BY MERRELL HAMBLETON
完璧主義者を自任するファッション・デザイナーのジョナサン・アンダーソン。2013年にスペインのラグジュアリーブランド、ロエベのクリエイティブ・ディレクターに就任したとき、彼はあらゆるものを刷新した。ブランドロゴから店頭に並ぶハンガーまで、新しく作り直したのだ。それを思えば、ジョナサンがアーツ・アンド・クラフツ運動を主導したウィリアム・モリスに昔から親近感を抱いていたというのも不思議ではない。
74アイテムからなるロエベの最新コレクションで、ジョナサンはモリスの手がけた壁紙の柄をフィーチャー。19世紀イギリスのデザイナー、詩人、社会主義者として知られるモリスは、自分で混ぜた染料で壁紙を制作したが、その理由は、自分の家で使いたいと思えるような壁紙が見あたらなかったためだと言われている。そうしたモリスのアプローチについて、ジョナサンは「やるか、やらないか。やるからには徹底してやる。ほとんど宗教だね」と言う。
ジョナサンは、モリスの有名な4つの柄をコレクションに採用。その取り入れ方は、ときに忠実であり(たとえば、手編みで柄を編み込んだセーターやストール、柄をプリントしたハンモック・バッグやパズル・バッグ)、ときには大胆不敵だ(森を描いた柄からウサギだけを抜き出し、黒いバイカージャケットにペイントした)。
「モリスとブリティッシュ・パンクをミックスするというアイデアが気に入ったんだ」とジョナサン。モリスの代表的なモチーフであるアカンサスの葉模様があしらわれ、同柄のパンツとセットになったフーディトップスは、彼いわく「一種の現代版カムフラージュ」だ。それはロエベの新作ルックブックを見ても一目瞭然。このルックブックは、ロンドンの南にある、モリスが内装を手がけたスタンデン・ハウスで撮影された。「まるで壁紙を着ているような気分になるんだ」とジョナサン。「そのまま家に溶け込めそうなくらいにね」
<EVENT>
ロエベ ウィリアム・モリスコレクション ポップアップストア
新作のバッグやレザーグッズと合わせて、カプセルコレクションの幅広いラインアップが揃うポップアップストアが期間限定で開催される。
会場:新宿伊勢丹本館1階=ザ・ステージ
住所:東京都新宿区新宿3-14-1
期間:2017年 11月15 日(水)~21日(火)
営業時間:10:30~20:00
電話:03(3352)1111(代表)