BY KANA ENDO
複雑機構からジュエリーセッティングまで多方面で高い技術力を見せつけた
24時間で一周する時針と第2時間帯表示を備える「カラトラバ・トラベルタイム 5224」やスポーティな印象の「カラトラバ 6007」などカラトラバ系の新作に加え、20もの複雑機構を搭載し、パテック フィリップの現行コレクションの中で最も複雑な時計である「パテック フィリップ・グランドマスター・チャイム 6300」の新作が発表されるなど、幅広いラインナップとなった2023年のWatches & Wonders。その中からレディスモデルの新作を紹介する。
『カラトラバ 4997/200』
パテック フィリップはシックなパープルの文字盤とストラップが印象的な新作「カラトラバ 4997/200」を発表した。ドーム型の文字盤は、同心円状の波型エンボス模様が施され、角度によって様々な表情を見せる。プレートには半透明のパープルのラック塗装が50層以上も施され、文字盤に奥行きと立体感が生み出されている。その上には、パウダー仕上げのアロー型インデックスとローズゴールドのドフィーヌ型時分針が配され、まるで浮かんでいるかのようだ。ベゼルには76個のラウンドカット・ピュア・トップウェッセルトン・ダイヤモンドがセッティングされ、文字盤と全面ポリッシュ仕上げのケースを際立たせる。文字盤の色合いが、サテンのような風合いを持つパープルのカーフスキンストラップと見事にマッチし、手首を華やかに彩るタイムピースだ。
『ゴンドーロ・セラータ 4962/200』
2006年に発表され、イブニング・ウォッチに現代的な息吹を与え独自性溢れるデザインの「ゴンドーロ・セラータ」が、わずかに大きくなったケースサイズのローズゴールド・バージョンとしてカムバックした。ケースには94個のブリリアントカット・スぺサルタイトが並び、12時と6時位置は《コニャック》、9時と3時位置は《マンダリン・オレンジ》によるダブルカラーのグラデーションを描く。スぺサルタイトによるグラデーションと、手首にしなやかに沿うようにカーブした時計のフォルムが合わさることにより、流れるような優美なフォルムが強調される。ラック・ブラウンの文字盤は、マット仕上げとポリッシュ仕上げのコントラストにより描かれた花のモチーフで彩られ、シックで気品ある世界観を創り上げた。
『アクアノート・ルーチェ 5268/200』
2010年に発表された自動巻きムーブメント搭載の「アクアノート・ルーチェ」は2021年にリデザインされ、ひと回り大きくなった。その「アクアノート・ルーチェ」に、2015年から2019年に製作されたステンレススティール仕様の「アクアノート・ルーチェ」で人気を博した、グレートーンのトープカラーの文字盤とストラップの組み合わせを再び採用した。ねじ込み式リュウズを備えた12気圧防水のローズゴールドケースは、上面のポリッシュ仕上げと側面のサテン仕上げのコントラストが際立つデザイン。縁を斜めにカットし、ポリッシュ仕上げを施すことで丸みを帯びた特徴的な8角形のベゼルには、48個のピュア・トップウェッセルトン・ダイヤモンドが配されている。文字盤には、アクアノート・エンボス・パターンが施され、同様のパターンのコンポジット・バンドは優れた耐性と快適な着用感を誇る。
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