せきね きょうこ 連載
新・東京ホテル物語<Vol.22>

New Tokyo Hotel Story “HOTEL RYUMEIKAN TOKYO”
ホテルジャーナリスト、せきね きょうこが独自の視点でおすすめの東京ホテルを案内。連載第22回めは、絶品和朝食も人気を集める老舗旅館の姉妹館「ホテル龍名館東京」

BY KYOKO SEKINE

 都心には、一等地でありながら意外と“隠れ家的”なホテルが多く存在する。華やかな外資系ホテルや有名チェーンホテルなどとは違って、つい見逃されがちなのであろう。しかし筆者の私自身、オープン当初から“極上のホテル”として記憶に刻み、個人的に何度も足を運ぶホテルが都内にはいくつかある。

 そのひとつが、ここにご紹介する「ホテル龍名館東京」だ。驚きはそのロケーションにもある。東京の中心、まさに東京駅の目の前にそびえる駅前ホテルなのだ。東京駅八重洲北口から徒歩で3分、東京メトロ日本橋駅から徒歩1分という絶好の位置にありながら、“知る人ぞ知る”人気のホテルなのである。

画像: 1階からエレベーターで15階のレセプションまで。その入り口には歴史ある看板が飾られている

1階からエレベーターで15階のレセプションまで。その入り口には歴史ある看板が飾られている

 それにしても「龍名館」という日本的な名前にはホテルというよりはむしろ旅館のイメージがあるが、事実、前身は老舗の旅館だったというから納得だ。もともと明治32年に神田駿河台に創業した老舗旅館「旅館龍名館本店」(現在は「ホテル龍名館お茶の水本店」)の姉妹館であり、1909年に「旅館呉服橋龍名館」として開業し、2007年まで営業。その後ビルを新築し、現在のスマートなホテルに変身を遂げたのは2009年6月のこと。旅館呉服橋龍名館開業からの100周年をきっかけに、時代の変遷に合わせアッパーミドルのホテルとして新たなスタートをきったという。ミシュランガイド東京では2012年から7年連続で“快適”なホテルとして掲載されている。

画像: 東京駅前とは思えない静かな雰囲気。「ジュニアスイートA」<44.2㎡>は大好評の和洋室

東京駅前とは思えない静かな雰囲気。「ジュニアスイートA」<44.2㎡>は大好評の和洋室

画像: ベッド幅180cmのダブルルーム<31.4㎡>は角部屋タイプ

ベッド幅180cmのダブルルーム<31.4㎡>は角部屋タイプ

 何度も言うが、ホテルにとって好立地は大きな魅力。まして東京駅前なら、ビジネストラベラーにも観光客にも、インバウンドの訪日外国人観光客にも都合がいい。「お客さまはリピーターが多い」と関係者は言うが、それも当然だと思う。もうひとつの魅力は、随所に感じる気どらないサービスである。ロビーラウンジにある無料のお茶類、案内の掲示にも手作り感があって微笑ましい。また、和洋の融合を目指したという米国人デザイナー、ジョー・リベラ氏によるインテリアにも要注目である。モダンな造りの洋室のほか、ホテル内には4室の和洋室があり、旅館時代に鴨居として使われていたオリジナルのアートワークも残されている。

画像: 朝からうれしい手作り朝食でパワーチャージ。バリエーション豊富な手作り料理が並ぶブッフェ

朝からうれしい手作り朝食でパワーチャージ。バリエーション豊富な手作り料理が並ぶブッフェ

画像: 野菜は東京産を中心に提供。新鮮野菜コーナーに並ぶのはしゃぶしゃぶ用だが、生でサラダにも PHOTOGRAPHS: COURTESY OF HOTEL RYUMEIKAN TOKYO

野菜は東京産を中心に提供。新鮮野菜コーナーに並ぶのはしゃぶしゃぶ用だが、生でサラダにも
PHOTOGRAPHS: COURTESY OF HOTEL RYUMEIKAN TOKYO

 だが、なんといってもこのホテル最大の魅力は、東京産野菜主体の和洋折衷、手作り感満載の朝食にある。「東京ブッフェ」の豊富なメニューと手作り料理を目指して泊まる男性ビジネス客は少なくないが、健康に感度の高い女性も増えている。オープンカウンター内で調理に当たる料理人がゲストに気軽に料理を勧めたりと、温もりのある会話が行きかう。四季折々の旬の素材を用いて、肉、魚、野菜などの煮物、焼き物、蒸し物、フルーツまで、朝から大満足のエネルギーチャージはうれしい限りだ。さらにランチ目当ての外来客も開店前からロビーラウンジに群れ、開店と同時に席が埋まる。気さくな江戸っ子らしいホテルは、室料も“バリュー・フォー・マネー”(納得の価格)として、高い満足度につながっている。

ホテル龍名館東京(HOTEL RYUMEIKAN TOKYO)

住所:東京都中央区八重洲1-3-22
電話: 03(3271)0971
客室:全135室
料金:¥20,000~(1泊1室の料金。サービス料・諸税込) 
 ※日によって料金が異なるため、要問合わせ
公式サイト

せきね きょうこ
ホテルジャーナリスト。フランスで19世紀教会建築美術史を専攻した後、スイスの山岳リゾート地で観光案内所に勤務。在職中に住居として4ツ星ホテル生活を経験。以来、“ホテル”の表裏一帯の面白さに魅了され、フリー仏語通訳を経て、94年からジャーナリズムの世界へ。「ホテルマン、環境問題、スパ」の3テーマを中心に、世界各国でホテル、リゾート、旅館、および 関係者へのインタビューや取材にあたり、ホテル、スパなどの世界会議にも数多く招かれている。雑誌や新聞などで多数連載を持つかたわら、近年はビジネスホテルのプロデュースや旅館のアドバイザー、ホテルのコンサルタントなどにも活動の場を広げている。
www.kyokosekine.com

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