RECIPE BY YOKO ARIMOTO, PHOTOGRAPHS BY YUKI SUGIURA, TEXT BY MIKA KITAMURA

オーブンで焼き上げる魚料理をぜひ覚えてほしい。しかも、下に敷いたじゃがいもは魚のエキスを吸い、バターの風味が加わって主役級のおいしさ!
爽やかなハーブ入りのバターで、味を格上げ
バターがおいしいソースになることはご存知? 焼いたりゆでたり蒸したりしただけの野菜や魚に、溶かしただけのバターをかけるだけで、ぐんとふくよかな味わいになる。「おいしいということは喜びですから、生きていくうえには大切なこと。時にはこういった料理を食べてパワーをつけるのも大事。私は時々そうしています。いつも、ではなく」
バターを使うことでリッチなひと皿になる、とっておきの魚料理をご紹介しよう。魚料理はハードルが高いイメージがあるが、有元さんは「魚はオーブンで焼くのがおすすめです。ロースターなどで焼くと火加減が気になるし、焦がさないよう気を遣いますが、オーブンは放っておいても大丈夫。この調理法を知っておけば、多くの魚に応用できます」。例えば、あじやいわし、さばなどの青背の魚、鯛やめかじきなどの白身魚、ぶりや赤身のまぐろもOK。あじやさばは三枚おろしに、いわしは開いて使う。
「オーブンにお任せなので気楽ですね。オーブンに入れている間にもう一品作ったり、シャワーを浴びたりなどもできるので、焼くのに30分かかると言っても、結局時短になるんです」
今回、ハーブはディルとイタリアンパセリを使ったが、タイムやオレガノでも。バターを溶かしてハーブを加えたら、すぐに火を止めて。ハーブの香りが際立ち、料理の味が格上げされる。このときにおろしにんにくも加えれば、さらに複雑な味わいに。

<材料(4〜5人分)>
鯛(切り身) 4〜5切れ
じゃがいも 中4〜5個
レモン 1/2〜1個
バター(有塩)100g
ディル、イタリアンパセリ 各適量
オリーブオイル 適量
塩、黒こしょう 各適量
<作り方>

1 じゃがいもは皮ごと1cmの厚さに切り、さっとゆでる。水気を切って耐熱容器に移し、オリーブオイルをかける。鯛は塩をしてオリーブオイルをまぶし、じゃがいもの上にのせる。

2 黒こしょうを全体にたっぷり挽きかける。

3 220℃のオーブンに2を入れて約25分焼皮目がパリッと焼けたら、焼き上がりの目安。パリッとならない場合は、オーブンの上段に移して焼き上げる。

4 ハーブバターを作る。ハーブ類は水に浸けてパリッとさせ、さらし、もしくはキッチンペーパーで水気をおさえる。ハーブの葉を摘み、粗みじんに刻む。

5 フライパンにバターを入れて中火にかけ、バターが溶けてきたらハーブ類を加えてすぐに火を止め、5にかける。レモンを半分に切り、たっぷり搾りかける。

有元葉子(ありもとようこ)
料理家。素材を生かしたシンプルで力強い料理と、環境にも配慮した心地よい暮らし方に多くの共感が集まり、著書は100冊を超える。使いやすく美しい調理道具「ラバーゼ」シリーズを提案し、東京でセレクトショップ「SHOP281」を経営。イタリア・ウンブリアと信州にも家を持ち、東京と信州、イタリアでの生活を楽しむ。
公式サイトはこちら
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