“アーティスト舘鼻則孝”を体感できる展覧会が開催

BY YUMIKO FUKUI

画像: 岡本太郎記念館にて COURTESY OF NORITAKA TATEHANA

岡本太郎記念館にて
COURTESY OF NORITAKA TATEHANA

 今世界からもっとも注目されている日本人アーティストのひとり、舘鼻則孝。東京藝術大学の卒業制作だったヒールレスシューズがレディー・ガガの目にとまり、一躍その名を世界中に知られることになった、というエピソードはあまりに有名だ。現在、アーティストとして展覧会を開催する一方で、日本の伝統工芸士との創作活動にも精力的に取り組んでいる。そんな舘鼻の作品を体感できる2つの展覧会がラインナップ中だ。

画像: COURTESY OF TARO OKAMOTO MEMORIAL MUSEUM

COURTESY OF TARO OKAMOTO MEMORIAL MUSEUM

 ひとつは、現在、岡本太郎記念館で3月5日(日)まで開催中の「舘鼻則孝 呪力の美学」。おそらく日本でもっとも知られている芸術家である岡本太郎。その記念館での作品展示というのは、ただの展覧会とはまったく意味合いが違う。記念館は岡本太郎そのもの。「死後20年たつのに、彼は生きてるんですよ、ここでは」と舘鼻自身も語る。単純に今までの作品を持ってくるだけでは成り立たない。ここでしか成り立たない作品があるべきだし、それが岡本太郎へのリスペクトという気持ちから、作品制作は、まず記念館の部屋の壁の色を赤にするところからスタートしたという。「太郎と向き合うということは、死、過去と向き合うということ。赤い部屋の赤=血の色は生を、黒壁の部屋では死を、それぞれ表現しているんです」。太郎と舘鼻がぶつかり合いながらも、最初からこの空間に存在していたかのように融和してもいる。まさにこの場所でしか体験できないアート、そしてアート空間だ。

画像: COURTESY OF KOSAKU KANECHIKA

COURTESY OF KOSAKU KANECHIKA

 一方、3月11日から開催されるのが舘鼻則孝展「CAMELLIA FIELDS」。会場は新しくオープンする気鋭の画廊KOSAKU KANECHIKA。メインの新作展示「カメリア・フィールズ」は、720個もの手彩色された鋳物製の椿を敷き詰めた大型のインスタレーションだ。舘鼻が育った鎌倉の風景から着想を得たもので、日本独特の死生観を表現したもの。岡本太郎記念館での展示と通じ合うテーマでもあり興味深い。こちらの会期は4月28日まで。

岡本太郎記念館
住所:東京都港区南青山6-1-19
時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
定休日:火曜休館 
電話:03(3406)0801
公式サイト

KOSAKU KANECHIKA
住所:東京都品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex 5F
時間:11:00~18:00(火・水・木・土)、11:00~20:00(金)
定休日:日・月・祝日休廊
電話:03(6712)3346
公式サイト

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