前の由来は「出る月を待つべし、散る花を追うことなかれ」という江戸時代の儒学者・中根東里の言葉から。過ぎ去った出来事に固執されず、未来に希望を持って前向きに生きましょう、という意味ですが、そのネーミングから、お月見のギフトとしておすすめしたい。ちなみに、日本には“月待ち”という習わしがあり、十五夜や十三夜に、飲食をしながら月が出るまでの時間を風情に楽しんだそう。現代ではもっとシンプルに。こんなワインを大切な人に送ってみたり、また手土産にして、月を肴に秋の夜長を語り合ってみるのはいかが。

画像: ぶどうは北海道余市産のケルナー種。その香り、みずみずしい酸、フルーティな風味を生かすべく、野生酵母で発酵させ、無ろ過、無清登でビン詰め

ぶどうは北海道余市産のケルナー種。その香り、みずみずしい酸、フルーティな風味を生かすべく、野生酵母で発酵させ、無ろ過、無清登でビン詰め

問い合わせ先
ココ・ファーム・ワイナリー
TEL:0284(42)1194
公式サイト

オゼキの「レター提灯」

画像: レター提灯「とんぼ」¥3,500

レター提灯「とんぼ」¥3,500

 株式会社オゼキは、岐阜の伝統工芸品「岐阜提灯」を製造する創業128年の老舗のメーカー。そのお盆提灯や祭り用の提灯、またインテリア照明は、先人によって育まれた伝統の技によって作られています。

 世界的な彫刻家、イサム・ノグチが、和紙を透かした柔らかい光に魅力を感じ、制作した「あかり」。それが生まれたのは、彼がここオゼキ(当時、尾関次七商店)の工場に訪れ、職人の巧みな技術に惹かれたのもきっかけだと言われています。現在、オゼキでは伝統的工芸品の提灯や「あかり」の生産に加え、時代の流れに合った提灯の新しい魅力を伝える商品開発にも力を注いでいます。

 そのひとつが、デザイナーとのコラボレーションから生まれた提灯型のメッセージカード「レター提灯」。火袋とメッセージカード、封筒、LEDライトがセットになり、文字通り、手紙として送ることができる提灯です。火袋には四季折々のモチーフや日本の名所などが描かれ、絵柄の種類も豊富。9月なら赤とんぼとススキが描かれたタイプを選んで、時候のご挨拶を。たたまれていた提灯を広げ、LEDライトを灯すと、優しく空間を照らしてくれます。やわらかな丸い光は、まるでおぼろ月のよう。

画像: 専用の封筒、またメッセージカードになる取扱説明書などがセットに

専用の封筒、またメッセージカードになる取扱説明書などがセットに

問い合わせ先
オゼキ
TEL:058(263)0111
公式サイト

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