TEXT&PHOTOGRAPHS BY JUNKO AMANO
100年続く老舗店も多いが、新しい店も次々オープンする京都。今月はオープン間もないのに早くも話題の新店を紹介。第3弾は「ATEELIER PAGES KYOTO」をご案内します。
河原町御池「ATELIER PAGES KYOTO」
今年7月、パリの一つ星レストラン「Restaurant Page」のシェフである手島竜司氏が日本に初のショップ「ATELIER PAGES KYOTO(アトリエ パージュ キョウト)」をオープン。ショップでは、ジェラートと焼き菓子が楽しめるほか、11月からはパリから届くショコラの販売もスタートした。
手島氏は26歳で渡仏。星付きレストランで修業を重ね、2014年「Restaurant Page」をオープン。2016年にはオープンから1年半という早さでミシュランガイドにて一つ星を獲得している。
「パリで修行を始めて20年、自分の店を出して10年という年に、日本でも何かしたいと思って。パリと姉妹都市である京都は歴史を重ねた街であり、パリとも雰囲気が似ているので、京都への出店を決めました」と、手島氏。
店頭に並ぶ菓子は、パリの技術をただ日本に持ち込んだものではなく、フランスに長く暮らす手島氏が、パリの仲間と作り上げた新しいエスプリを込めた、料理人発想のスイーツになっている。
特にジェラートは、パリをメインフィールドに活躍する料理人らしい素材の使い方や組み合わせを発揮。
例えば、デーツミントは中近東ではお馴染みの組み合わせで、手島氏もチャツネにしてフォアグラに添えることがあるそう。干し柿や黒糖にも似たデーツの甘みと爽やかなミントは、これまでジェラートでなかったのが不思議なくらいしっくり。新鮮かつ好相性だ。
フィナンシェも、日本では分厚くふわもっちりなものが主流だが、薄いフランスの伝統的なシェイプに。なるべく“できたて”を味わってもらうため、店内の工房で、少量をこまめに焼いていて、表面が香ばしく、特に縁がカリカリでおいしい。
「パリと京都では気候や湿度、素材、水など、いろいろ変わってくるので」と、ルセットを少し変えて、パリの「Restaurant Page」のプティフールに出されているフィナンシェを再現しているそう。
ショコラはパリ20区に見立て、行政区の番号やその区にまつわるモニュメントをデザイン。4にはノートルダム寺院、7にはエッフェル塔、8には凱旋門があしらわれ、自身のレストランのある16区にはミシュランの星マークも!
「ショコラは、ミリ単位で味が変わり、一粒で完結するところが、まるでお鮨みたい」と、手島氏は表現。一粒ほおばると、素材やフレーバー、ガナッシュ、コーティングするチョコレートによるコラボレーションによる繊細かつ複雑な味わいを感じ、その余韻が続いていく。
イートインスペースもあり、底冷えが厳しくなるこれからの季節、ショコラとコーヒーで、京都散策途中のほっと一息にもお勧め。
ATELIER PAGES KYOTO
住所:京都市中京区御池通河原町東入南側下丸屋町412-3
営業時間:10:00~18:00
定休日:水曜
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