期待の若手デザイナー、
モリー・ゴダードの凱旋

Molly Goddard, a Young Design Star at Home at the V&A Museum
地元ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館でショーを開催したデザイナーのモリー・ゴダード。ショー開催の数日前、懐かしい"古巣"を彼女が訪ねた

BY KIN WOO, PHOTOGRAPHS BY JAMIE STOKER, TRANSLATED BY CHIHARU ITAGAKI

 最後に彼女が訪ねたのは、セインズベリー・ギャラリーだ。建築家のアマンダ・レヴェットの手がけた1100メートル四方の展示スペースで、ここが彼女のショーの会場になる。このギャラリーは広く、モダンで洗練されていて、ところ狭しと展示物の並んだV&Aのほかのギャラリーとはまったく対照的だ。「私が好きなのは散らかっていてもっとキッチュな世界観だから、ここもそういう風にするつもり」とモリー。

V&Aの常設コレクションの有名な作品が、モリーのショーのセットのイメージソースとなったこともある。「スコットランド・ファイフ地区にあるジョージ・メルヴィル邸のベッド」もそのひとつだ。赤い布張りで華麗な天蓋付きの四柱式ベッドで、モリーの母はエアベッドを使ってこれを再現した。

画像: 彼女のファッションショーは、セインズベリー・ギャラリーで開催される最初のショーとなる。この新しい展示スペースは、1100メートル四方の洗練された格納庫とでもいうべき地下空間で、今後は企画展に使われる予定だ。モリーと、セットデザイナーである彼女の母は、ここも今までのショー会場と同様に独創的で強い世界観を伝える舞台に変えるつもりだ

彼女のファッションショーは、セインズベリー・ギャラリーで開催される最初のショーとなる。この新しい展示スペースは、1100メートル四方の洗練された格納庫とでもいうべき地下空間で、今後は企画展に使われる予定だ。モリーと、セットデザイナーである彼女の母は、ここも今までのショー会場と同様に独創的で強い世界観を伝える舞台に変えるつもりだ

 ショーでは、今回のために特別に制作された新作6アイテムのほか、過去のアーカイブも登場する予定。この「グレイテスト・ヒッツ」を選ぶために、モリーと妹は昔のコレクションの絵型を切り取って、異なるルックとごちゃ混ぜにした。「どれとどれを合わせてもいい感じになるのが面白いわ」とモリー。「新しいことを始める前に、今まで私たちがしてきたことを振り返って讃えているようなものね」

画像: 博物館に向かう途中にあるハイド・パークで、モリーはヘンリー・ムーアによる石灰華でできた彫刻「門」に魅了された。これは高さ6メートルのアーチ状の作品で、ロング・ウォーター池の北岸にある

博物館に向かう途中にあるハイド・パークで、モリーはヘンリー・ムーアによる石灰華でできた彫刻「門」に魅了された。これは高さ6メートルのアーチ状の作品で、ロング・ウォーター池の北岸にある

画像: 観光客の一団がインコに餌をやろうとしているのを見てモリーも豆を差し出したが、あまりインコの興味を引かなかったようだ

観光客の一団がインコに餌をやろうとしているのを見てモリーも豆を差し出したが、あまりインコの興味を引かなかったようだ

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