RECEPI BY TOMOKO NAGAO, PHOTOGRAPHS BY TAKAKO HIROSE, TEXT BY MIKA KITAMURA

日々の定番に。香り高いたれでいただく台湾風の豆乳スープ
台湾の「鹹豆漿(シェントウジャン)」を知っていますか? 熱い豆漿(豆乳)をお酢でおぼろ状に固め、醤油やラー油などを加えていただく、朝ごはんに食べるスープのこと。
「作るのも食べるのも手軽で楽しい豆乳のスープです。いろいろ試した結果、にがりで固める方法に辿り着きました。お酢を加えないので豆乳自体に酸味がつかないことや、にがりのほのかな塩味とやわらかな豆腐のような口当たりが気に入っています」と長尾智子さん。
口に入れると、とろっ、するりと喉を通っていく。グリーンピースをのせ、仕上げに黒酢のマイルドな酸味と香り豊かなごま油のたれをかければ、味が引き締まり、蒸し暑い季節でも食欲が湧く。
「お酢を使わないメリットは、味つけを自由にできることですね。中国の北の地方では、醤油や唐辛子、香菜をのせ、南では甘くして食べるのが基本とか。ゆであずきとフルーツをのせたら、アジア風のデザートになります」。
植物性たんぱく質やイソフラボンなどが豊富、その栄養価の高さから「畑の肉」と言われるほどの大豆を丸ごといただける豆乳スープ、日々の定番にしてほしい。
<材料3〜4人分>
豆乳(無調整・大豆固形分10%以上のもの)400ml
グリーンピース 約100g/さやからはずす
卵 2個/溶きほぐす
にがり 小さじ2
油揚げ 1枚
松の実 大さじ1
たれ
・生きくらげ 約50g
・香菜 2株/葉を摘み、茎と根はみじん切り
・生姜 薄切り3〜4枚/みじん切り
・黒酢 大さじ2
・醤油 小さじ2
・赤唐辛子粉 約小さじ1/5
・ごま油 大さじ3
ご飯 400~500g
米油 少々
海苔 適量
【作り方】

グリーンピースを塩ひとつまみを加えた湯でやわらかくゆで、ゆで汁につけたまま冷ます。油揚げはフライパンかトースターで焼き、短冊状に切り分ける。

きくらげのたれを作る。生きくらげは軽くゆで、石づきを切り落として粗みじん切りに。きくらげと香菜の茎と根、生姜、黒酢、醤油、赤唐辛子粉をボウルに入れる。小鍋にごま油を入れ、弱火で薄く煙が出るまで温める。熱々をボウルの材料に回しかけて、ざっと混ぜ合わせる。

土鍋など小ぶりな鍋に、にがりと溶いた卵を流し入れる。

豆乳を鍋に入れ、弱めの中火にかける。鍋の周りにふつふつと泡が立って煮立ってきたら火を止め、にがりと卵の鍋に一気に注ぎ入れて蓋をし、そのまま3、4分おく。

グリーンピースをのせ、ゆで汁を少し回しかける。一旦、蓋をして食卓へ。
のせる野菜は、そら豆やグリーンアスパラガス、スナップえんどう、さやいんげん、ゴーヤなどもいい。

卓上で蓋を開け、松の実、香菜の葉を散らす。

器に盛って、たれと油揚げをのせていただく。
香ばしい焼きおにぎりを添えて

豆乳スープには、香ばしく焼いたおにぎりが似合う。スープはあっという間に出来上が るので、まず、焼きおにぎりを作っておき、スープを作るとよい。 ご飯はラップに包んで丸く形を整え、ぎゅっと固めるようにしてから平らにつぶして形 作る。フライパンを温め、米油を入れ、おにぎりを並べて両面を焼く。軽く焼き色がつい たら刷毛で醤油を塗り、軽く焦げ目がつくまで焼く。スープができたら温め直しても。

器に盛り、海苔を添える。食べるときは、ひと口づつ海苔を巻いてどうぞ。

にがりはマグネシウムが豊富で、塩水を濃縮したような風味なので使う場合は少量で。ご飯を炊く際に、味噌汁に少し加えても。ミネラルの 補給になり、味付けにコクを与える便利なもの。

土鍋で豆乳スープを作ったが、「火にかけないのに土鍋を使うの?」と疑問に思われたか もしれない。土鍋を使うのは、蓋があり、保温性が高いので固まりやすく、食卓にそのま ま出してもサマになるから。寒い時期なら、土鍋を少し温めてからにがりと卵を投入。そ の場合、卵が固まってしまうので、熱々にしないこと。土鍋がなければ、深い鉢に蓋をし て使ってもOK。

長尾智子
フードコーディネーター。書籍や雑誌の執筆、食品や器の企画やディレクションほか、食にまつわる提案を手がける。『料理の時間』(朝日新聞出版)、『ティーとアペロ お茶の時間とお酒の時間 140のレシピ』(柴田書店)ほか、著書多数。自らの目で選ぶオンラインストアSOUP(https://soup-s.shop/) も好評。
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