BY TOMOKO MANO, PHOTOGRAPHS BY SHINSUKE SATO
暑さも山場を迎える8月。今年の猛暑はまだまだ続きそうですが、夏休み、お盆休み、帰省など、子どもたちを交え、家族や友人が集まってにぎやかに過ごす機会も増えるときです。そんな折の手土産や贈りものは、涼しさを運び暑さを癒してくれるものを。中でも透明感のあるスイーツは、目にも涼しく口当たりも優しい。夏の思い出を甘く爽やかに彩ります。
和菓子の魅力は、季節の巡りを多種多様なアイデアと技術で表現しているところにある。夏には夏の色使い、佇まいがあり、そのユニークな発想や素材使いに思わず笑みがこぼれることも。洗練された甘さに冷たいお茶の組み合わせは、暑さに疲れた体を癒す味わいとともに、色合いの美しさも癒しを与えてくれる。
とらやの夏季限定の「水の宿(やどり)」は、白道明寺羹と青琥珀羹を組み合わせた羊羹。青琥珀羹は陽に照らされてきらめく渚や泉を思わせ、白道明寺の部分は清流のようにも見え、まさに夏の風景を写しとったようなデザインだ。透き通った水色は太くカットすると色濃く、薄くカットするとより淡い色合いに。好みにカットして自分だけの夏の水辺を楽しみたい。
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丸くて艶やかな琥珀飴は、江戸時代より400年近く続く「髙橋孫左衛門商店」によるもの。夏目漱石の「坊ちゃん」に登場する笹飴を、今なお作り続けていることでも有名だ。そんな老舗が手がけるこの琥珀飴は、すりガラスのように透き通っている。名前に“飴”と付いていることもあり、一見硬い飴かと思わせるが、実際は弾力があり柔らかい。全体を包む薄いゴムを先の尖ったものでぷつりと刺すと、ぷるんと琥珀飴が出てくる。今の時期は冷たくして食べるのがおすすめだが、さらに凍らせて牛乳やワインと混ぜながら食すと、シンプルな甘さとシャリシャリとした食感が相まって、夏の格別なスイーツに。
問い合わせ先
髙橋孫左衛門商店
TEL. 025(524)1188
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箱の蓋を開けた瞬間、思わず歓声を上げてしまうキュートなルックスの「串かし 〜こはくだんご〜」は、干琥珀菓子を串団子のように見せたポップな京菓子。黄色はレモン、水色はハッカ、黄緑はゆず、と色によって味わいが異なるが、味は季節によって変わるので、どんな味が並んでいるか店頭を訪れるのも楽しみのひとつ。遊び心のあるお菓子は、夏の思い出とともに記憶に刻まれる。お抹茶や冷茶といただけば、夏の昼下がりにほっとひと息。
問い合わせ先
俵屋吉富
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