BY MASANOBU MATSUMOTO
『ライゾマティクス_マルティプレックス』|東京都現代美術館
ビョークやスクエアプッシャーのミュージックビデオ、Perfumeのステージ演出、狂言師・野村萬斎と協業したパフォーマンスなど、いわゆるメディアアートの範疇を超え、多様な表現活動を展開してきたライゾマティクス。東京都現代美術館で開催中の『ライゾマティクス_マルティプレックス』は、彼らの15年にわたる活動を総覧する企画展だ。新作や過去の代表作のアップデート版、またこれまで開発してきたデバイスの実物も展示。作品化されなかった“トライアル&エラー作品”も見せる。
![画像: Perfume《Reframe 2019》2019年[参考図版] PHOTOGRAPH BY YOSUKE KAMIYAMA](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783302/rc/2021/04/22/8ad5824eb4b5dba02658dabc0414cfa196d65acb_large.jpg#lz:xlarge)
Perfume《Reframe 2019》2019年[参考図版]
PHOTOGRAPH BY YOSUKE KAMIYAMA
新作のひとつが、ダンスカンパニー「ELEVENPLAY」とコラボレーションした《Rhizomatiks×ELEVENPLAY “multiplex”》。ダンサーの動きをモーションデータ化し、映像プロジェクションや動くロボティクスとともに構成したインスタレーションだ。こうしたデータを抽出し、プログラムやデバイスを通じて、音や映像など体感できるものに変換してみせる“データドリブン”な作品づくりも、近年のライゾマティクスの特徴だ。

《Rhizomatiks × ELEVENPLAY “multiplex”》2021年、「ライゾマティクス_マルティプレックス」展示風景(東京都現代美術館、2021年)
PHOTOGRAPH BY MURYO HOMMA (RHIZOMATIKS)

《particles 2021》2021年 「ライゾマティクス_マルティプレックス」展示風景(東京都現代美術館、2021年)
PHOTOGRAPH BY MURYO HOMMA (RHIZOMATIKS)
最後の展示室《Epilogue》では、展示作品がどう形作られ、どのようなプログラムで制御されているのかも明かす。またオンライン会場を設置。展覧会場を3Dモデルで再現し、鑑賞者がウォークスルーするような擬似体験ができるほか、来場者の位置データを取得し、美術館での人の動きや導線をリアルタイムにビジュアル化するという試みも実施している。