有元葉子さん直伝の「たまごがけごはん」に「塩むすび」ほか、おいしい"ごはん"をご紹介。"ごはん"は、健康な明日の礎となる日々の主食。白米も玄米も、身体にやさしく、理にかなった調理法と食べ方で「いただきます!」

RECIPE BY YOKO ARIMOTO, PHOTOGRAPHS BY YUKI SUGIURA, TEXT BY MIKA KITAMURA

塩むすびと、卵焼き

画像: 有元家の定番。塩むすびに、フライパンで焼く気軽な卵焼き。これは甘めの関東風の味付け。糠漬けの古漬けに千切りの生姜を和えたものを添えている。深い緑の織部焼の器がお米のみずみずしさ、卵焼きの少し焦げ目のついた黄金色を引き立たせる

有元家の定番。塩むすびに、フライパンで焼く気軽な卵焼き。これは甘めの関東風の味付け。糠漬けの古漬けに千切りの生姜を和えたものを添えている。深い緑の織部焼の器がお米のみずみずしさ、卵焼きの少し焦げ目のついた黄金色を引き立たせる

「新米の味を楽しみたいので、この季節はよく塩むすびを作ります。手と手でご飯をむすぶから、”おむすび”ですね。手のひらをよくぬらして塩をのせ、軽く5〜6回むすびます。“軽くむすぶ”とは、手とご飯の間に空気が入っているような感じです。その後、指先でころころと転がして形を整え、さらに3回ほど軽くむすびます」

 軽やかにむすんだおむすびは、口のなかでふわっとほどけて、新米の旨みがいっぱいに広がり、塩がご飯の甘みをさらに引き立ててくれる。

「ぎゅっと握らないので米粒がつぶれず、ご飯のおいしさを存分に感じられます。形がいびつでも、大きさが揃ってなくてもいいんです。我が家は具材を入れず、塩むすび一辺倒です。塩むすびと甘い卵焼き、糠漬けを大皿に盛り合わせるのがうちの定番。具材は入れないので、鮭を焼いて添えることも。大皿に盛り合わせれば、おもてなしのときも華やかで喜ばれますよ」

<材料 1人分>
炊き立てのご飯 適量
塩 適量

<作り方>

画像: 1 ご飯を炊いて、おひつに移す(炊き立てのご飯をおひつに移すやり方は、Vol.15を参照)。ボウルに水を入れ、塩を用意する。水のボウルに手を浸してしっかりぬらし、手のひらに塩をたっぷりのせて広げる。

ご飯を炊いて、おひつに移す(炊き立てのご飯をおひつに移すやり方は、Vol.15を参照)。ボウルに水を入れ、塩を用意する。水のボウルに手を浸してしっかりぬらし、手のひらに塩をたっぷりのせて広げる。

画像: 2 ご飯適量をしゃもじで手のひらにのせる。

ご飯適量をしゃもじで手のひらにのせる。

画像: 3 ご飯がまとまるように手のひらで5〜6回軽くまとめる。形を整え、さらに3回ほど軽く握る。表面はしっかり、中はふんわり。

ご飯がまとまるように手のひらで5〜6回軽くまとめる。形を整え、さらに3回ほど軽く握る。表面はしっかり、中はふんわり。

画像: 4 大きさは大小あってOK。三角や俵形に形をきちんと揃えなくていい。

大きさは大小あってOK。三角や俵形に形をきちんと揃えなくていい。

<塩むすびに添える卵焼きの作り方>

■材料 2〜3人分
卵 3個
酒 大さじ2〜3
メープルシロップ 大さじ2~3
塩 ひとつまみ
太白ごま油 適量

画像: 1 ボウルに卵を割り入れて溶く。酒、メープルシロップ、塩を加えて混ぜ、卵液を作る。フライパンに太白ごま油を入れ、卵焼きを作る。

ボウルに卵を割り入れて溶く。酒、メープルシロップ、塩を加えて混ぜ、卵液を作る。フライパンに太白ごま油を入れ、卵焼きを作る。

画像: 2 焼き上がったらまな板の上にのせ、粗熱が取れたら切り分けて、おむすびとぬか漬けの古漬けに生姜の千切りを和えたものと盛り合わせる。

焼き上がったらまな板の上にのせ、粗熱が取れたら切り分けて、おむすびとぬか漬けの古漬けに生姜の千切りを和えたものと盛り合わせる。

炊き立てごはんに、「うに玉子」のせ

画像: 一晩、卵の黄身を醤油に漬けるだけで、ねっとりとろりとした口当たりに

一晩、卵の黄身を醤油に漬けるだけで、ねっとりとろりとした口当たりに

「炊き立てをおひつに移すだけで、ふっくらつやつやごはんに」

 つややかな炊き立てごはんにうっとりする新米の季節。新米をおいしくいただく方法を有元さんに教えてもらった。
「炊き立てのごはんの味わいや香りは格別ですね。雑穀入りや玄米も大好きですが、この季節は新米を炊くのが楽しみです。家では土鍋や羽釜などを愛用していますが、スタジオでは電気釜を使っています。長年、さまざまな道具で炊いてきて、それぞれの炊き上がりに違いはありますが、おいしさに差があるわけではないことに気づきました。ごはんをおいしくいただくには、おひつを使うのが大事です」

 土鍋ではふっくら、羽釜はシャキッと、電気釜はその中間の食感に炊き上がるのだとか。どの道具を使って炊いてもいいが、必ずおひつに移すのがポイントだ。木製のおひつは、吸放湿性に優れ、ごはんの水分をほどよく調整。炊き立てをそのまま食べるより、一粒一粒が立って、お米の甘みもしっかり感じられる。冷めてもおいしさをキープしてくれるし、食卓に置けば、おかわりのたびに立つ手間もない。
 「炊き上がったばかりのごはんをいただくと、何よりほっとします。おひつのごはんのおいしさは格別。ご家庭でも取り入れてほしい道具です」

炊き立てごはんに「うに玉子」の組み合わせは、有元家の定番。「卵の黄身を醤油に一晩ほど漬けておくだけのものですが、ねっとりとした口当たりがうにみたい、と名付けたもの。このようなシンプルなおかずこそが、ごはんの味わいを引き立ててくれます」

<材料 1人分>
ご飯 1膳
卵の黄身 1個
醤油 大さじ2/3

<作り方>

画像: 1 あらかじめ「うに玉子」を作っておく。卵の黄身を小さなカップに移し、醤油を加え、ラップをして一晩おく。

あらかじめ「うに玉子」を作っておく。卵の黄身を小さなカップに移し、醤油を加え、ラップをして一晩おく。

画像: 2 お米を炊いている間に、おひつを充分にぬらし、余分な水分を拭いておく。ボウルに水を張り、しゃもじとさらしのふきんを用意。

お米を炊いている間に、おひつを充分にぬらし、余分な水分を拭いておく。ボウルに水を張り、しゃもじとさらしのふきんを用意。

画像: 3 ごはんが炊き上がったら5分ほど蒸らす。しゃもじを水につけて、釜からそっとごはんをすくい、おひつに移す。ごはんを移すたびにしゃもじを水につける。ごはんを決して混ぜないこと、おひつに移す段階でごはんをひっくり返すのがコツ。全部移したら、しゃもじでそっとごはんを切る。

3 ごはんが炊き上がったら5分ほど蒸らす。しゃもじを水につけて、釜からそっとごはんをすくい、おひつに移す。ごはんを移すたびにしゃもじを水につける。ごはんを決して混ぜないこと、おひつに移す段階でごはんをひっくり返すのがコツ。全部移したら、しゃもじでそっとごはんを切る。

画像: 4 移し終えたら、さらしのふきんをはさんで蓋をする。しゃもじと水を入れた器を添えておく。杉の香りがごはんに合うと、杉の木製のおひつを使用。

4 移し終えたら、さらしのふきんをはさんで蓋をする。しゃもじと水を入れた器を添えておく。杉の香りがごはんに合うと、杉の木製のおひつを使用。

画像: 5 ごはんを器に盛り、「うに玉子」をそっとすくってのせる。

5 ごはんを器に盛り、「うに玉子」をそっとすくってのせる。

ラムの味噌焼きと玄米

画像: 「玄米にとても合うのよ」と教えてくれたラムの味噌焼き

「玄米にとても合うのよ」と教えてくれたラムの味噌焼き

「玄米には、肉なら羊や豚、鶏肉のシンプルな料理を添えて」

 ラムチョップといえば、洋風やエスニック料理のイメージがあるが、今回は肉のジューシーさに味噌の香ばしさが加わった和風のローストをご紹介。
「この料理には玄米を添えるのが我が家の定番です。玄米には、肉なら牛肉より豚や鶏、羊肉がなぜか合います。魚ならマグロや白身魚ではなく、青背の魚が合う。しかも、複雑な味に仕立てるのではなく、シンプルな調理法で、調味料もシンプルなものがフィットしますね」。
 玄米には、素朴な味わいと噛み応えある、その穀物パワーに負けない、ナチュラルで口当たりのしっかりしたおかずが寄り添う。

「味噌はお好みのものでよいのですが、私は麹を多めに使った、塩分がしっかり目のものを使います。白味噌など、甘めの優しい味のものは合わないですね」。写真ではラムにロメインレタスを付け合わせたが、これもドレッシングで和えずに素材の味わいをそのままに添えて。ラムと玄米の力強い味を引き立ててくれる。 

画像: ラムの味噌焼きと玄米

<材料 作りやすい分量>
ラムチョップ 4本
にんにく 2片
●にんにく味噌
好みの味噌 小さじ8
にんにく(すりおろし) 1片分
ごま油(香りの強いもの) 少量

<作り方>

画像: 1 にんにく味噌を作る。味噌とにんにくを合わせてから、ごま油を加えてよく混ぜる。

1 にんにく味噌を作る。味噌とにんにくを合わせてから、ごま油を加えてよく混ぜる。

画像: 2 ラムチョップに1の味噌を塗る。

2 ラムチョップに1の味噌を塗る。

画像: 3 にんにくを叩き、2の味噌の上にのせる。

3 にんにくを叩き、2の味噌の上にのせる。

画像: 4 約250℃のオーブンで10分ほど、表面にこんがり焼き色がつくまで焼く。お好みでレタスなどの葉物類と共に器に盛り、玄米を添える。

4 約250℃のオーブンで10分ほど、表面にこんがり焼き色がつくまで焼く。お好みでレタスなどの葉物類と共に器に盛り、玄米を添える。

画像: 有元葉子(ありもとようこ) 料理家。素材を生かしたシンプルで力強い料理と、環境にも配慮した心地よい暮らし方に多くの共感が集まり、著書は100冊を超える。使いやすく美しい調理道具「ラバーゼ」シリーズを提案し、東京でセレクトショップ「SHOP281」を経営。イタリア・ウンブリアと信州にも家を持ち、東京と信州、イタリアでの生活を楽しむ。 公式サイトはこちら

有元葉子(ありもとようこ)
料理家。素材を生かしたシンプルで力強い料理と、環境にも配慮した心地よい暮らし方に多くの共感が集まり、著書は100冊を超える。使いやすく美しい調理道具「ラバーゼ」シリーズを提案し、東京でセレクトショップ「SHOP281」を経営。イタリア・ウンブリアと信州にも家を持ち、東京と信州、イタリアでの生活を楽しむ。

公式サイトはこちら

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