BY YUKIKO HIRANO

みょうがとマスカットベリーAで味わう日本の夏料理で暑さを乗り切りたい
日本の夏。なくてはならない夏の薬味が、みょうがだ。みょうがは日本だけで食される数少ない食材のひとつ。「他のものでは代用が効かない食材ですね。昔、フランスに住んでいた時に食べられなくて辛かったのが、みょうがでした。盛夏には大ぶりになり値段も安くなります。今回は薬味としてだけでなく、みょうがが主役の料理もご紹介しますね。もちろん、みょうがの風味を生かすようなお酒とともに」(平野さん)。今回のセレクトは三陸海岸のマスカットベリーAだという。さて、みょうがの魅力がどうやって引き出されるのだろうか──。
レシピ1:カツオのみょうがソース
みじん切りにしたたっぷりのみょうがに合わせるのは、バルサミコ酢や黒オリーブ。豊かな香りのソースをカツオにかけて、少し冷やしたマスカットベリーAを。みょうがと赤ワインのアロマが口いっぱいに広がる幸せをどうぞ。

三陸の海沿いの赤ワインはミネラリーで海産物との相性が秀逸。たっぷりのみょうががそこに爽やかな香りを添えてくれる
<材料 2人分>
カツオ1/2さく、みょうが3本、生姜1かけ、黒オリーブ6個、青ねぎ3本
A [オリーブオイル大さじ1、バルサミコ酢大さじ1と1/2、醤油大さじ1]
塩、黒こしょう
<作り方>
1 カツオは食べやすく切り、皿に並べる。
2 みょうが、生姜、オリーブ、はみじん切りにする。青ねぎは小口切りにして、[A]を混ぜ合わせたものに加え混ぜ、1にかける。
レシピ2:みょうがの味噌チーズ焼き
こんがり焼いた熱々のはちみつ味噌がみょうがに染み込んだ、大人の夏のおつまみ。味噌とマスカットベリーAの相性は抜群で、鉄板の組み合わせだ。

シャキシャキのみょうがは、焼くと驚くほどジューシーに。熱々のところをがぶりとかじって味わおう
<材料 2人分>
みょうが3個、味噌大さじ1、はちみつ小さじ2、溶けるタイプのナチュラルチーズ適量
<作り方>
1 味噌とはちみつを混ぜ合わせる。
2 みょうがを半割りにして、1を塗り、チーズをのせて、オーブントースターでこんがりとするまで焼く。
【今月のお酒セレクト:神田葡萄園 ルージュ2022】

PHOTOGRAPHS: COURTESY OF YUKIKO HIRANO
岩手県陸前高田に位置する神田葡萄園。創業1905年の葡萄園は東日本大震災で甚大な被害を受けたが、ワイン作りを再開。リアス式の海岸に面しているテロワールを生かしたワインを産している。ぶどうはマスカットベリーAを主体にヤマソーヴィニヨン・ツヴァイゲルトをブレンドしている。「このワインを飲んだ時、すぐにイメージした食材がカツオでした。潮風に吹かれたぶどうがそんな味を作り出します。日本の食材に合うワインを生産する、これからが楽しみな葡萄園です」(平野さん)
平野由希子
素材を生かしたシンプルでおいしい料理に定評のある料理家。書籍や雑誌、広告で活躍するかたわら飲食店のプロデュースや商品開発も手がける。日本ソムリエ協会認定ソムリエで、ワインバー「8huit.」のオーナーでもある。ワインと料理のペアリングが楽しめる料理教室も主宰。
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