食材が育つ土地、育てる人、そのすべてを取り巻くものに感じるインスピレーションから生まれるひと皿―― ミシュランも認めた実力派シェフ、入江 誠氏が作る「ウィークエンドランチ」とは

BY MIKA KITAMURA

 ヘルスコンシャスで食べることが好きな人たちの注目を集めている店がある。都会の真ん中にいるとは思えない、緑に囲まれたテラスと木目を基調としたモダンでシックな店内、日本各地の生産者を巡り、シェフが惚れ込んだ旬の食材をふんだんに使って調理する――いわゆる“Farm to Table”のスタイルを大切にしているレストラン「ARBOR(アルボア)」だ。

画像: 木目調の落ち着いた空間に、ゆったりとした時間が流れる店内

木目調の落ち着いた空間に、ゆったりとした時間が流れる店内

 ARBORは、今年の9月にオープンした“マインドフィットネス”と“イノベーション”をテーマに、ビジネスパーソン向けのメンバーシップスペースを展開する「AoyamaTreehouse(青山ツリーハウス)」内にあるレストランサービス。青山「ピエール・ガニェール・ア・東京」で料理長として二ツ星を獲得した、実力派の入江 誠さんがエグゼクティブ・シェフを務める。フレンチをベースに、入江氏が惚れ込んだ食材を使ったウィークエンドランチがコースで楽しめる。

画像: 入江 誠(MAKOTO IRIE) 1975年生まれ。1995年「クイーン・アリス」に入店。1999年に渡仏し、「ルカ・キャルトン」「プチニース」などで修業。帰国後、2005年に南青山「ピエール・ガニェール・ア・東京」の料理長に就任し、ミシュラン二ツ星を獲得。2019年より「ARBOR」のエグゼクティブ・シェフを務める

入江 誠(MAKOTO IRIE)
1975年生まれ。1995年「クイーン・アリス」に入店。1999年に渡仏し、「ルカ・キャルトン」「プチニース」などで修業。帰国後、2005年に南青山「ピエール・ガニェール・ア・東京」の料理長に就任し、ミシュラン二ツ星を獲得。2019年より「ARBOR」のエグゼクティブ・シェフを務める

 メニューは、ウェルカムカクテルからはじまり、前菜5品、メインディッシュ、デザート、食後のドリンクまでのコース。この10月からは秋冬の食材を使った新メニューが供され、その第一弾は、期間限定で島根県・石見地区とのコラボレーションでスタートした。

画像: 5種の前菜(アペタイザー)。季節の野菜を中心に、和食、洋食やエスニックまであらゆるジャンルの料理からインスパイアされたメニューから選ぶ

5種の前菜(アペタイザー)。季節の野菜を中心に、和食、洋食やエスニックまであらゆるジャンルの料理からインスパイアされたメニューから選ぶ

「先日、島根へ行ってきました。生産者さんたちがどのように素材を育て、慈しんでいるのか、しっかり拝見してきました。土地の風や空気、土をたっぷり吸い込んで育った味をどう調理するか。いつもは厨房で考えて悩んでいますが、今回は違ったんです」と、明るい声で入江シェフは話す。「石見ポーク」の生産地を実際に見て、自身の舌で味わい、これは使いたいとチェックを入れつつ、次の目的地である酒蔵へ。蔵の中に入った瞬間、ある料理がひらめいたという。まるで天からレシピが降りてきた――「石見ポークの煮込み 玉櫻酒造の酒粕仕立て」は、そうして誕生したひと品だ。

画像: 期間限定スペシャル コースメニューより。※11月24日(日)まで 「石見ポークの煮込み 玉櫻酒造の酒粕仕立て」

期間限定スペシャル コースメニューより。※11月24日(日)まで
「石見ポークの煮込み 玉櫻酒造の酒粕仕立て」

 石見ポークは、自然に囲まれた島根県邑南町(おおなんちょう)で大切に育てられている。赤身と脂身のバランスがよく、もともと品質のよさに定評のある品種を、育て方もこだわり、肉質のよさをさらに向上させた。「石見ポークは脂身が甘く、その風味をさらに生かすために、酒蔵の酒粕を合わせることにしたんです」。豚肉は3日間塩と酒粕に漬け込み、1日間かけて乾燥させることによって、肉の旨みを熟成させる。一日煮込んで一日寝かせることで味を馴染ませ、ゲストに出す直前にロースト。合わせるソースは酒粕のピュレだ。島根産の柚子胡椒を効かせて味を引き締める。島根のオールスターが皿の上で花開いた華やかなひと品になった。フレンチの枠にこだわらず、日本の食材を使い、自由で伸びやかな料理を作っている。

 期間限定メニューの他にも、定番の「ケリーのグラノラ 北海道ヨーグルト」や「北海道産羊のスパイシーパエリア」、新メニューの「柚子の香る豚バラ肉のクリスピー 酒粕ソース」や「柿のマリネ ほうじ茶ババロア メレンゲ添え」など旬の食材をつかった料理が揃う。ヴィーガン対応のメニューも充実している。

画像: ARBORおすすめの定番メニュー「北海道産羊のスパイシーパエリア」

ARBORおすすめの定番メニュー「北海道産羊のスパイシーパエリア」

画像: 食後に提供されるハーブティーは、摘みたてのハーブを使用 PHOTOGRAPHS: COURTESY OF ARBOR

食後に提供されるハーブティーは、摘みたてのハーブを使用
PHOTOGRAPHS: COURTESY OF ARBOR

 厨房を飛び出して生まれたメニューは、やはり自然のエネルギーに満ちた味わいになるのだろう。
「命を預かって調理している身としては、環境問題も気になります」。厨房で料理だけと向き合ってきた時代を経て、より軽やかに、より自然に。今後もさまざまな産地へ赴き、新しいお皿をコースメニューに登場させるそうだ。この先、入江シェフが生み出す料理から目が離せない。

 また店内のインテリアも必見。NYの「Ace Hotel」「ヴィセロイ」などのデザインで知られるデザインユニット、ローマン&ウィリアムスによる解放感あるモダンな空間で食事ができるのは、日本ではここだけだ。シャンパンのフリーフローもあるので、これからの季節、お世話になった方や友人との集いなどにも重宝するはず。

ARBOR
住所:東京都港区北青山1-2-3 青山ビル2階
営業時間:11:00〜16:00(土・日曜・祝日のランチのみ営業)
料金:ウィークエンドランチコース¥5,500、シャンパンのフリーフローはプラス¥5,000
電話:03(5413)4568
公式サイト

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