RECIPE BY YOKO ARIMOTO, PHOTOGRAPHS BY YUKI SUGIURA, TEXT BY MIKA KITAMURA

季節の野菜サラダと、ゆでたてのパスタ・アリオ・オーリオ・ペペロンチーネを一皿に。
ランチにもおすすめ
パスタと楽しむ、ほろ苦野菜サラダ
「サラダをパスタに添えてひと皿で食べるのが好きです」。Vol.9でご紹介した、おいしいサラダの作り方をマスターしたら、この食べ方をぜひ、楽しんでみてほしい。「アリオ・オーリオ・ペペロンチーネのようなシンプルなパスタだけのときでも、野菜も少しは食べたいですね。パスタとサラダをひと皿にしてみたら、別々のお皿に盛っていただくのとは違い、サラダのシャキシャキした爽やかな口当たりとパスタとの一体感が楽しくて、飽きずに食べ進められます」。
添える野菜は、ほろ苦系が合う。今回はサラダからし菜とマスタードリーフの2種類を使ったが、トレヴィス、水菜、サニーレタス、クレソン、エンダイブ、ルッコラ、わさび菜などを2〜3種類合わせても。
ほろ苦野菜に合うよう、ビネガーにひと工夫をするのがポイント。白ワインビネガーと千鳥酢を同量で合わせ、メープルシロップを少々。白ワインビネガーのキリリとした酸味に、千鳥酢のマイルドさが加わり、野菜の苦味が穏やかに感じられる。「メープルシロップは甘みのためではなく、ミックスしたビネガーを優しい味わいにするために加えています」。このミックスビネガーは合わせたあとで保存もできる。
サラダもパスタも作り方がシンプルで簡単。だからこそ、この料理でいちばん気をつけたいのは“段取り”だ。作り方を時系列でご紹介するので、最初はこの通りに作ってみて。「シャキシャキのサラダとゆでたてのパスタの美味しさをのせたひと皿を、楽しんでくださいね」。

<材料 2人分>
⚫︎ほろ苦野菜サラダ
ほろ苦野菜(サラダからし菜、マスタードリーフ) 両手のひら2杯分
オリーブオイル 適量
ミックスしたビネガー* 適量
塩、胡椒 各適量
*白ワインビネガーと千鳥酢1:1の割合に、メープルシロップ少量を合わせる。
⚫︎パスタ・アリオ・オーリオ・ペペロンチーネ
スパゲッティ 160〜200g
にんにく(みじん切り) 1〜2片分
アンチョビ 4〜5本
赤唐辛子 1本
オリーブオイル 大さじ2〜3
<作り方>

1 グリーンサラダ(Vol.9)の作り方で、「ほろ苦野菜サラダ」を作り始める。野菜にオリーブオイルをあえたら作業をいったんストップし、暑い時期なら冷蔵庫に入れておく。

2 スパゲッティをゆでるため、大きな鍋にお湯を沸かし始める。別の鍋ににんにくとオリーブオイルを入れて中火にかけ、にんにくの香りが出たら、アンチョビはそのまま、唐辛子をちぎって種ごと入れる。ヘラで混ぜて全体が馴染んだら火を止める。

3 2のスパゲッティ用のお湯が沸騰したら、海水程度の濃度になるよう塩(水1ℓあたりに30g強の塩・分量外)を入れて、パスタをゆでる。

4 パスタをゆでている間に、1のサラダにミックスしたビネガーを加えて混ぜ、塩も加えて合わせる。詳しくはグリーンサラダ(Vol.9)を参照してください。

5 3のスパゲッティがゆで上がったら、2のソースの鍋を火にかける。パスタをトングなどでソースの鍋に移し、全体をよく和える。パスタについた水分でソースを乳化させるので、ゆで汁は加えなくてよい。写真のように、サラダのボウルや鍋を並べて作業すると効率がよい。

6 スパゲッティを器に盛り、4のサラダをたっぷりのせる。

有元葉子(ありもとようこ)
料理家。素材を生かしたシンプルで力強い料理と、環境にも配慮した心地よい暮らし方に多くの共感が集まり、著書は100冊を超える。使いやすく美しい調理道具「ラバーゼ」シリーズを提案し、東京でセレクトショップ「SHOP281」を経営。イタリア・ウンブリアと信州にも家を持ち、東京と信州、イタリアでの生活を楽しむ。
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