BY OGOTO WATANABE, PHOTOGRAPHS BY SHINSUKE SATO
どんなスタイルにもさりげなくマッチするベーシックで上質な日傘も必要だし、持っているだけで気分が高揚し、着こなしにアクセントを添える特別な日傘も欲しい…… 。よくばりなニーズに応える厳選アイテムをピックアップ。
<FOX UMBRELLA(フォックス・アンブレラ)>
1868年、ヴィクトリア朝時代のロンドンで創業した「フォックス・アンブレラ」。傘の骨にクジラ骨を使用していた時代に、いち早くスティールを使用した。また第二次世界大戦中にパラシュートの製造に携わった経験を活かし、生地部分にシルクに替わりナイロン素材を導入するなど、傘の歴史を牽引してきたブランドだ。
極細に巻ける、重すぎない、開いたときのフォルムも均整がとれるという理由からフォックスの傘は8本骨を使用。閉じても開いても美しいフォルムには、英国紳士淑女の美意識が凝縮されている。
問い合わせ先
ヴァルカナイズ・ロンドン
TEL. 03(5464)5255
公式サイト
<Tabrik(タブリク)>
「タブリク」は、京都の亀岡にアトリエを構える手島紋さんが作る服のブランドだ。手島さんはコットンやリネンなどの天然素材を墨や泥やコーヒー、種まきから手がけた藍などで染めあげ、独特の色味と風合いを持つ生地をつくり、さらに手仕事を重ね、その生地を服に仕立てていく。
彼女のオリジナルのテキスタイルを用いて、京都の老舗の傘職人が手作業で仕上げたのが、こちらの日傘。味わい深い布は高密度で厚みもあり、開けばピンと張って頼もしい。栗の木を特殊な技術で曲げた持ち手は、手にしっくりとなじみ、使い心地がよい。たくさんのこだわりが詰まったアンティークのような風情の美しい日傘を、夏の装いの主役に。
問い合わせ先
アリス デイジー ローズ(タブリク)
TEL. 03(6804)2200