RECIPE BY KEIKO NAGAE, PHOTOGRAPHS BY MANA LAURENT, TEXT BY MIKA KITAMURA
お菓子を作るにもオーブンを使いたくない日が続くこの頃。夏の冷菓として、グラニテ、バニラアイスクリームとご紹介してきたが、今回は生クリームを使った贅沢な味わいの「パルフェ・グラッセ・ア・ラ・ヴァニーユ」の作り方を習う。
「本来は、シロップを沸かして卵黄と合わせたパータ・ボンブを使いますが、砂糖の量をぎりぎりまで減らしているので、湯煎しながら卵黄と砂糖、牛乳に火を通すことができます」と長江さん。
湯煎にかけたアパレイユ(卵液)を、熱いうちに高速のハンドミキサーで一気に空気を含ませ、キメを整えながら常温にして、泡立てた生クリームを加えるのがコツ。
「パルフェ(parfait)」はフランス語で「完璧な」という意味。16世紀にカトリーヌ・ド・メディチによってフランスにもたらされた冷菓が、17〜18世紀に宮廷の貴婦人たちのお気に入りとなり、宮廷料理人が卵黄や生クリームなどを加えるレシピを編み出した。
冷たくてミルキー、味わいも口溶けもエレガントなデザート。そんな華麗なデザートが「parfait」と呼ばれたのは当然のことだろう。作り方は意外に簡単なので、ぜひトライしてほしい。
材料
生クリーム 200g
バニラビーンズ 1/2本
牛乳 30g
卵黄 50g
グラニュー糖 30g
作り方
1 バニラビーンズを縦に切ってタネを取り出し、生クリームに加える。まな板の上でしごいてもいいが、両手にバニラビーンズを持ち、ナイフで直接しごき入れると簡単。
2 1をハンドミキサーで6〜7分立てに泡立てる。ラップをかけ、冷蔵庫で保管する。
3 ボウルに卵黄とグラニュー糖を入れ、泡立て器でもったりするまでしっかり混ぜる。温めた牛乳を加えて混ぜる。
4 3を湯煎にかけて、卵黄に火を通す。
5 白っぽくなり、もったりするまで泡立てるように混ぜ続ける。ヘラの卵液を指でこすり、跡がついたらOK。
6 湯煎から5をおろし、ハンドミキサーを高速にして2〜3分間泡立て、一気に空気を含ませる。ミキサーの羽の周りに筋が見えて、白っぽくなるまで泡立てる。
7 ハンドミキサーを中速に落とし、ヘラで周りのクリームをきれいに落としながら、さらに泡のキメを整え、室温になるまで泡立てる。持ち上げてトローッと落ちてくるくらいが目安。ここで温度が高いままだと、ホイップした生クリームの泡が溶けてしまうので、室温に落とすことが大切。
8 2の生クリームを冷蔵庫から出し、泡立て器で軽く混ぜ合わせてキメを整える。1/3量を7に加えて泡立て器で混ぜ、残りも加える。気泡をつぶさないように泡立て器で混ぜ、ゴムベラに持ち替えて混ぜる。
9 好みの型に流し入れ、ラップをかけて冷凍する。
10 パウンド型にワックスペーパーを敷き、冷やし固めたものを、ペーパーごと型からはずす。
11 好みの厚さ(写真は2cm強)に切り、器に盛る。包丁をお湯で軽く温めて切ると、くっつかずきれいに切れる。
仕上げのバリエーション
パルフェ・グラッセは好みの型に流し込んだら、チョコレートコーティングし、泡立てた生クリームを絞ってポップに仕上げても。
9でプリン型におかずカップを入れて流し込んだものは、おかずカップをはずし、串をさす。
チョコレートコーティング*をして、串を抜き、好みのものを飾る。写真は、泡立てた生クリーム、チョコレート入りの泡立てた生クリーム、ナッツを飾った。
*好みのチョコレートを溶かすだけでよい。本格的に仕上げたければ、チョコレート100gを湯煎で溶かし、植物油(太白ごま油、グレープシードオイルなど香りのないもの)25gを加えてハンドブレンダーで攪拌し、しっかり乳化させてもOK。
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