姿勢を正せば、たるんだ顔も解決?!歯科医ならではのアプローチで老け顔を予防する「宝田式エクササイズ」の発案者で「宝田歯科」の院長、宝田恭子さんによる簡単トレーニングは必見!美容ジャーナリスト・毛髪診断士の伊熊奈美が、大人におすすめのヘアサロンやクリニックを実感ルポする連載第2回

BY NAMI IKUMA

画像: 地元の人々が行き交う東京都江戸川区・小岩商店街の一角にある「宝田歯科」。宝田恭子院長直伝の表情筋エクサイズは、すぐに効果を実感できるものも!

地元の人々が行き交う東京都江戸川区・小岩商店街の一角にある「宝田歯科」。宝田恭子院長直伝の表情筋エクサイズは、すぐに効果を実感できるものも!

予定通りの老化を迎えないために、心を鍛える

 東京・江戸川区で地域密着型の歯科医院「宝田歯科」の院長を務める宝田恭子先生は、日々老若男女の患者さんと向き合う一方で、表情筋トレーニングの第一人者として著書やメディアを通じて全国の女性たちにその名を知られている。
 それだけに、そのお顔も異次元のレベルで若々しい。お会いするのは9年ぶりだが、信じられないほどまったくお変わりがないので、正直、度肝を抜かれた。つい最近70歳になられたというが、私はこんなにもいきいきとナチュラルな美しさをもつ70代に会ったことはない。

画像: 自然な笑顔が魅力的な歯科医の宝田恭子先生。この肌のハリ、シャープなフェイスライン…...ご本人の姿こそ、トレーニングを継続することの確かな答えだ

自然な笑顔が魅力的な歯科医の宝田恭子先生。この肌のハリ、シャープなフェイスライン…...ご本人の姿こそ、トレーニングを継続することの確かな答えだ

 9年前にお会いしたときは「シワを撃退する」という取材テーマで表情筋のセルフエクササイズを教わり、「やるぞ!」と決めたにもかかわらず続けられず。いったいどうしたら習慣化できるのか。「継続できないのは意志の問題だけではなく、それ自体がエイジングであるともいえます。新しい習慣を定着させる力は、年齢とともに落ちていくからです」。
 だからこそ、宝田先生は常に10歳上の人をロールモデルとして観察し続けてきたという。「私の10歳上、今の80代前半くらいの方は、元気に健康を保っている方がとても多いんです。みなさんに健康の秘訣を聞くと『特にないけど、まめに動くってことくらいかな?』といいます。『動かないほうが気持ちが悪い』のだそうです。要は、“面倒”とか“今日はいいか”をいかに減らすか。それが心を鍛えることであり、予定通りの老化を迎えない秘訣だと思います」

50・60代から鍛えるべきはまず背中!

画像: 待合室には順番を待つ間に知らず知らずに読んでしまう宝田先生手書きのエクササイズ指導が。体の仕組みとエクササイズの理論が記載され、腹落ちするため、継続しよう、という気になる

待合室には順番を待つ間に知らず知らずに読んでしまう宝田先生手書きのエクササイズ指導が。体の仕組みとエクササイズの理論が記載され、腹落ちするため、継続しよう、という気になる

 そんな宝田先生がここ10年で意識して鍛えてきたのは、背筋、つまり姿勢をよくすることだ。「60歳のときに肩を痛めて、背骨専門の有名な整形外科の先生のもとでレントゲンを撮ったところ、『還暦でストレートネックじゃない歯医者って、何十年ぶりに見たかな〜』と褒めてもらい、うれしくなっちゃって(笑)。70代では20代に比べて40%も背筋が落ちるようで、姿勢が悪くなる原因はこれ。歯科医は職業柄、猫背になりやすいのですが、このときあと10年、せめて70歳までは背筋をピンとしていようって決めたんです」 
 ところで「背筋ピン!」とはどういう状態のことなのだろうか。なんとなく疲れそうな気がするが、「姿勢がいいというのは、いちばん楽な立ち方をすることなんです」。やってみると確かにリラックスできるし、腰も疲れない。そうか、姿勢がいいということは、実はとても心地よいことだったんだ!

【プチトレ①】ラジオ体操第一の最初の動作で背筋ピン

1. 口からゆっくりと息を吐き切る
2. 鼻から思い切り息を吸いながら両手をゆっくりと頭の上まで上げる
(これで鎖骨がまっすぐになり、自然と背中が伸びる)
3. 手をゆっくり返す
4. そのまま腕を下ろす(肩甲骨が真下に下がり、胸骨が開く)。この姿勢が背筋ピン!
▶4が終わると自然と上を向くような姿勢になる。1日1回でOK。

ラジオ体操第一の1つめってこんなに気持ちよかったっけ? 一回行うだけで肩甲骨が動いてすっきりする!

【プチトレ②】背筋がピンとするふだんの座り方

1. 椅子に浅めに腰かける
2. 脚をそろえ、足先を20センチほど引っ込める
▶座るときはいつでもこの脚の位置で自然と背中がピン!腹筋も強化できる。

背もたれにもたれず脚を引くだけ。この取材以降、原稿を書いている最中もこの姿勢が自然にできるようになってきた

姿勢でせっかくのたるみ治療もムダになることも…...

 そして、姿勢が悪いと、実は顔がたるむのだ。「前屈みの姿勢を10秒続けるだけで、姿勢がいいときよりも下側の歯が内側に入っていくんですよ。ちょっと実験してみましょう」
 背筋を伸ばした状態で、10回咀嚼。その後10秒間、前かがみの姿勢でスマホを触ってから、再度10回咀嚼。すると最初のときより歯の噛み合わせが少しだけズレて、下の歯が当たる位置が奥に引っ込んだことがわかる!「でしょう?こんなふうにいつも下を向いて猫背でいると、下あごがちょっとずつ、ちょっとずつ内側に引っ込んでいくんです。すると、顔の表面では皮膚が余ってたるみができてしまいます。美容皮膚科の注射などでふっくらさせても、姿勢が変わらなければまたたるんでしまうんです」。

スマホを見るような前屈みの姿勢を続けると、模型のように、下あごが内側(奥)にずれた状態に

 下あごが引っ込むことは、単に見た目だけの問題ではない。舌も奥へと下がっていくため、のどの奥の空間が狭くなり、やがては気道が確保しにくくなり、嚥下ができなってくる。睡眠時無呼吸症候群や、年をとっていびきをかくようになったという人はここに原因がある。私は不意に咳き込むことがあるのだが、それこそ、嚥下の力が弱まっている証拠だと宝田先生は指摘した。「下を向いていると、つばを飲み込みにくいでしょう。立っていても座っていても美しい姿勢をキープするってことは“機能”と“きれい”を両方ゲットできるってことよ」。
 スマホを使うときは、せめて下を向くことをやめ、高い位置でもつようにしよう.....。

やればすぐ変わる! たるみ防止トレーニング

 そこで有効なのが表情筋トレーニングだ。表情筋は速筋群というすぐに効果が出やすいタイプの筋肉だから、やればすぐに効果が上がるが、消えるのも早い。「8時間くらいしかもたないので、毎日やること。そして全力でやることが大切。私の患者さんはトレーニングで嚥下力が上がったり、フェイスラインが上がる人がたくさんいますよ」。
 まずは誤嚥予防のトレーニングとして日本歯科医師協会でも認定されている「パタカラトレーニング」。宝田先生がアレンジした進化版は、顔の筋肉にも多くの効果が見込める。こんな人におすすめだ。

・あごがたるんでいる
・人中(鼻の下のくぼみ)が伸びて上唇が薄くなった
・上下の噛み合わせが変わり、下あごが引っ込み始めた
・いびきや睡眠時無呼吸症候群がある

など。たるみだけでなく、最近のメイクワザとして人気の「人中短縮」までできるとは! さっそくトレーニングしてみよう。

【プチトレ③】誤嚥予防+たるみ防止トレーニング(パタカラ進化版)

  1. 鼻の下にペンを挟んで10秒間キープする

2. ペンを外し、なるべく早く「ぱぱぱぱぱ」と発声する
▶何もしないで「ぱぱぱぱぱ」と発声するよりも、この「ペン挟み」を行なってからのほうが滑舌よく力強く発声できる。

 また、誤嚥予防と同時に目袋のたるみがおさえられるトレーニングもある。

【プチトレ④】誤嚥予防+たるみ防止トレーニング(目袋のたるみ予防版)

1. 鼻から大きく息を吸う
2. 姿勢を正し、お腹に力を入れて両手を当て、
3.口をタテに開いて「あーーーーー」と息がきれるまで発声し続ける

4.つばを飲み込む(飲み込みやすくなることを実感!)
▶ 目の周囲を囲む眼輪筋の下側をよく使う体操としても有効なので、目袋のたるみ予防に効果的! 口腔内の容積も上がるので、舌や頬の内側を誤って噛むことも少なくなる

 口角が下がり、マリオネットラインが気になる場合は「広頸筋トレーニング」もおすすめだ。広頸筋はあごの下から鎖骨や胸元にかけて首の前面を広く覆う大きな筋肉で、顔たるみの運命を握っている筋肉ともいえる。

【プチトレ⑤】マリオネットライン撃退! 広頸筋トレーニング

1.まずは左の腕を肩から一直線にまっすぐ伸ばし、手首を下向きに曲げ、首を右に傾けて、左の首筋を伸ばしきる
2. 右手で左の鎖骨を抑える(広頸筋の起始部)
3. 腕を伸ばしたまま、90度前方に動かす→元の位置に戻すを10回ほど繰り返す。このとき鎖骨がしっかりと動いていることを確認しながら全力で動かすこと

4. 反対側も同様に行う
▶始める前と後で鏡を見ると、明らかな違いが出るので、やる気アップ! こちらも効果は8時間程度。毎日続ければ美容皮膚科もいらないほどに!

 「こういう運動を後回しにすると、やっぱりきれいにはなれないんです。でも、やれば “体の機能”と“きれい”が両立できます。私はもちろん毎日全力でやっていますよ」と宝田先生。このトレーニングは背中の大きな筋肉、僧帽筋にも働きかける上に、肩甲骨も動かせるので、嚥下、肩こり、顔のたるみなどに有効といいことづくめだ。
 台所に立つたびに、隙間時間でスクワットや骨密度アップのためのかかと落としなども日課なのだそう。一瞬たりとも無駄にしない宝田先生の全力パワーに勇気づけられる。

口の中からも、老化をリセット!

 最後に大人世代の歯科ケアについても話を聞いた。定期検診は3ヶ月に一度を推奨。虫歯のチェックと歯石をとるだけでなく、徹底的に歯の磨き方も指導してもらうとよいという。「歯の裏側や奥歯の向こう側などはとても磨きにくいので、衛生士さんなどからしっかり指導を受けてほしいのですが、自分の歯にあったグッズなどを使うことも大切です」。

画像: 9年前でお会いしてすすめられたときから、私の歯ブラシはずっと「マルケンブラシ」ひと筋。極細でやわらかいので歯茎を傷めず、歯間のかなりの部分まで一本で磨ける。ペーストは宝田先生監修のもので、研磨剤無添加の「薬用ブラスクラブ」。心地よいハーブの香りでこれもお気に入り

9年前でお会いしてすすめられたときから、私の歯ブラシはずっと「マルケンブラシ」ひと筋。極細でやわらかいので歯茎を傷めず、歯間のかなりの部分まで一本で磨ける。ペーストは宝田先生監修のもので、研磨剤無添加の「薬用ブラスクラブ」。心地よいハーブの香りでこれもお気に入り

 下唇の裏側の歯茎マッサージもおすすめだそう。歯茎の酸素飽和濃度が上がり、歯茎がしまって歯周病を防ぐ。歯周病の炎症から生まれる酸化ストレスが歯の土台を弱らせるからだ。

画像: 歯茎マッサージは、指の腹で唇と歯茎の境目をなぞるように中心に向かって動かす(写真の矢印のようなイメージで、上下とも)。歯間の歯肉にも触れるようにするとよい

歯茎マッサージは、指の腹で唇と歯茎の境目をなぞるように中心に向かって動かす(写真の矢印のようなイメージで、上下とも)。歯間の歯肉にも触れるようにするとよい

数秒の習慣が、10年後の自分を変える

「自分で少しずつリセットしていくことで、毎日の加齢変化の幅が小さくなる。すると、快適に『話す』『食べる』『飲みこむ』をコントロールできるようになる。それが“予定通りの老化”をさせないことにつながるんです」。
 背中をピンと伸ばす、表情筋トレーニングをする、徹底的な歯磨きと歯茎をマッサージする。どれも1日の中の数秒から数十秒、ジムに行く必要もなく、機能ときれいが自然に輝き続ける習慣だ。まずは「面倒がらない」ことを念じながら、9年越しの再挑戦。宝田先生の70歳が、何より雄弁な答えだ。10年後の自分を想像しながら…...!

画像: 左の写真は、9年前の宝田先生(左)と私(右)の写真。人は60〜70代になるとき、こんなに変わらずにいられるものなのでしょうか…。自分は明らかに…たるんでいる。これを機に、今日から顔のたるみをストップするぞ!

左の写真は、9年前の宝田先生(左)と私(右)の写真。人は60〜70代になるとき、こんなに変わらずにいられるものなのでしょうか…。自分は明らかに…たるんでいる。これを機に、今日から顔のたるみをストップするぞ!

 宝田先生は、「宝田歯科」での診療に加えて、都内で「顔面地滑りをくい止めるトレーニングセミナー」も定期的に開催している。興味がある人は公式サイトからぜひチェックを。

宝田歯科
住所:東京都江戸川区南小岩7-29-17サザンコート1階
診療時間:月・火・木 10:00~12:00 14:00~18:00
水 10:00~12:00
金 10:00~12:00 14:00~19:00
土 10:00~13:00
休診日: 日、祝日 
TEL. 03-3657-4525
公式サイトはこちら

画像: 伊熊奈美 美容エディター、ジャーナリスト。(公社)日本毛髪科学協会毛髪診断士認定指導講師。20年以上に渡り、女性誌を中心に美容分野の記事を編集、執筆、監修。美容関連企業のコンサルティングにも携わる。著書に『頭皮がしみる、かゆいは危険信号!いい白髪ケア、やばい白髪ケア』(小学館)、『脱白髪染めのはじめかた〜でもいきなりグレイヘアは無理』(グラフィック社)がある。 @namiikuma_hairista COURTESY OF NAMI IKUMA

伊熊奈美
美容エディター、ジャーナリスト。(公社)日本毛髪科学協会毛髪診断士認定指導講師。20年以上に渡り、女性誌を中心に美容分野の記事を編集、執筆、監修。美容関連企業のコンサルティングにも携わる。著書に『頭皮がしみる、かゆいは危険信号!いい白髪ケア、やばい白髪ケア』(小学館)、『脱白髪染めのはじめかた〜でもいきなりグレイヘアは無理』(グラフィック社)がある。 @namiikuma_hairista
COURTESY OF NAMI IKUMA

ヘッドスパサロン連載ほか、伊熊奈美の美容記事 一覧へ

▼あわせて読みたいおすすめ記事

T JAPAN LINE@友だち募集中!
おすすめ情報をお届け

友だち追加
 

LATEST

This article is a sponsored article by
''.