フォトグラファー横浪 修の新作写真展『PRIMAL』。子どもたちの顔まわりに野菜やフルーツを挟ませて撮る――コンセプチュアルとも言えるその作品群は、ポートレートの新しい可能性を暗示する

BY MASANOBU MATSUMOTO, PHOTOGRAPHS BY OSAMU YOKONAMI

 T JAPANをはじめとした雑誌や広告などで長年活躍している写真家、横浪 修。こうしたコマーショアルワークにいそしむかたわら、ポートレートを軸にした作品を独自に創作し、国内外で発表してきた。そしてこのたび、最新作「PRIMAL」をまとめた写真集がフランスとスウェーデンを拠点とする出版社LIBRARYMANから刊行。その出版を記念し、東京・学芸大前の「BOOK AND SONS」で同名の写真展が開かれている。

画像1: 写真集『PRIMAL』より

写真集『PRIMAL』より

 ポートレートといえど、彼が撮るものは、典型的な肖像写真とは趣が異なる。たとえば、3歳から5歳までの少女をモデルにした「100 Children」「1000 Children」の2シリーズ。そこで横浪は、被写体の首もとにフルーツや野菜を挟ませて撮影することを試みた。「体にモノを挟むことで、被写体の意識は、カメラではなくモノに向かいます。そうすると、取り繕ったものではない表情や無意識的な“しぐさ”が撮れる」と横浪。また、撮影の際、すべての子どもに同じ制服を着せ、背景やポーズも統一することで、シリーズを通して、被写体それぞれの潜在的な個性を際立せてみせた。

 ピュアで美しい写真。だが、その根底には、“個性は何にも基づくのか”、“人の個性は写真によってどう表現できるか”といった写真家ならではの探求がある。もちろん、今回の「PRIMAL」にも。

画像2: 写真集『PRIMAL』より

写真集『PRIMAL』より

画像3: 写真集『PRIMAL』より

写真集『PRIMAL』より

「PRIMAL」は、先の「100 Children」「1000 Children」シリーズを発展させたものだという。本作では、より幼い2歳から3歳までの幼児をモデルに選んだこと、つまり自意識がしっかり形成される前の子どもたちを被写体にしたことで、いつも以上に予想を超えた表情に出会えたとも話す。「この方法で長く撮り続けてきたことで、僕自身がやっと見えてきたこともある。ただ、今回は、上半身は裸のまま、また屋外で空を背景に撮影しました。それによって、彼らの真剣なまざなしに、どこか人間が本質的にもっている“野性的”な一面が見えたような気がします」

 写真展では会場の3フロアを使い、これまでの横浪の個展にはない作品数を見せる。通常の紙焼きのプリントではない、透過フィルムを使った作品も並び、メイキング映像やスライドショーも上映。展示作品の構成にも横浪のセンスがひかる。

画像: 『PRIMAL』 写真・横浪 修 ¥6,400/LIBRARYMAN 限定700部 COURTESY OF LIBRARYMAN

『PRIMAL』
写真・横浪 修
¥6,400/LIBRARYMAN
限定700部
COURTESY OF LIBRARYMAN

横浪 修写真展『PRIMAL』
会期:〜6月23日(日)
会場:BOOK AND SONS
住所:東京都目黒区鷹番2-13-3
開廊時間:12:00~19:00
休廊日:水曜
電話:03(6451)0845
公式サイト

 

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