RECIPE BY KEIKO NAGAE, PHOTOGRAPHS BY MANA LAURENT, TEXT BY MIKA KITAMURA
![画像: プラスチックカップに冷やし固めたバヴァロア・ショコラ。チョコレートを削ったり、ナッツをのせたりと、ほんの少しの工夫でランクアップ。プラカップとは思えないエレガントな仕上がりに](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783302/rc/2023/05/02/7ebc6143f7f64bf83612a09b335bf6c09f76b0a0_large.jpg#lz:xlarge)
プラスチックカップに冷やし固めたバヴァロア・ショコラ。チョコレートを削ったり、ナッツをのせたりと、ほんの少しの工夫でランクアップ。プラカップとは思えないエレガントな仕上がりに
なめらかでクリーミーなバヴァロア。牛乳、卵黄、砂糖で作る「アングレーズソース」に、泡立てた生クリームとゼラチンを加え、冷やし固めたお菓子。第1回は基本のバヴァロアとして「バヴァロア・ヴァニーユ」を、第2回はいちごを加えた「いちごのバヴァロア」を使った華やかなケーキ「シャルロット」の作り方を習った。第3回は、いちごの代わりにチョコレートを加えた、バヴァロア・ショコラをご紹介。チョコレート好きにはたまらない、濃厚で魅惑の味わい。砂糖を加えず、チョコレートの甘みを利用するので、甘さ控えめな大人の味。加えるチョコレートのカカオ成分の割合で、味わいも変わってくるので、好みの味のチョコレートで作ってみましょう。
![画像1: パリのパティシエ
長江桂子さんにお菓子を習う
Vol.3 バヴァロア・ショコラ](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783302/rc/2023/05/04/caeec431d2e5ff34c74967c9f4cbe819bef0d80f_large.jpg#lz:xlarge)
材料(作りやすい分量)
牛乳 200g
卵黄40g(約2個分)
チョコレート*100g
ゼラチン(200ブルーム)**2g
生クリーム 35% 200g
*チョコレートは好みのもので。今回はカカオ成分70%のダークチョコレートを使用。カカオ成分の少ないものを使用する場合、量を少し増やしてもよい。
**ゼラチンは200ブルームを使用
下準備
・粉ゼラチンは小さなボウルに入れ、12g(6倍量)の水を加えて混ぜ、ふやかす。板ゼラチンの場合は、たっぷりの氷水に漬ける。
・チョコレートは刻む(材料の写真はすでに刻んだもの)。
作り方
1 アングレーズソースをつくる。牛乳を沸騰直前まで温める。
2 ボウルに卵黄を入れ、泡立て器で白っぽくもったりとするまですり混ぜる。
3 1の牛乳の半量を2に加 えてよく混ぜ、鍋に戻し入れる。ゴムベラで底を万遍なく混ぜながら、表面の泡が消え、トロッとするまで炊いて、アングレーズソースを完成させる。出来上がりの目安は、ヘラについたソースを指でこすってみて、跡がついたらOK。
*万が一、3のアングレーズソースにダマができてしまったら、ざるで漉した後に、ハンドミキサーでなめらかになるまで混ぜるとよい。強火で加熱し過ぎたり、鍋底をよくかき混ぜなかったりすると、ダマができやすい。
4 3が温かいうちにゼラチンを加えて溶かす。ゼラチンは熱に弱く、熱しすぎると凝固力が弱まってしまうので、余熱のあるこのタイミングで必ず溶かすこと。バニラのさやが入っていないので、今回は漉さない。
![画像1: 作り方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783302/rc/2023/05/02/6d07336999f6aca68cbb78c3eb790813b852fcff_large.jpg#lz:xlarge)
5 チョコレートをボウルに入れ、4を2〜3回に分けて加える。
![画像2: 作り方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783302/rc/2023/05/02/93a5448ad6f3db2f444343cc25a4de8312e534f6_large.jpg#lz:xlarge)
6 4を加えるたびに、ヘラで中心から同じ方向によく混ぜ合わせる。4がまだ温かいのでチョコレートが溶けていく。
![画像3: 作り方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783302/rc/2023/05/02/11256939a3ae421b67a0507f54009b9a1dea70c4_large.jpg#lz:xlarge)
7 アングレーズソースを少しずつ(2〜3回に分けて)加えるほうがよく混ざり合う。水分と油分を乳化させるので、マヨネーズ作りのように少しずつアングレーズソースを加えながら混ぜていくと、やりやすい。
![画像4: 作り方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783302/rc/2023/05/02/e8cb853c8642a321d1ed30be3c24437d1df29fd2_large.jpg#lz:xlarge)
8 最後にハンドミキサーでなめらかになるまで撹拌する。もし固まり始めてしまったら、湯煎して温めれば大丈夫。
9 生クリームは6分立てに泡立てる。
![画像5: 作り方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783302/rc/2023/05/02/b7e95df6b2b9555875dd84fed4ade8905a77037a_large.jpg#lz:xlarge)
10 生クリームを半分加え、ヘラで底からすくい上げるように全体を混ぜ合わせる。
![画像6: 作り方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783302/rc/2023/05/02/57e36cbd107a4632ae6ae78380fdd5a95d100e13_large.jpg#lz:xlarge)
11泡立て器に持ち換え、下からすくい上げるように全体を合わせる。泡立てた生クリームの気泡をつぶさないよう、少ない回数で全体を混ぜ合わせるのがよい。
![画像7: 作り方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783302/rc/2023/05/02/6a78b10cb6037da9ee9d5169f2b6c5999e59e0d3_large.jpg#lz:xlarge)
好みの器(グラスやプラスチックカップなど)に注ぎ入れ、冷蔵庫で冷やし固める。
基本のチョコレートのバヴァロアはこれで完成だが、バヴァロア・ヴァニーユ同様、フランスでは、そのままではなく、何か添えることが多いとか。ふんわり泡立てた生クリームやカカオパウダーを振ったり、削ったチョコレートやナッツ、砕いたクッキーなどを添えてデザートとして組み立てる。「家にあるものでも、いろいろ楽しめますよ」と長江さん。
仕上げ
![画像1: 仕上げ](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783302/rc/2023/05/02/c1da229b2de1307b93df5e50fd7a85804e71ec2b_large.jpg#lz:xlarge)
好みの板チョコの表面をスプーンの先を当てて奥から手前に削ると、くるんと薄く削ぐことができる。もしくは、板チョコの側面にピーラーを当てて削るやり方でもよい。
![画像2: 仕上げ](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783302/rc/2023/05/02/2bb621dc9a58efbdb6f3ace1044aa642cd1a7337_large.jpg#lz:xlarge)
削ったチョコレートはキッチンペーパーなどにのせ、カカオパウダーをふる。カカオパウダーはカカオの風味をより豊かにし、チョコレート同士がくっつかないメリットも。
![画像3: 仕上げ](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783302/rc/2023/05/02/3e53e53b37b99a2c164f824fa4a4755a32a9eff8_large.jpg#lz:xlarge)
削ったチョコレートをのせるだけで、立派なデザートに変身!
長江桂子(ながえ・けいこ)
学習院大学を卒業後、ソルボンヌ大学に留学。ル・コルドン・ブルーでディプロマを取得。「ラデュレ」を経て、ロンドン「スケッチ」のオープニングスタッフに。2003年ヤニック・アレノ率いる「オテル・ムーリス」、2004年「オテル・ランカスター」シェフパティシエ、2008年パリ「ピエール・ガニェール」シェフパティシエを歴任。2012年、ガストロノミー界のコンサルティング会社「AROME」をフランスで設立。パリを拠点に、世界各地にて菓子ブランドや店舗の立ち上げ、商品開発、技術指導、監修などを手がける
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