ウォッチジャーナリスト高木教雄が、最新作からマニアックなトリビアまで、腕時計にまつわるトピックを深く熱く語る。第13回では、一大トレンドを形成するブロンズケースの魅力に迫る。新素材開発競争と逆行するオールドマテリアルが、時計界の新境地をもたらす

BY NORIO TAKAGI

 フランスの時計ブランド、ベル&ロスは、二種類のブロンズをモデルに合わせてうまく使い分けている。唯一無二のスクエア型ダイバーズウォッチ「BR 03-92 ダイバー ブロンズ」にはCuSn8を用い、新品の段階では素材本来の赤みが強い黄金色で重厚感を増し、海水にさらされるダイバーズだから経年変化は加速されブロンズならではの魅力をより堪能できる。一方、丸型のクロノグラフ「BR V2-94 ベリータンカー ブロンズ」では、銅91%+アルミニウム(Al)7%+シリコン(Si)2%のCuAl7Si2を使用。イエローゴールドにも似た色味が醸し出すヴィンテージ感が、緩やかな経年変化で徐々に高まる趣向とした。

画像: (左)ベル&ロス「BR 03-92 ダイバー バーガンディ ブロンズ」¥520,000(限定99本) <ケースサイズ 42×42mm、ブロンズ、自動巻き、カーフストラップ(ラバーストラップ付属)> スクエア型で300m防水を実現したブロンズ製ダイバーズの新作は、日本限定のバーガンディダイヤル。正方形にはめ込まれた丸いダイヤルを赤に染め、日の丸をイメージした (右)ベル&ロス「BR V2-94 ベリータンカー ブロンズ」¥620,000(限定500本) <ケース径41mm、ブロンズ、自動巻き、カーフストラップ> ダイヤルも含め、外装の全体をブラック×ブロンズのバイカラーに。ベゼルにはタキメーターを刻んだ2カウンターとし、レトロなレーシングクロノグラフに仕立てた PHOTOGRAPHS:COURTESY OF BELL & ROSS ベル&ロス ジャパン TEL. 03(5977)7759 公式サイト

(左)ベル&ロス「BR 03-92 ダイバー バーガンディ ブロンズ」¥520,000(限定99本)
<ケースサイズ 42×42mm、ブロンズ、自動巻き、カーフストラップ(ラバーストラップ付属)>
スクエア型で300m防水を実現したブロンズ製ダイバーズの新作は、日本限定のバーガンディダイヤル。正方形にはめ込まれた丸いダイヤルを赤に染め、日の丸をイメージした

(右)ベル&ロス「BR V2-94 ベリータンカー ブロンズ」¥620,000(限定500本)
<ケース径41mm、ブロンズ、自動巻き、カーフストラップ>
ダイヤルも含め、外装の全体をブラック×ブロンズのバイカラーに。ベゼルにはタキメーターを刻んだ2カウンターとし、レトロなレーシングクロノグラフに仕立てた
PHOTOGRAPHS:COURTESY OF BELL & ROSS

ベル&ロス ジャパン
TEL. 03(5977)7759
公式サイト

 上質なスイス製機械式時計を良心的な価格で提供するオリスは、2016年からブロンズを外装素材に用い、他社とは異なる魅力を引き出している。その1つが「ダイバーズ 65」。ブロンズを逆回転防止ベゼルのリングやブレスレットの中リンクに用い、ステンレススティールとのバイカラーに仕立てたのだ。錆びないステンレススティールとの対比で、ブロンズの変化がより際立つ。一方で「ビッグクラウン ブロンズポインターデイト」では、ケースとリューズ、さらにはダイヤルまでブロンズ製とした。ダイヤルのブロンズには特殊な化学処理を施して変化を止め、ひとつひとつ異なる表情を与えている。1938年製モデルをルーツとした外観は、オールブロンズによってよりレトロな印象となった。

画像: (右)オリス「ビッグクラウン ブロンズ ポインターデイト」¥220,000 <ケース径40mm、ブロンズ、自動巻き、カーフストラップ> ブランドのアイコンモデルが、オールブロンズに装った。ブロンズ製のダイヤルは、化学処理にブラウンに発色させ、マットコーテイングすることで深い色味を得ている (左)オリス「ダイバーズ 65」¥246,000 <ケース径40mm、SS、自動巻き、SS+ブロンズブレスレット> ベゼルリンクのブロンズが、アクセントに。SSとブロンズとのバイカラーブレスレットも、新鮮。ダイヤルは新色で、シックなブラウンをグラデーションで華やかな印象とした PHOTOGRAPHS:COURTESY OF ORIS オリス・ジャパン TEL. 03(6260)6876 公式サイト

(右)オリス「ビッグクラウン ブロンズ ポインターデイト」¥220,000
<ケース径40mm、ブロンズ、自動巻き、カーフストラップ>
ブランドのアイコンモデルが、オールブロンズに装った。ブロンズ製のダイヤルは、化学処理にブラウンに発色させ、マットコーテイングすることで深い色味を得ている

(左)オリス「ダイバーズ 65」¥246,000
<ケース径40mm、SS、自動巻き、SS+ブロンズブレスレット>
ベゼルリンクのブロンズが、アクセントに。SSとブロンズとのバイカラーブレスレットも、新鮮。ダイヤルは新色で、シックなブラウンをグラデーションで華やかな印象とした
PHOTOGRAPHS:COURTESY OF ORIS

オリス・ジャパン
TEL. 03(6260)6876
公式サイト

 タグ・ホイヤーの「オータヴィア キャリバー5 COSC」も、ブロンズケースによってヴィンテージ感をグッと高めている。さらに分針を0位置に合わせ、経過時間が計れる回転ベゼルのインサートには、セラミックを使用。日常生活ではほぼ傷付くことはなく、買った時の状態を保ち続けるベゼルは、長く使うほどにケースとの対比を高めて、時の移ろいを強く感じさせてくれる。

画像: タグ・ホイヤー「オータヴィア キャリバー5 COSC」各¥415,000 <ケース径42mm、ブロンズ、自動巻き、カーフストラップ> ブロンズ製のオータヴィアは、カーキ、ブラウン、レッドの3色展開。それぞれグラデーションで華やかさを、マット仕上げでスポーティな雰囲気を醸し出している PHOTOGRAPHS:COURTESY OF TAG HEUER LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー TEL. 03(5635)7054 公式サイト

タグ・ホイヤー「オータヴィア キャリバー5 COSC」各¥415,000
<ケース径42mm、ブロンズ、自動巻き、カーフストラップ>
ブロンズ製のオータヴィアは、カーキ、ブラウン、レッドの3色展開。それぞれグラデーションで華やかさを、マット仕上げでスポーティな雰囲気を醸し出している
PHOTOGRAPHS:COURTESY OF TAG HEUER

LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー
TEL. 03(5635)7054
公式サイト

 船具に使われてきたブロンズはダイバーズウォッチと相性が良く、またオールドマテリアルであるがゆえ、ヴィンテージなモデルに似合う。錆びやすく、重くて柔らかい、時代を逆行するプリミティブな合金だからこそ、ブロンズは時計の新たな魅力を引き出す。

高木教雄(NORIO TAKAGI)
ウォッチジャーナリスト。1962年愛知県生まれ。時計を中心に建築やインテリア、テーブルウェアなどライフスタイルプロダクトを取材対象に、各誌で執筆。スイスの新作時計発表会の取材は、1999年から続ける。著書に『「世界一」美しい、キッチンツール』(世界文化社刊)があり、時計師フランソワ・ポール・ジュルヌ著『偏屈のすすめ』(幻冬舎刊)も監修

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