国内外で注目を集めるライゾマティクスの個展『ライゾマティクス_マルティプレックス』、写真家・川内倫子の新作シリーズを見せるソロエキシビション。そして、ファッションブランド、アンリアレイジの活動を総覧する企画展。開催中の3つのアート展の見どころを紹介する

BY MASANOBU MATSUMOTO

川内倫子 個展『Under the same sky』|MA2 Gallery

 写真家・川内倫子の新作シリーズの被写体は、ツバメだ。コロナ禍により日常が激変した2020年4月、川内は、自宅近くでツバメの巣を発見し、そこでの子育ての様子を撮影した。展覧会に寄せたコメントで、川内は「黙々と餌を運ぶ親ツバメを見ていると、ただ子供にご飯を食べさせることが、それだけでも親の役目は十分に果たしているよね、とシンプルに思わせてもらえて、なんだか励まされるような気持ちになり、塞いだ気持ちが晴れていくようだった」と当時の心境を振り返っている。

画像1: 《Untitled》(from the series of “Under the same sky”) 2021年

《Untitled》(from the series of “Under the same sky”) 2021年

画像2: 《Untitled》(from the series of “Under the same sky”) 2021年

《Untitled》(from the series of “Under the same sky”) 2021年

 黄色い口を大きく開けて、餌を催促するひな鳥。上空でダンスをするようにくるっと回旋する成鳥ーーそういった春の“あたりまえ”の風景を、川内は、巧みな構図、淡く柔らかいトーンで、繊細に詩情豊かに映し出した。なお、会場ではツバメのひなを捉えた映像作品も展示。終始、甲高いひな鳥の声が音楽のように空間に響き渡り、ツバメたちの生命力を強く実感させる。

画像: 《Untitled》(from the series of “Under the same sky”) 2021年 PHOTOGRAPHS BY RINKO KAWAUCHI

《Untitled》(from the series of “Under the same sky”) 2021年
PHOTOGRAPHS BY RINKO KAWAUCHI

 鳥は、近年の川内作品における重要なモチーフのひとつでもある。2011年には、東日本大震災の被災地で出会った、白と黒のつがいの鳩を捉えた『Light and Shadow』、2014年には、空に絵を描くように大群で舞う野鳥を撮影したビデオ作品『Seeing Shadow』を発表。これらの作品も本展で鑑賞できる。そこに映し出される、人間とはまた違う原理、価値観で生きる鳥の様子は、この世界がまだまだたくさんの美しさと神秘に満ちていることに気づかせる。

川内倫子 個展『Under the same sky』
会期:~ 7月3日(土)
会場:MA2 Gallery
住所:東京都渋谷区恵比寿3-3-8
開館時間:12:00~18:00
休館日:日・月曜、祝日
電話:03(3444)1133
公式サイト

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