金具を見ただけで、すぐにグッチのものとわかるこのバッグ。誕生した半世紀前と同じように、今なお新しく感じられる

BY LINDSAY TALBOT, STILL LIFE BY LEWIS MIRRETT, SET DESIGN BY LEILIN LOPEZ-TOLE

画像: 新作の「グッチ 73」スモール バケットバッグ¥341,000/グッチ グッチ クライアントサービス TEL.0120-99-2177

新作の「グッチ 73」スモール バケットバッグ¥341,000/グッチ

グッチ クライアントサービス
TEL.0120-99-2177

 1890年代後半、10代のグッチオ・グッチはフィレンツェからロンドンへと渡り、ザ・サヴォイ ホテルでポーターとして働き始めた。上流階級に属するスタイリッシュで国際的な宿泊客たちに触発され、彼らをインスピレーション源にして、1921年、フィレンツェのヴィーニャ・ヌオーヴァ通りに革製品と旅行かばんのアトリエをオープン。トスカーナのクラフツマンシップと英国流のエレガンスを組み合わせることで成功を収め、20世紀半ばには乗馬モチーフで知られる存在となった。1940年代後半、サドル形ハンドバッグが登場。そしてグッチオの息子であるアルドは、1953年のデビュー・コレクションで、ローファーにホースビット(くつわ)形の金具を取り入れた。それから10年ほどの間に、ホースビットモチーフはベルト、ジュエリー、腕時計、シルクプリント、服などにあしらわれるようになった。1973年、グッチは今や象徴的存在となっているバケットバッグを発表。これはスエードとレザーでできた本体の中央に、手綱をイメージしてホースビット形の金具を取りつけたもので、ショルダーストラップにはあぶみの形をしたバックルがついていた。

 そして現在、2025年の春夏シーズンまでクリエイティブ・ディレクターを務めたサバト・デ・サルノ(41歳)は、新しい「グッチ 73」バッグで当時のデザインを復活させることにした。このバッグはトスカーナ産のレザーを用い、オリーブグリーン、アイボリー、ゼブラ柄など、さまざまな色と柄で展開されている。金具を見ただけで、すぐにグッチのものとわかるこのバッグは、半世紀前と同じように、今でもなお新しく感じることができる。

ホースビットのついた服を着て。グッチ1973年秋のクチュール・コレクションより。

DIGITAL TECH: MAX BERNETZ. SET DESIGNER’S ASSISTANT: FRIDA FITTER. INSET: FAIRCHILD ARCHIVE/WWD/PENSKE MEDIA/GETTY IMAGES

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