主演映画『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』が4月25日に公開される萩原利久。彼が演じる人間味あふれる人物像は、どのように生み出されるのか。26歳になり、ますます演技に磨きがかかる萩原の、ウェブオリジナルインタビューをお届けする。

BY MICHINO OGURA, PHOTOGRAPH BY FUMIKO SHIBATA, STYLED BY SHINYA TOKITA, HAIR&MAKE-UP BY EMIY AT THREE GATEEE LLC.

 俳優・萩原利久が主演を務める映画『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』は、コントに定評のあるお笑いコンビ「ジャルジャル」の福徳秀介が2020年に上梓した恋愛小説がベースになっている。萩原が演じるのは疎外感を感じながらも、日々をやり過ごす大学生の小西徹。“セレンディピティ”が重なり出会った、同じ大学に通う女子生徒・桜田花(河合優実)や小西のバイト仲間“さっちゃん”(伊東蒼)、大学の唯一の友人・山根(黒崎煌代)など、個性的な若者たちの日常が交わり、ドラマティックなラストシーンへと続いていく。

画像: 萩原利久(はぎわら・りく)●1999年、埼玉県生まれ。2008年にデビュー。社会現象にもなったドラマ『美しい彼』で一躍脚光を浴びる。映画『ミステリと言う勿れ』(2023)や、ドラマ『真夏のシンデレラ』など話題作に出演が続く。2025年には映画『花緑青が明ける日に』の公開を控えている。NBAのチームであるゴールデンステート・ウォリアーズとプレミアリーグのチームであるマンチェスター・シティFCの大ファン ニット¥225,500・シャツ¥264,000・シューズ ¥225,500(全て予定価格)・パンツ¥715,000(参考価格)/プラダ プラダ クライアントサービス TEL.0120-45-1913

萩原利久(はぎわら・りく)●1999年、埼玉県生まれ。2008年にデビュー。社会現象にもなったドラマ『美しい彼』で一躍脚光を浴びる。映画『ミステリと言う勿れ』(2023)や、ドラマ『真夏のシンデレラ』など話題作に出演が続く。2025年には映画『花緑青が明ける日に』の公開を控えている。NBAのチームであるゴールデンステート・ウォリアーズとプレミアリーグのチームであるマンチェスター・シティFCの大ファン

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 萩原は主人公、小西徹を演じるにあたって気をつけていたことがあった。「友達も少なく、キャンパス内ではいつも日傘をさしている大学生という、僕の体感で言うと要素の多い人物。でも、彼をそういうわかりやすいキャラクターで演じてしまうのは得策ではないと感じました。演技を通してひとりの人のことを説明する時、イメージと直結しやすいものを立てすぎると、どうしても外枠ばかりにフォーカスが当たってしまう。晴れでも雨でも大学の構内で傘をさしているのって僕の日常からするとイレギュラーな行動なのですが、小西にとってはそれが日常。なので、なるべくキャラクター性を追うのではなく、彼が自然とそこに生きているように見せられたらと思っていました」。

 小西と桜田が京都水族館を訪れるシーンがある。そこでそれまで小西が抱えていた悲しい思い出を告白することで、ふたりの気持ちが通い合う。抑えきれない感情を吐露し、自分の弱さに気がつく小西に、安易に寄り添わない桜田の凜とした強さも印象的だった。原作の中でたびたび触れられている小西の“女々しさ”を萩原はどう捉えていたのだろうか?
「そこをあえて意識してやっていたとは思わないです。“女々しい”って、多分男性と女性の視点でも違うし、個々で感じ方が異なりますよね。あのシーンを観て、小西そのものが“女々しい”と思う人もいるだろうし、そう思わない人もいるかなと。ある程度、自由に感じるように観る人に委ねてもいいと思っています。人間と人間のナイーブな部分がお互いの対話を通して浮かびあがってくるのがこの作品の良さ。そこが人によっての共感度が異なってくる点でもあると思いますし。解釈がひとつになってしまわないように、僕は気をつけていました」

あるシーンの撮影以降、アプローチを変えることができた

 プロダクションノートによると、「とにかく芝居ができる人」がキャスティングの肝だったという。小西を演じる萩原をはじめ、ヒロイン桜田役の河合優実、“さっちゃん”役の伊東蒼と演技派の若手俳優がスクリーン上でヒリヒリとした演技を重ねる。
 彼らの巧みな掛け合いに誘われるうちに、さまざまな感情が呼び起こされ、ラストまで一気に引き込まれていく。「“さっちゃん”による約10分間におよぶ独白シーンは印象的でした。その場にいて何もできなかった小西は、スタッフからの評判も本当に悪くて(笑)。僕個人の意見としても、もうちょっとなんとかなったんじゃない?と思うぐらい。決して短いシーンではないので、一個一個がすごく残っています」。小西と桜田のやり取りにも注目してほしい。「小西と桜田さんは、前半ではひとつずつステップを踏んで仲良くなっていきます。河合さんが演じる桜田さんは、彼女が喋っているのをもっと聞いていたくなるというか、小西との掛け合いがとにかく面白いんです」

画像: 機微を捉えた演技に定評のある萩原。いっぽうで、いま芽吹いたばかりのようなフレッシュさも感じさせる彼の佇まいにはプラダのクリエイティブなスタイルがフィット。

機微を捉えた演技に定評のある萩原。いっぽうで、いま芽吹いたばかりのようなフレッシュさも感じさせる彼の佇まいにはプラダのクリエイティブなスタイルがフィット。

 物語の終盤、萩原と河合の長台詞による見せ場がある。大九明子監督から「小西を守らなくていい」と助言を受け、「お芝居の装備が3個ぐらい外れた」と振り返る。「最後のシーンに至るまではほぼ物語の流れに沿って、3日間ぐらいかけて撮影しました。河合さんが長台詞を言う場面を目の当たりにしながら、次は自分の番だという意識も高まっていきました。会話であれば掛け合いのリズムなどが作用することがありますが、僕の台詞は一方的に喋り続けるもの。誰も助けてくれないという状況。監督のひとことで、考えることをやめて、本当に目の前で起きていることだけを100%見ることができて、雑音がない感覚になったんです。これは初めての体験でした」。つかみどころのない小西に丁寧に寄り添い、殻を破っていく。萩原の機微を捉えた演技から目が離せなくなるはずだ。

画像1: Ⓒ2025「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」製作委員会

Ⓒ2025「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」製作委員会

今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は
4月25日(金)よりテアトル新宿ほか全国公開
公式サイトはこちら

画像2: Ⓒ2025「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」製作委員会

Ⓒ2025「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」製作委員会

画像3: Ⓒ2025「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」製作委員会

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