フランス・カマルグの一ツ星レストラン「ラ・サシャニェット」のアルマン・アルナルが監修する恵比寿の「メゾン プルミエール」。アルマンシェフが愛する日本酒「惣誉(そうほまれ)」とのペアリング・ディナーをレポート

BY MIKA KITAMURA

 宇都宮で先日、南フランス・カマルグに店を構えるアルマン・アルナルシェフと地元の「惣誉酒造」のコラボレーションディナーが開かれた。昨年12月から今年1月いっぱいまでの2カ月にわたり、アルナルシェフが監修するレストラン「メゾン プルミエール」で提供されたペアリングメニューのお披露目だ。欧米で「SAKE」と呼ばれ、日本酒が注目を浴びる昨今、「日本への僕の関心は日本酒から始まりました」と話すほど、アルナルはSAKE ラバーである。

画像: アルマン・アルナル 1977年フランス・モンペリエ県に生まれる。1998年にNYへ。フランスに戻り、アラン・デュカスのもとで6年間働く。2006年、フランス・カマルグで独立。「La Chassagnette」のシェフとなり、2009年ミシュラン一ツ星を獲得

アルマン・アルナル
1977年フランス・モンペリエ県に生まれる。1998年にNYへ。フランスに戻り、アラン・デュカスのもとで6年間働く。2006年、フランス・カマルグで独立。「La Chassagnette」のシェフとなり、2009年ミシュラン一ツ星を獲得

 アルナルは、ミシュラン1ツ星のレストラン「ラ・サシャニェット」のシェフ。カマルグといえば、上質な塩の産地としても料理好きに知られる。アルル郊外からカマルグが接する地中海にかけては湿原が広がり、野生の白馬やフラミンゴが棲息している。「ラ・サシャニェット」のメインダイニングは、樹々の合間に置かれた戸外のテーブル。ピーター・メイルの『南仏プロヴァンスの12か月』の楽しみを彷彿させるような、自然に囲まれたレストランだ。

「野菜の魔術師」と呼ばれるアルナルは、このレストランの敷地内に野菜とハーブの畑を持ち(選任スタッフが3名もいる!)、毎朝菜園を歩き、その日のメニューを決めるという。大の日本酒好きゆえに、ドリンクメニューには日本の地図とともに、数種類の日本酒を常備している。そんな縁が広がり、現在は恵比寿「メゾン プルミエール」をはじめ、宇都宮の結婚式場「ヴィラ・デ・マリアージュ宇都宮」、日比谷公園内のレストラン「日比谷パレス」などの料理監修も務めている。

画像: 恵比寿「メゾン プルミエール」。恵比寿を一望する丘の上に建つ1軒家のフレンチレストラン。アルマン・アルナルの料理監修のもと、軽快な南仏の味を提供

恵比寿「メゾン プルミエール」。恵比寿を一望する丘の上に建つ1軒家のフレンチレストラン。アルマン・アルナルの料理監修のもと、軽快な南仏の味を提供

 栃木の酒蔵「惣誉酒造」は、アルマンシェフが愛する酒蔵のひとつ。「ミネラル分が多く、デリケートな味わいです。ブルゴーニュワインにとても似ていると思う。時間をかけて、ていねいに造り上げた味ですね」とアルマンは絶賛する。

「惣誉酒造」は明治5(1872)年創業。「地の酒に生きる」をモットーとする、140年以上の歴史ある酒蔵だ。生産量の90%以上が栃木県内で消費される一方で、パリの名門ホテル「オテル・ドゥ・クリヨン」、NYの人気店「ZUMA」などのメニューにも載る。海外での評価も高く、国内では「全国新酒鑑評会」の金賞を5年連続で獲得するなど数々の賞を受けている。

画像: 宇都宮から車で東へ40分。「惣誉酒造」はの酒は、鬼怒川水系の伏流水と選び抜いた酒米(特A地区の兵庫県産山田錦や、栃木県産五百万石)で仕込まれる。ブレンドした酒のほか、5年ほど前から山田錦を35%も磨いた酒を熟成しており、2020年にヴィンテージの酒もリリースする予定だ

宇都宮から車で東へ40分。「惣誉酒造」はの酒は、鬼怒川水系の伏流水と選び抜いた酒米(特A地区の兵庫県産山田錦や、栃木県産五百万石)で仕込まれる。ブレンドした酒のほか、5年ほど前から山田錦を35%も磨いた酒を熟成しており、2020年にヴィンテージの酒もリリースする予定だ

 この蔵で特に注目されているのが、江戸時代から続く「生酛造り」による酒造り。自然の力を生かし、時間をかけて乳酸菌を育て、酒母を造るのが生酛造りだ。一般的に「複雑で味に深みのある」酒になると言われ、燗酒にも適している。惣誉では3種類の酵母でつくったそれぞれの酒を別々に貯蔵する。瓶詰めするときに、醸造年度の異なるもの、酵母の異なるものをブレンドするためだ。まるで、ワインのアッサンブラージュ(品種、複数年のワインをブレンドすること)のよう。「生酛造りは重く、旨い酒になりやすいのですが、私たちが目指すのは繊細でエレガントな風味です」と、河野 遵社長は語る。

 

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