BY KANA ENDO
満を持して復活した伝説の「タンク」
今年のWatches & Wondersで大きな話題を集めたのが、「タンク ノルマル」の発表だ。カルティエを代表する時計のひとつであるタンクの原型とも言われるオリジナルの「タンク ノルマル」をほぼ忠実に再現しつつ、新たに加わったブレスレットも見事な完成度。そのほかにもブレスレットにこだわったモデルも多く見られ、カルティエの美的センスと加工精度の高さを見せつけるコレクションとなった。
カルティエ プリヴェ『タンク ノルマル』
カルティエにとっても時計愛好家にとっても特別なコレクションである「カルティエ プリヴェ」。その7作目に加わったのが「タンク ノルマル」だ。1917年にルイ・カルティエによって制作され、2年後の1919年に販売された「タンク ノルマル」は、その後の「タンク」ウォッチの原型となるモデルで、マニアの間で長年、伝説の時計とされてきた。本作はオリジナルのデザインを踏襲し、面取りされたサファイアガラスが採用されているのが大きな特徴で、「カルティエ プリヴェ」コレクションに初採用となるブレスレットは、サテン仕上げとポリッシュ仕上げが織り交ぜられ、ケースと見事に調和する。その他レイルウェイトラックとシークレットサインが配されるなど、タンクのデザインコードに忠実なディテールも散りばめられる。イエローゴールドまたはプラチナケースのブレスレットモデルの他、アリゲーターストラップモデルや、スケルトンムーブメント搭載モデルなど、全7モデルがラインナップする。
パンテール ドゥ カルティエ『ラ パンテール』
メゾンのアイコンでもある「パンテール」コレクションに新たにジュエリーウォッチが加わった。彫刻作品のように美しく立体的なパンテールの頭部は、2005年に発表したジュエリー コレクションの系譜に連なるもので、野性的で躍動感ある顎部分には、ブラックラッカーが施された文字盤を備える。また新開発のブレスレットもパンテールの俊敏さとしなやかさを表現する。クリエイションスタジオとマニュファクチュールによって開発されたブレスレットは、ヒンジが一切見えない画期的な構造となっており、手首と一体化するしなやかなつけ心地が実現。ひとつひとつポリッシュ仕上げされたブラックラッカーの斑点や、エメラルドまたはツァボライトによる瞳など、卓越したサヴォアフェールが感じられる一本だ。イエローゴールドまたはピンクゴールドに加え、ダイヤモンドをパヴェセッティングした3モデルのラインナップ。
『クラッシュ[アン]リミテッド』
「クラッシュ[アン]リミテッド」は、スタッズ、ビーズ、クル カレなどメゾンが大切にする幾何学モチーフを用いたジュエリーコレクション「クラッシュ ドゥ カルティエ」のデザインコードを採用したプレシャスウォッチ。カルティエのスタイルの特徴である幾何学モチーフや、カラーコントラストを効果的に使っているのが特徴だ。ゴールドのパーツは、サテン仕上げとポリッシュ仕上げが交互に施され、新たに開発されたパープルカラーのバイオレットゴールドのビーズやクル カレが立体感とコントラストを演出。サファイアクリスタルは16面カットされ、グラフィカルでエッジィなスタイルに。イエローゴールド、ピンクゴールドのモデルに加え、ダイヤモンドをパヴェセッティングしたホワイトゴールドモデル、さらに、オニキスやブラックスピネルなどのプレシャスストーンをあしらったジュエリーモデルなど全5モデルが発表された。
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