BY HARUMI KONO

1 Hotel Tokyoは赤坂トラストタワー38階から最上階の43階部分。24室のスイートを含む全211室。客室のグリーンの総数は40種類、1,500鉢。ロビーだけでも300鉢のグリーンがゲストを迎える
サステナブルラグジュアリーホテル1 Hotels(ワンホテルズ) は、Baccarat Hotels(バカラホテルズ)、Treehouse Hotels(ツリーハウスホテルズ)の3つのブランドを擁するスターウッドホテルズのバリー・スタンリヒト氏が創設。2015年にフロリダ州マイアミとニューヨーク州マンハッタンで開業した。北米では環境に配慮するラグジュアリートラベラーから絶大な支持を得て、2023年にロンドンから始まり、ヨーロッパに進出。2026年3月、日本初となる1 Hotel Tokyo(ワンホテルトウキョウ)が東京ワールドゲート赤坂内、赤坂トラストタワーの38階から43階にオープンした。
建物は日本の環境性機能評価制度CASBEEにて最高ランクの「S」評価を得たもので、ホテル内には合計1,500を超えるグリーンがあり、窓の外には皇居の緑や東京タワーといった東京のスカイラインが広がる。1 Hotel Tokyoはまるで天空の森のようだ。

さまざまな種類のグリーンが安らぎをくれる「SKYLINE STUDIO」は東京タワービュー
「サステナビリティというと、無駄を省く、さまざまなものを最小限にすることを思い浮かべるかもしれません。ラグジュアリーとかけ離れているように思われますが、最高のものやサービスをスピーディにゲストにお届けすることがサステナブルラグジュアリーだと、私たちは考えています。たとえば、必要以上の肥料を使わずに栽培された野菜、自然な方法で育てられた食材がサステナブルであり、その食材で作られたできたての料理を味わうことがラグジュアリーではないでしょうか」と総支配人の小南正仁氏。これは、レストラン「NiNi」(ニニ)の食事そのものだ。カフェで抽出したあとのコーヒーグラウンズは、バーでラム酒に漬け込まれ「デザートカクテル」としてアップサイクルするなど、食品廃棄をなくすことは大前提で、小さな作り手が昔ながらの製法で作る塩を使い、東京で新たに農業を目指す人々が集う「東京NEO-FARMERS!」をパートナーにしている。その理由は、食材を作る人と技術に敬意を払うことがサステナブルであるという考えがベースにあるからだ。

1 Hotel Tokyo 総支配人
小南正仁氏
COURTESY OF 1 Hotel Tokyo

東京とフレンチリビエラの二つの海岸と二つの文化が交錯する「NiNi」は、自然のリズムを尊重するレストラン。一皿、一皿のストーリービハインドを知ると食事の時間がいっそう楽しくなる

こちらもレストラン「NiNi」の様子。夕刻から夜は照明を落として大人の雰囲気に。木曜から週末の夜はDJが入り、活気があふれる
©︎Shizuka Sherry
滞在で得る気づき

サイドテーブルに置かれたグリーンとワインボトルから作られたグラスとピッチャーがサステナビリティへの気づきのきっかけとなる
客室のグラスとピッチャーはワインボトル、紙製のハンガーは古い本や牛乳パック、壁に飾られた作品は建設時に使われた足場を解体したものなど、プロダクトは元の役割を終えて1 Hotel Tokyoでセカンドライフを送る。飲料水は部屋のウォーターステーションで蛇口をひねり、必要な分を飲む。浴室にある3分の砂時計は水の使用量を考えるきっかけとなり、世界には安全な水にアクセスできない人がいることを気づかせてくれる。
そして、”Now”と”Not Now”と描かれた石を使った“Do Not Disturb”のユニークな意思表示。石を置いた理由は、「ゲストに『最後に石を触ったのはいつですか』と問いかけると、多くの方が少し考えて『子供のとき』と答えます。石を触ることで自然の中で遊んだ記憶が蘇り、自分自身を振り返ることができるのです」と小南氏。滞在で得たサステナビリティへの気づきと自分を振り返る時間が、ホテルを出た後も日々の生活で活かされる。これこそが1 Hotel Tokyoで得る一番の財産ではないだろうか。

“Not Now”、裏側には”Now”と書かれた石を扉に置いて”Do Not Disturb”を伝える。プライバシーのスイッチもあるので石を出し忘れても慌てずに
1 Hotelsの環境への取り組みは滞在だけではなく”Mission”という形で継続する。世界の1 Hotels共通の”1 Less Thing”は、滞在の後に不要になった服を置いていけば、その衣類は慈善団体を通して必要な人に届けられる。また、スターウッドホテルズ全体の”Mission”では、宿泊費の1 パーセントがアメリカの環境分野の主要なNPO団体に寄付される。新規メンバー登録一名につき一本の植樹を行い、その数は既に96,000本を超える。この”Mission”は高名なビジネスメディア『Fast Company』誌の「2026年 世界を変えるアイデア」に選出された。
「東京は世界でも有数のエネルギーと創造性にあふれた都市です。一方で、そのスピードの中で、私たちは自然とのつながりや、自分自身と向き合う時間を見失いがちでもあります。1 Hotel Tokyoは、そんな都市の中にあるサンクチュアリーでありたいと考えています。私たちが目指しているのは、環境への配慮を意識させることではなく、より豊かで心地よい時間を提供することです。その結果として、自然との共生があると考えています。
東京にいらっしゃる際には、ぜひ1 Hotel Tokyoで、都市と自然が共存する新しいラグジュアリーを体験していただければ幸いです。皆さまをお迎えできることを楽しみにしております」と小南氏。1Hotel Tokyoでサステナブルラグジュアリーをぜひ体験してほしい。

前述のNiNiでは、日本ではまだ少ない天然炭によるジョスパーグリルオーブンを導入。素材の味を最大限に引き出す。パスタは全て自家製、デザートもNiNi自家製チョコレートバーや東京牛乳のシャーベットなど素材を知ることでサステナビリティへの理解が深まる

朝食からディナーまで食事を楽しむことができるNiNiではアフタヌーンティーも人気。週末はウィークエンドブランチを開催。(現在、朝食は宿泊ゲストのみ利用可)

眺めの良い場所にウェルネス設備があるのも大きな魅力。38階の室内プールは東京の空の下で寛ぐためにテラスを完備

ウェルネスのパートナーはイギリスのナチュラルブランド、バンフォード。「バンフォード ウェルネス スパ」(bamford WELLNESS SPA)では自然を感じるトリートメントが心身の緊張を解きほぐす
PHOTOGRAPHS:COURTESY OF 1 Hotel Tokyo
1 Hotel Tokyo
住所:東京都港区赤坂2-17-22
TEL:03-6441-3040(代表)
0053-165-0243(予約)
公式サイトはこちら
髙野はるみ(こうの・はるみ)
株式会社クリル・プリヴェ代表
外資系航空会社、オークション会社、現代アートギャラリー勤務を経て現職。国内外のVIPに特化したプライベートコンシェルジュ業務を中心にホスピタリティコンサルティング業務も行う。世界のラグジュアリー・トラベル・コンソーシアム「Virtuoso (ヴァーチュオソ)」に加盟。得意分野はラグジュアリーホテル、現代アート、ワイン。シャンパーニュ騎士団シュヴァリエ。
公式サイトはこちら
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