おいしいことはもちろん、そこで過ごすひとときは幸福に彩られることが約束されている場所。ベテランのフードジャーナリストが今、改めて考える"名店"をシーン別に厳選紹介する。第五回は、軽やかな雰囲気で薪火料理を味わえる「ソングブック」を紹介する

BY MIKA KITAMURA, PHOTOGRAPHS BY MASAHIRO GODA

おいしい料理を気軽に楽しむ。使い勝手自在の「ソングブック」

「ソングブック」。なんて楽しい名前だろう。日本橋兜町のビストロ「Neki」のシェフである西恭平さんが、気軽に立ち寄れるカジュアルな姉妹店として、昨年オープン。店名は、料理店らしくない名前をと、敬愛するアメリカの写真家の写真集の名前からとった。
 料理のテーマは「薪火」。薪火で焼く季節の食材とピッツァをメインに、生ハムやイワシのマリネなどの軽い前菜が揃う。ナチュラルワインやクラフトビールとともに、すべてアラカルトでオーダーできる。ピッツァ生地は3種類の小麦粉をブレンド。3日間も寝かすので、生地がなじんで、ふっくら、もちもちながらサクッと歯切れのいい焼き上がりだ。薪火の窯を囲むように設えられたカウンター席に座れば、まるで焚き火を見ながら会話しているような親密な空気が生まれる。
 ランチも営業し、さらに月1 回の朝食イベントも。知り合いのコーヒーショップやパン屋、パティスリー、レコードショップなども参加して、肩の力が抜けた、食べたいものを選べる自在さがいい。こういう店が近所にあったなら、毎日の幸せ感が増すに違いない。

画像: 「イワシのマリネ/オレンジ/ディル」¥1,300。銚子から届く肉厚なイワシをハーブでマリネ

「イワシのマリネ/オレンジ/ディル」¥1,300。銚子から届く肉厚なイワシをハーブでマリネ

画像: 肉も薪火で豪快に、かつ繊細に焼き上げる。余分な脂が抜け、香ばしさも加わる

肉も薪火で豪快に、かつ繊細に焼き上げる。余分な脂が抜け、香ばしさも加わる

画像: 「和歌山県産山利しらす/梅/茗荷/生ハム」¥2,800

「和歌山県産山利しらす/梅/茗荷/生ハム」¥2,800

画像: 西恭平シェフ。フランス・アルザス地方で修業後、東京「キュイジーヌ[s]ミッシェル・トロワグロ」で研鑽を積み、独立。学生時代からカフェ好きで"おいしい料理が食べられるカフェ"をイメージしてこの店をつくった。店内のレコードとプレーヤーはシェフの趣味。

西恭平シェフ。フランス・アルザス地方で修業後、東京「キュイジーヌ[s]ミッシェル・トロワグロ」で研鑽を積み、独立。学生時代からカフェ好きで"おいしい料理が食べられるカフェ"をイメージしてこの店をつくった。店内のレコードとプレーヤーはシェフの趣味。

ソングブック
東京都世田谷区代田5-10-7 nakahara-sou1 階
TEL.03-6453-1982 
songbook_daita
公式インスタグラムはこちら

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