TEXT & PHOTOGRAPHS BY JUNKO AMANO
川端仁王門「ピニョ食堂」
全国的に猛暑が続いているが、京都の夏は暑さプラス湿気のダブルパンチ!そこで今月は、暑さで食欲がわかない時にぴったりなさっぱりとした冷たい麺をピックアップ。
「ピニョ食堂」は、スープを中心に、韓国料理を定食でいただける食堂だ。
2012年の創業時は、本格的な韓国ブームの前であり、辛くない、赤くない、焼き肉を出さない、そんな韓国料理店は異彩を放つ存在だった。
牛スネ肉と牛骨を長時間煮込んだスープ「ソルロンタン」やいりこ出汁とすりつぶした大豆を使ったクリーミーな「コンビチゲ」など、自分で塩・コショウやアミエビの塩辛、キムチで味を調整するものも多く、素材の味が際立つ優しい韓国料理は評判を呼び、現在は、京都市内にスタイルもさまざまな6軒の韓国料理店を展開中している。
「ピニョ食堂」で夏になると出される「韓国冷麺」は、毎年6月頃になると、今か今かと待ちわびる常連さんも多い人気メニューだ。
韓国冷麺は、焼き肉や韓国料理を食べに行った際、〆で注文することが多く、定食スタイルで気軽に食べられるのはうれしい限り。
こちらでは、牛スネ肉のスープに二ヶ月寝かしたトンチミ(大根の水キムチ)の汁を合わせてあり、スープの旨みがグッと押し寄せる。酢と辛子が別添えされているが、酢を入れなくてもトンチミの汁の乳酸発酵によるまろやかな酸味を感じ、さっぱり。
そば粉の麺がキンキンにしめてあり、さらに牛スネ肉のスープを凍らせた氷が入っていて、最後まで冷え冷えかつ、スープも水っぽくなることもない。
麺の上には、茹でた牛スネ肉のスライス、大根の水キムチ、キュウリをトッピング。この日は、副菜にミニトマトのキムチとナスの蒸しナムル、白菜のキムチが付いていて、牛スネ肉は、大根の水キムチや白菜キムチと一緒に食べても相性抜群だ。
トンチミは塩味をまろやかにするため、2ヶ月熟成させたものを使用しているため、毎夏、最後に仕込んだトンチミがなくなり次第、冷麺は終了に。そのため、終了時期は早ければ8月末だったり、9月末まで提供されていたり・・・。
韓国冷麺が終了すると、夏の間お休みしているセンチェピビンパがオンメニューするのも楽しみだ。
センチェは生菜を意味し、ごはんの上には生野菜がたっぷり。味噌ベースの熱々のソースをかけてよくかき混ぜていただくのだが、生野菜のフレッシュ感が楽しめ、ナムルがのったお馴染みのピビンパとは違った味わいが楽しめる。
オーナー、全敞一氏が「日本のおうどん屋さん感覚で女性一人でも来やすい店にしたい」と、店内はカウンターメインに。夜も昼と同じメニューで定食をいただくことができるので、京都出張や一人旅のディナーにもオススメだ。
ピニョ食堂
住所:京都市左京区孫橋町18-3
営業時間:11:30〜14:00LO、17:30〜21:30LO
定休日:木曜、第3水曜
TEL. 075-746-2444
公式インスタグラムはこちら
▼あわせて読みたいおすすめ記事