寒い日に、なんだか疲れた夜に、ふわふわの卵とじうどん。滋味深いいりこだしに、溶いた卵をそーっとすーっと流していくだけ。そのほんの少しの時間に気持ちも調い、落ち着くはず。温かい一椀をいただけば身も心もじんわり満たされて。「自分で作れば安心でおいしい」、そんな有元流・卵とじうどんをご紹介します

RECIPE BY YOKO ARIMOTO, PHOTOGRAPHS BY YUKI SUGIURA, TEXT BY MIKA KITAMURA

画像1: 有元葉子さんの
「おいしいものは身体にいいのよ」
Vol.29 卵とじうどん

ふわっふわの卵といりこだしのやさしい味

 夏の暑さから一転、急に寒くなってきて、温かいおうどんが嬉しい時季。ふわふわのかき玉うどんはいかがでしょう。
「卵を固めるために水溶き片栗粉を加えますが、ポイントは片栗粉と水の量。おだしがどろどろにならず、さらりとした仕上がりにするためには、水溶き片栗粉を薄めに作っておくことが大切です。濃く溶いた片栗粉を加えると固まってしまうんです」と有元葉子さん。

 大さじ1の片栗粉を大さじ3〜4で溶いて、全部を一度に加えるのではなく、様子を見て少しずつ加えること。「全部加えなくてもいいんです。残すつもりで作っておきましょう。入っているか入ってないかわからない、さらりとしたおだしにしましょう」。

 卵液は沸いたおだしにゆっくり細く静かに落としていく。落としたら、絶対に混ぜないこと。「卵がふわーっと浮いてきます。全体に固まったところをすくっておうどんにのせます」。

 有元さんはおうどんには、いりこだしが合うという。「私はいりこを水に一晩浸けた水だしが好きです。いりこの味が上品に、しかも濃く感じられます」。とはいえ、なかなか前の晩から浸けられないという人には、いりこと水を合わせて15分ほど煮出してもいい。
 卵とだしのやさしい味わいのうどんは、心にも染みる。お昼ごはんにはもちろん、疲れたときの夜食に。寒い日の朝にも。

画像: ふわっふわの卵といりこだしのやさしい味

<材料(2〜3人分)>
うどん(ゆで) 2玉
卵 4個
煮干しのだし
 ・煮干し 20尾以上
 ・水 4.5カップ
片栗粉 大さじ1
塩 小さじ1
醤油 少々
青ねぎの小口切り 適量

<作り方>

煮干しのだしを作っておく。いりこははらわたを除く。水4カップに煮干し20尾以上を一晩漬けておく(暑い時期は冷蔵庫に入れる)。使う前に、さらしをざるの上に広げて煮干しを漉す。時間がない場合は、鍋に煮干しと水を入れ、中火にかけ、沸騰したら弱火にして15分ほど火にかけ、同様に濾す。

だしを火にかけ、塩と醤油を加える。

画像: 3 別鍋にお湯を沸かし、うどんを入れて軽く温め、うどんを器に取り分ける。

別鍋にお湯を沸かし、うどんを入れて軽く温め、うどんを器に取り分ける。

画像: 4片栗粉を水大さじ3〜4(材料外)で溶く。2のだしを沸かし、水溶き片栗粉を少しずつ加え、さらっとしたおだしに仕上げる。

片栗粉を水大さじ3〜4(材料外)で溶く。2のだしを沸かし、水溶き片栗粉を少しずつ加え、さらっとしたおだしに仕上げる。

画像: 5 だしが静かに煮立っている状態にし、卵液を細く落としていく。決して混ぜないようにして、ふわふわと卵が浮かんでくるのを待つ。

だしが静かに煮立っている状態にし、卵液を細く落としていく。決して混ぜないようにして、ふわふわと卵が浮かんでくるのを待つ。

画像: 6 卵が全部浮かんだら火を止め、卵とだしをすくって3のうどんの上にのせる。

卵が全部浮かんだら火を止め、卵とだしをすくって3のうどんの上にのせる。

画像: 7青ねぎの小口切りをのせる。

青ねぎの小口切りをのせる。

画像: 有元葉子(ありもとようこ) 料理家。素材を生かしたシンプルで力強い料理と、環境にも配慮した心地よい暮らし方に多くの共感が集まり、著書は100冊を超える。使いやすく美しい調理道具「ラバーゼ」シリーズを提案し、東京でセレクトショップ「SHOP281」を経営。イタリア・ウンブリアと信州にも家を持ち、東京と信州、イタリアでの生活を楽しむ。 公式サイトはこちら

有元葉子(ありもとようこ)
料理家。素材を生かしたシンプルで力強い料理と、環境にも配慮した心地よい暮らし方に多くの共感が集まり、著書は100冊を超える。使いやすく美しい調理道具「ラバーゼ」シリーズを提案し、東京でセレクトショップ「SHOP281」を経営。イタリア・ウンブリアと信州にも家を持ち、東京と信州、イタリアでの生活を楽しむ。
公式サイトはこちら

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