"タベアルキスト"のマッキー牧元が案内する東京の絶品中国料理。読むほどに、いますぐ中国料理が食べたくなる!

BY MACKEY MAKIMOTO, PHOTOGRAPHS BY MASAHIRO GODA

ほかの30代シェフの店も人気である。

「ミモザ」の南シェフは、新宿の上海料理の名店「シェフス」の料理長を経て、独立をされた。清潔感に富んだモダンな店内はじつに居心地がよく、女性を伴っても喜ばれそうな空間である。ここでは、上海で毎日食べられている家郷菜を中心に、季節の食材を生かした軽快な料理がいただける。

 甘鯛の、ねっちりと舌に甘えるようなうま味がにじみ出たスープに、細切りの豆腐干を入れた、滋味が細胞に染み渡っていくかのようなスープ料理。梅干しの酸味が豚肉をより甘く感じさせる、「中国干し梅入り酢豚」。大根の甘みと金華ハムのうま味が詰まった、「金華ハム包み揚げ」。豚脂、りんご、氷砂糖を入れた煮汁という、三種の異なる甘みが交差して、思わずご飯をかき込みたくなる、「上海式紅焼肉 皮付き豚の角煮」など、いずれも口にするだけで、自然と顔が崩れてしまう料理である。

画像: 砂糖漬けの干し梅の甘みと酸味がクセになる、シェフオリジナルの「中国干し梅入り酢豚」

砂糖漬けの干し梅の甘みと酸味がクセになる、シェフオリジナルの「中国干し梅入り酢豚」

画像: 「アニスソースの炒麺」。南シェフの作る上海料理は、やさしく温かく、また訪れたくなる力がある

「アニスソースの炒麺」。南シェフの作る上海料理は、やさしく温かく、また訪れたくなる力がある

 ワインの揃えもよく、料理の基本はアラカルトなので、大人数でも二人でも、自由に利用できる面もいい。締めには、カリカリに焼いた麺に、八角の甘い香りのするしょうゆソースをからめて食べる「アニスソースの炒麺」か、真っ黒いしょうゆ色の濃い味わいなのに、食味が丸い「葱油拌麺」をおすすめする。

「来月も来ようかな」。南さんの料理はやさしく、毎日食べたくなる温かさがあるので、店を出るときはきっとこんなことを思うはずである。

画像1: 連載 
TOKYOチャイニーズは燃えている 
Vol.2

ミモザ

「見た目は地味でも、食べればおいしい!という振れ幅のある料理を作りたい」と南俊郎シェフ。アラカルトのほか、ミモザコース ¥8,500

住所:東京都港区南青山3-10-40 フィオラ南青山ビル2F
電話:03(6804)6885
営業時間:18:00~23:00(LO)
定休日:日曜・祝日
公式サイト:http://mimosa-aoyama.com

※本文中の料理は、季節により、またメニュー改定により提供されていない場合があります。

マッキー牧元
1955年東京出身。数々のメディアで活躍中の、自称「タベアルキスト」。割烹から焼き鳥、トンカツ、居酒屋まで日々渉猟し、旅先ではなんと「朝3、昼2、夜1(食)」が基本と語る食ジャーナリスト。一読、「うまそう!」と思わずよだれをそそる、シズル感あふれる文体が魅力。株式会社味の手帖 取締役編集顧問もつとめる。

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