BY YUKIKO HIRANO

ピーマン料理には、果実味溢れる赤ワインを
夏野菜の中でも身近な存在のピーマン。旬を迎え、艶よく重量感のあるピーマンが店先に並んでいる。「苦味や香りがピーマンの魅力。ときどき無性に食べたくなるナポリタンを、ピーマンが主役の料理にしてみました。あえてレトロでジャンキーな感じを残した、少し濃いめの味つけに。もう1品は、サルシッチャと合わせて生のピーマンをバリッと食べるレシピを。ビールも合いそうですが、こういう料理にこそ、ちょっといい赤ワインを合わせてみましょう。ラングドックの赤ワインの中でも名声を得ている“レオン・バラル”を選びました。ピーマン料理を格上げしてくれる大人の夏レシピ&ペアリングです」(平野さん)
レシピ1:ピーマンたっぷりのナポリタン
ピーマン特有の青臭い風味、煮詰めたケチャップの甘酸っぱさを自然派ワイン特有の土っぽさ、野生味が包み込む至福の組み合わせ!

1人前に3個使用しているのでピーマンの美味しさがたっぷり!
<材料 2人分>
スパゲッティ(極太麺がおすすめ)160g、ピーマン6個、玉ねぎ1/4個、にんにく1かけ、ソーセージ4本、トマトケチャップ大さじ6、ウスターソース大さじ1、オリーブオイル、塩、黒こしょう
<作り方>
1 ピーマンは1センチ幅に切る。ヘタと種はつけたままでもよい。玉ねぎは薄切り、にんにくは半分に切り、芽をとってつぶす。ソーセージは2センチ程度の斜め切りにする。
2 スパゲッティは塩を加えた湯でゆでる。
3 フライパンにオリーブオイル大さじ1とにんにくを入れて熱し、香りが出てきたら、玉ねぎ、ソーセージを入れて炒める。
4 ケチャップ、ウスターソースを入れて量が2/3くらいになるまで煮詰め、ピーマンを入れて炒め合わせる。
5 ゆで上がったスパゲッティを加え混ぜ、器に盛り、オリーブオイル適量を回しかけ、黒こしょうを粗く挽いてふる。
バリバリ生ピーマン&サルシッチャ
イタリア版の腸詰めのサルシッチャを、今回は簡単に手作りできるレシピにアレンジ。冷水に浸したフルーティーなピーマンと合わせると、バリッ!とした食感で夏の暑さを吹き飛ばしてくれるよう。

ピーマンは、味が抜け過ぎないように水にさらすのは6時間程度
<材料 2人分>
ピーマン3個、豚ひき肉250g、オリーブオイル
A [パセリのみじん切り大さじ1、ローズマリーのみじん切り小さじ1、クミンシード(ホール)、コリアンダー(パウダー) 各小さじ1/2、塩小さじ1/2 、黒こしょう(粗く挽いたもの)少々、にんにくのすりおろし少々]
<作り方>
1 ピーマンは半割りにし、へたと種をとり、かぶるくらいの水につけて冷蔵庫で6時間冷やす。
2 ひき肉にAを加え混ぜる。肉感が残るように練らずに混ぜる。
3 2を6等分し、空気を抜くようにして小判形に成形する。
4 フライパンには油をひかずに3を入れて中弱火で焼く。焼き色が付いたらひっくり返し合わせて5〜6分焼く。火を止めて2分置き、余熱で火を通す。
5 ピーマンとサルシッチャを盛り合わせる。粒マスタード、アリッサなどを添える。

サルシッチャのスパイスやハーブの風味が赤ワインと調和する
【今月のお酒セレクト:レオン・バラル フォジェール・ジャディス2019】

PHOTOGRAPHS: COURTESY OF YUKIKO HIRANO
レオン・バラルはフォジェールのテロワールを生かした唯一無二のワインを生産する造り手。凝縮感がありながらエレガントで奥行きのある味わいで、ナチュラルワインの愛好家だけでなく、伝統的なワインファンからも高い評価を得ている。「豊かな果実味、複雑なスパイシーさは今回の料理に驚くぐらいよく合います。大人ならではの夏の赤ワインの楽しみ方ですね」(平野さん)
平野由希子さんがナチュラルワインの定期便を開始!

平野由希子さんが主宰する料理教室cusine et vin が、ナチュラルワインの定期便コースを開始。隔月にワイン5~6 本、もしくは3本のスパークリングワインが届くメンバーシップコースで構成。お届けするワインにはどんな料理が合うか、などの情報も一緒に送ってくれる。
「空前のナチュラルワインブームですが、自分で選べないという方も多くいます。不安定な部分もあるナチュラルワインはワインの状態、ボトルを空けるタイミングもとても大切です。私とスタッフが試飲をして心からおいしいと思ったワインだけをセレクトしてお届けします」と平野さん。
「週末ごはん会に合うワインを選んでほしい」「ナチュラルな野菜料理に合うワインが飲みたい」などのリクエストにもお応えできるオーダーメード感覚のコースを目指しているのだそう。
猫と旅した南仏での3週間を詰め込んだ、平野さんの新著が発売中
「カブルスピーヌ村は、南仏にある人口100人ほどの小さな村。カフェもなければスーパーもパン屋もない。何にもないけど、雄大な自然とたくさんの猫に出会える美しいところ。そんな村を愛猫クミンとともに訪問してみた」ーー
平野由希子さんが、愛猫のクミン君とともに訪れた南フランスでの3週間。築1000年の石造り古民家に滞在しながら、羊肉料理やカスレ、朝どれのさやいんげんサラダなど、新鮮な素材を使った絶品料理に舌鼓を打ち、地元の人々や近所の猫と触れ合い、自然豊かな田舎を満喫する、まるで夢のような時間を詰め込んだ一冊。ペットとともに飛行機旅をするための役に立つ情報も満載!

『南フランス 猫と旅する美しい村<私のとっておき>シリーズ50』
著者:平野 由希子
¥2,090
産業編集センター刊
平野由希子
素材を生かしたシンプルでおいしい料理に定評のある料理家。書籍や雑誌、広告で活躍するかたわら飲食店のプロデュースや商品開発も手がける。日本ソムリエ協会認定ソムリエで、ワインと料理のペアリングが楽しめる料理教室も主宰。
公式サイトはこちら
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